【R18】僕はスマホ、君の谷間にカメラがずきゅん

音無威人

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我は地球、汝らの足に火山がドカン

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 我は地球。踏まれることが大好きだ。人間でも動物でも構わぬ。踏んでくれるなら何だっていい。


「――キレイな海ね」
「透き通ってる」
「底まで見えるよ」
 ぬ。意識を集中せねば。
「さ、泳ごー」
 むぅ、海水浴か。浅い海ではない。これでは踏みを堪能できぬ。別の場所を探さねば。


「ファイト―」
「もうダメ」
「あともうちょっとよ。最後まで走りましょう」
 ぬっ、これはマラソンではないか!
 良いぞ。たくさんの人間が走っている。
 欲を言えばアスファルトの上ではなく、我が地肌に直接触れてほしかったものだ。むき出しの地面の上であれば、踏みを思う存分堪能できたのだが。
 仕方あるまい。地上はもはや人間の領域。人間の住む場所は道が舗装されている。人里離れた場所でなければ、我の地肌は露出していない。

 人間が増えるのは嬉しい。踏まれる回数が多くなるからだ。だが人間が増えれば増えるほど開発は進み、我の敏感な地肌は少なくなっていく。難儀なものだ。


「今からこの山に登るからね」
「えー」
「マジかよ」
「だりい」
「はいはい、文句言わないの」
 おぉー、あれは山登りの集団。山は我の地肌。踏まれまくる!
 こ、興奮してきた。
「さぁ、行きましょう」
 先頭の娘の掛け声で、集団が山を登っていく。タッタッタのリズムが心地いい刺激を与えてくれる。これぞ我が求めていたものだ。
 
「休憩しましょうか」
 はぁはぁ。なんだもう休むのか。これからが良いところだというのに。
「もうくったくった」
 うぅ。若い娘が座った衝撃が……。ぬぅ、手まで置くとは。刺激の連続で敏感になっているな。まずいかもしれぬ。
「はぁー」
「何寝転んでんのよ。汚れるわよ」
「汚れてもいいわ。もうここで寝たい」
「ゴロゴロしない」
 ぬああ。あの若い娘、我の地肌で転がりおった。
 はぁはぁ。もうだめだ。我慢できぬ。我はイクぞー!

「きゃー、噴火よー!」
 うっ、うっ、うっ、うぅ……ふぅ、我は満足だ。
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