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一章
裏町を生きる
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連れてこられた酒場は橙色の寂れた灯だけが周りを照らし、スラム街独特の陰険な薄暗さが夕焼けに染まる『表』からは切り離されている。覗けば中にも客が居ることはいるのだが、皆一様に退廃的な空気を持っていた。
「まあ、座れよ」
ジアにとってはいつものことなのだろう。どこがおかしいとか、そんな気持ちは微塵も持っていないような様子だ。
「どうぞ…」
薄らハゲでネズミのような顔をした親父が愛想の欠片も無く皿を突き出してくる。見れば肉と、見たこともない野菜を煮たものだ。それをジアは手を合わせたり、祈ったり、そんなことは全くせず料理を食べ始める。呆れたようにジアの方をみるとジアはキョトンとした顔をして、食えよ、と目で合図する。
「ああ、すまねぇな。」
ここでは祈ったりすると、逆に異端に思われるのだろう。そう思って自分も料理に箸をつける。
料理は上手くも不味くもなかった。ただ、味は濃い。調味料がきつすぎるのだ。肉も、トロトロとしているが、何の肉を食っているのかわからない。
「なぁ、こりゃなんの肉だ?」
きいてみると、ジアは食事の邪魔をされたのが不愉快らしく、ああん?とこちらを睨みつけながら飯を食っていた顔を上げる。
「そんなん知らねえよ。だが、まあ、ネズミじゃねぇの?肉のサイズからして。」
箸を取り落とすことはなかったが、少しばかり瞠目してしまう。あの親父は共食いもするのか…場違いなことだが、そんなことを思った。それをジアはネズミの肉なんて食ったことねぇ、とでも思ったのかもしれない、はぁ、っと溜息をついた。
「あのよぉ、ネズミだろうが犬っころだろうが、肉を食える日はいい日だ。あんたみたいなお坊ちゃんじゃなけりゃあな。酒を飲める日と肉を食う日、これはあたしたちスラム街の連中にとってはあんたらの安息日と同じだ。神に感謝する日なんだ。分かったら黙って美味そうに食えよ、新入り」
そう言ってジアはニイ、と笑う。さっきよりも一層頰を引きつらして笑うのだ。こればかりは美人の顔でも薄気味悪いものだった。
「そうなのか、知らなかった。」
「…まあ、あたしなんてまだましさ。」
淡々と返すと、ジアは取って付けたように言う。薄明かりの陰でジアの表情がどんなものかは全く分からなかった。
「ミチルっていうな、あんたの財布をくすねたガキのことなんだが、あいつなんて特に可哀想だ。あたしに比べりゃあ、だがな。あいつぁくすねた金でしか生計を立てれネェ、真っ当に働こうにもあたしゃら、戸籍もねぇしな。なんかできりゃあ、裏でも生計は立てれる。飢えて死んで、それでカタコンペんなかにはぶち込まれないぐらいにはな。でも、なぁんもできねぇやつとか、餓鬼とかは人から金くすねたり、襲ったりしなきゃあいきれねぇ。あいつなんかぁ、自分の弟や妹の面倒みなきゃなんねぇ。だから、スる回数も増えちまう。あたしらから言わせりゃ善人さ。あたしぁ何回か見たね、そういう奴。だけど皆死んじまった。しゃあないことだがね。」
確かにスラムではよくある話だ。金がない人間はこうしてスラムに集まるのだ。狸も例外ではないのだろう。
「ハッ、つまんねぇこといったな、あんちゃん。どうもいけねぇ、最近ダチがポカやらかして逝っちまってね。全く、割り切れねぇのは悪りぃ癖だ。まあ、ということだ、気にしねぇでくれ。こんなしけた話やめて今日は稼ぎでパァーッといこうぜ!」
「…ああ」
ジアの話し方は無茶苦茶だが暗にいいたいことはわかった。自分みたいな新入りにこの街はむかない、だからちゃっちゃとでていけ、こういうことなのだろう。ジア自身の言いたいことが言い表せれてない時点、いや、言いたいことを気づかないでいる時点で答えは不明のままなのであるが。
「~っはぁ!いやぁ、仕事終わりの一杯はたまんねぇぜ!そうだろう?新入り」
「ああ、美味いな。」
実際のところは全く上手くない。飲めたものですらない。そもそも、これは酒ではない。ただのアルコールだ。『表』でこれをまともに飲める奴などいるまい。酒に強いのが幸いしたのだ。
「へっ、しけたツラしやがって、おら、飲め、飲め、もっと飲め!あたしが飲ましてやらぁ!」
「ふがっ!!」
ヘッドロックされて無理やりこの、酒とも言えない酒をぶっかけられる。アルコールの匂いが鼻をつく。店の主人がこっちをずっと、何か懈怠な物を見るような目で見つめている。
「へっ、いいとこの坊やが、ちったぁ、大人の階段を上りやがれ、これらからガキは…」
ジアの顔が赤くなっている。アルコールを飲んだのだ。当たり前のことだろう。むしろ死ななかったことすら神に感謝を捧げてもいいのだ。呂律が回らなくなることなんてまだましだ。
「おい、店の主人、他の酒は無いか?」
すると、店の主人はニヤリと薄気味悪く笑う。まるでネズミだ。
「ねぇ、と言いてえところだが、よかったな、今日は偶々手に入ったんだ。安酒だが、まともなもんだ。ちょいと高めだが5000ルツで譲ってやらぁ」
「おう、ツケで頼む」
「明日朝一に返しにこいよ、こなけりゃ出禁にしてやる。」
はいよ、と適当に頷いて、投げてよこされた酒びんを掴みグラスに注いで飲んだ。今度はまともな酒の味がする。久々でも無いし、これまでの自分なら到底飲めたものじゃない、と言っていたであろう酒が少しだけ美味く感じられた。
「おい、ひろつきいていいけぇ?」
隣でジアが完全に酔っ払っている。
「ああ?」
「おまぇあ、、、きぞくのれか?」
恐らく貴族の出か?と聞きたかったのだろう。そう判断して至極なんでもないかのように装ってジアの問いかけ背に答える。
「当たらずとも遠からず、だ」
「なん…それ…」
そこでジアは力尽きたらしい。ゴトンと音を立てて倒れこむと穏やかな寝息を立て始めた。机の角に乳が押し付けられていて、とてもいい感じがする。見ていて飽きなかった。それと、いい顔している。それは逞しい女の顔であった。
「いい顔だ…」
そう独りごちて、酒を煽る。夜もだんだん更けてきていた。橙色の明かりの不気味さが全く気になら無いほどには。それとも自分がもう完全に酔っ払ってしまったのか、グリーン自身には全く見当がつかなかった。
ジアを横目に見ながらこれを肴にして美味い酒を飲んでいると、いつのまにか酒は瓶から無くなっていた。それほどに飲んでいたのか、気づか無い自分にもびっくりした。軍では身体が資本と言われ続け、自分で何でも管理することができたのだ。だから、軍を抜けて一日、数時間程度のニートタイムでこんなになってしまうのは自分でも意外だったのである。それとも抜けて一日目だからこそこんなことをやってしまったのか、それもわからなかった。
「まあ、細けぇこたぁいいか…」
もう自分が軍にいるわけでもなく、誰かに仕えているわけでもないのは自覚している。
「お客サァン、もうそろそろ店仕舞いですぜ、代金は明日でも構わねぇ今日は帰ってくんな」
「…すまねぇ、それと旦那、どっか泊めてくれるとかぁねぇか?」
「一つ向こうの路地に出たらオープン亭っていう安宿がある。そこにしときな」
「すまねぇな」
「おう、また来てくれや」
そう言って旦那は店仕舞いにかかる。グリーンは店を出た。あの日のように星が煌めいている。無性に彼女の顔が見たくなったが、その衝動さえもどうにかして堪える。目線を闇に戻すと、ちゃんとした足取りで歩き出す。
まだ自分の頭の中は極めてクリアだった。今夜は酔えそうにないらしい。
「…さぶっ」
ジアに酒をぶっかけられたことを忘れてた。
とても寒い。
「まあ、座れよ」
ジアにとってはいつものことなのだろう。どこがおかしいとか、そんな気持ちは微塵も持っていないような様子だ。
「どうぞ…」
薄らハゲでネズミのような顔をした親父が愛想の欠片も無く皿を突き出してくる。見れば肉と、見たこともない野菜を煮たものだ。それをジアは手を合わせたり、祈ったり、そんなことは全くせず料理を食べ始める。呆れたようにジアの方をみるとジアはキョトンとした顔をして、食えよ、と目で合図する。
「ああ、すまねぇな。」
ここでは祈ったりすると、逆に異端に思われるのだろう。そう思って自分も料理に箸をつける。
料理は上手くも不味くもなかった。ただ、味は濃い。調味料がきつすぎるのだ。肉も、トロトロとしているが、何の肉を食っているのかわからない。
「なぁ、こりゃなんの肉だ?」
きいてみると、ジアは食事の邪魔をされたのが不愉快らしく、ああん?とこちらを睨みつけながら飯を食っていた顔を上げる。
「そんなん知らねえよ。だが、まあ、ネズミじゃねぇの?肉のサイズからして。」
箸を取り落とすことはなかったが、少しばかり瞠目してしまう。あの親父は共食いもするのか…場違いなことだが、そんなことを思った。それをジアはネズミの肉なんて食ったことねぇ、とでも思ったのかもしれない、はぁ、っと溜息をついた。
「あのよぉ、ネズミだろうが犬っころだろうが、肉を食える日はいい日だ。あんたみたいなお坊ちゃんじゃなけりゃあな。酒を飲める日と肉を食う日、これはあたしたちスラム街の連中にとってはあんたらの安息日と同じだ。神に感謝する日なんだ。分かったら黙って美味そうに食えよ、新入り」
そう言ってジアはニイ、と笑う。さっきよりも一層頰を引きつらして笑うのだ。こればかりは美人の顔でも薄気味悪いものだった。
「そうなのか、知らなかった。」
「…まあ、あたしなんてまだましさ。」
淡々と返すと、ジアは取って付けたように言う。薄明かりの陰でジアの表情がどんなものかは全く分からなかった。
「ミチルっていうな、あんたの財布をくすねたガキのことなんだが、あいつなんて特に可哀想だ。あたしに比べりゃあ、だがな。あいつぁくすねた金でしか生計を立てれネェ、真っ当に働こうにもあたしゃら、戸籍もねぇしな。なんかできりゃあ、裏でも生計は立てれる。飢えて死んで、それでカタコンペんなかにはぶち込まれないぐらいにはな。でも、なぁんもできねぇやつとか、餓鬼とかは人から金くすねたり、襲ったりしなきゃあいきれねぇ。あいつなんかぁ、自分の弟や妹の面倒みなきゃなんねぇ。だから、スる回数も増えちまう。あたしらから言わせりゃ善人さ。あたしぁ何回か見たね、そういう奴。だけど皆死んじまった。しゃあないことだがね。」
確かにスラムではよくある話だ。金がない人間はこうしてスラムに集まるのだ。狸も例外ではないのだろう。
「ハッ、つまんねぇこといったな、あんちゃん。どうもいけねぇ、最近ダチがポカやらかして逝っちまってね。全く、割り切れねぇのは悪りぃ癖だ。まあ、ということだ、気にしねぇでくれ。こんなしけた話やめて今日は稼ぎでパァーッといこうぜ!」
「…ああ」
ジアの話し方は無茶苦茶だが暗にいいたいことはわかった。自分みたいな新入りにこの街はむかない、だからちゃっちゃとでていけ、こういうことなのだろう。ジア自身の言いたいことが言い表せれてない時点、いや、言いたいことを気づかないでいる時点で答えは不明のままなのであるが。
「~っはぁ!いやぁ、仕事終わりの一杯はたまんねぇぜ!そうだろう?新入り」
「ああ、美味いな。」
実際のところは全く上手くない。飲めたものですらない。そもそも、これは酒ではない。ただのアルコールだ。『表』でこれをまともに飲める奴などいるまい。酒に強いのが幸いしたのだ。
「へっ、しけたツラしやがって、おら、飲め、飲め、もっと飲め!あたしが飲ましてやらぁ!」
「ふがっ!!」
ヘッドロックされて無理やりこの、酒とも言えない酒をぶっかけられる。アルコールの匂いが鼻をつく。店の主人がこっちをずっと、何か懈怠な物を見るような目で見つめている。
「へっ、いいとこの坊やが、ちったぁ、大人の階段を上りやがれ、これらからガキは…」
ジアの顔が赤くなっている。アルコールを飲んだのだ。当たり前のことだろう。むしろ死ななかったことすら神に感謝を捧げてもいいのだ。呂律が回らなくなることなんてまだましだ。
「おい、店の主人、他の酒は無いか?」
すると、店の主人はニヤリと薄気味悪く笑う。まるでネズミだ。
「ねぇ、と言いてえところだが、よかったな、今日は偶々手に入ったんだ。安酒だが、まともなもんだ。ちょいと高めだが5000ルツで譲ってやらぁ」
「おう、ツケで頼む」
「明日朝一に返しにこいよ、こなけりゃ出禁にしてやる。」
はいよ、と適当に頷いて、投げてよこされた酒びんを掴みグラスに注いで飲んだ。今度はまともな酒の味がする。久々でも無いし、これまでの自分なら到底飲めたものじゃない、と言っていたであろう酒が少しだけ美味く感じられた。
「おい、ひろつきいていいけぇ?」
隣でジアが完全に酔っ払っている。
「ああ?」
「おまぇあ、、、きぞくのれか?」
恐らく貴族の出か?と聞きたかったのだろう。そう判断して至極なんでもないかのように装ってジアの問いかけ背に答える。
「当たらずとも遠からず、だ」
「なん…それ…」
そこでジアは力尽きたらしい。ゴトンと音を立てて倒れこむと穏やかな寝息を立て始めた。机の角に乳が押し付けられていて、とてもいい感じがする。見ていて飽きなかった。それと、いい顔している。それは逞しい女の顔であった。
「いい顔だ…」
そう独りごちて、酒を煽る。夜もだんだん更けてきていた。橙色の明かりの不気味さが全く気になら無いほどには。それとも自分がもう完全に酔っ払ってしまったのか、グリーン自身には全く見当がつかなかった。
ジアを横目に見ながらこれを肴にして美味い酒を飲んでいると、いつのまにか酒は瓶から無くなっていた。それほどに飲んでいたのか、気づか無い自分にもびっくりした。軍では身体が資本と言われ続け、自分で何でも管理することができたのだ。だから、軍を抜けて一日、数時間程度のニートタイムでこんなになってしまうのは自分でも意外だったのである。それとも抜けて一日目だからこそこんなことをやってしまったのか、それもわからなかった。
「まあ、細けぇこたぁいいか…」
もう自分が軍にいるわけでもなく、誰かに仕えているわけでもないのは自覚している。
「お客サァン、もうそろそろ店仕舞いですぜ、代金は明日でも構わねぇ今日は帰ってくんな」
「…すまねぇ、それと旦那、どっか泊めてくれるとかぁねぇか?」
「一つ向こうの路地に出たらオープン亭っていう安宿がある。そこにしときな」
「すまねぇな」
「おう、また来てくれや」
そう言って旦那は店仕舞いにかかる。グリーンは店を出た。あの日のように星が煌めいている。無性に彼女の顔が見たくなったが、その衝動さえもどうにかして堪える。目線を闇に戻すと、ちゃんとした足取りで歩き出す。
まだ自分の頭の中は極めてクリアだった。今夜は酔えそうにないらしい。
「…さぶっ」
ジアに酒をぶっかけられたことを忘れてた。
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