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過去編
ぜろ.さん
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それから3ヶ月ほど死に物狂いで訓練し、以前のように剣をふるえるようになった。
同僚たちとの訓練にも変わらずに参加できるようになったある日、訓練所に桜子さんがやってきた。
焦がれるあまりの幻かと思って二度見してしまったくらいだ。
手に小さなバスケットを持って、いつもの白い作業着ではなくハイカラな袴姿で恥ずかしそうに顔を染める姿に異様に心臓が高鳴った。
「堂ヶ島右京さん?あの…助けていただいてありがとうございました。お礼が遅れてすみません。」
「仕事としてやった事だ。気にしてもらわなくて結構」
小さな可愛らしい唇が一生懸命に動く様を見過ぎて、気の利いた返答が思いつかず、慌てて、ついぶっきらぼうに答えてしまった。続けて何か言いたいが胸がいっぱいでなかなか言葉が思いつかない。
「あの…よかったら…私とお茶でもいかがですか?お礼がしたくて…」
なんだと?!おれと?!貴方が???
誘われた嬉しさからつい、固まってしまった。その姿を見ていた周りの者たちが助け舟をだしてくれた。
「せっかくだから行ってこいよ!」
と、俺の背中をポンと押しながらみなが囃し立てた。
「(俺みたいな)傷者と?!(社交辞令という)冗談だろ?(彼女が)哀れだ」
照れもあり、さらにぶっきらぼうにそう口にしてしまった。なんのことはない、俺なんかと一緒にいたら彼女が汚れてしまう。
「なんてこと言うんだ!!!」
何故か隊員たちはそう怒り
「あの子でしょ?馬に蹴られた子」
「私見たわ、あんな道の真ん中で肌を露わにするなんて、恥ずかしくて私なら無理よ」
「傷も醜いらしいわよ。」
「女のくせにしゃしゃり出るからよ」
なんの関係もない、見学に来ていた女たちはそう彼女を侮辱していた。何故そうなったのかわからないが、しまったと思った時には遅かった。
彼女は、空よりも透き通った青い瞳に涙を溜めていた。
持っていたバスケットを慌てて近くにいる隊員に渡し、「ごめんなさい」と小さな声て呟いて帰ってしまった。
「あやまれよ。絶対に!!」
そう同僚から叱られたが、彼女はしばらく俺のそばにはこなくなってしまった。
話しかけても「ええ。」とか「はい」としか答えず、いつも下を向いたまま涙を堪えるように顔を歪めた。
明確に謝罪できず、時間だけが過ぎ、彼女がその時のことを追求してこない事をいい事にあの出来事は有耶無耶になったと思っていた。
幸い、怪我をしていれば、彼女は俺を避けないでくれたので、それをいい事に少しずつ話しかけてやっと、土産物を渡せるくらいまでには態度を軟化させてもらえた。
そうして、少しずつ関係を重ねてついに
憧れの彼女とお見合いをするところまで漕ぎ着けることができた。
片想いをしっている隊員たちからアドバイスをもらっていると蘭さんが声をかけてきた。
彼女は十六原将軍の一人娘で我々隊員の恋にアドバイスを良くしてくれていた。だから、俺も素直に相談してしまった。
緊張で上手く喋る自信がないと。
「では、私がお二人をお茶にお誘いしてキュウピットになって差し上げますわ!」
と、手助けを願い出てくれた。
蘭さんのおかげで恋人同士になった者たちも多くおり、それが普通になっていた。
だから、あんなに彼女を傷つけてしまうとは思わなかった。
暴言を吐き、傷つけ、怖がらせて、それでも彼女を手に入れたかった。
諦められなくて。
だから、あの日。
辞令をもらって、拍手が響く中で、小さな小さな彼女の声が聞こえた時、心臓がバクンと跳ねた。死んでしまうかと思った。
聞こえるはずのない『さようなら』を風が俺の耳元へ運んできてくれたんだ。
何度も傷つけてしまった。言葉が足りないから
何度も勘違いをさせてしまった。行動が足りないから
俺は反省した。だから全部言う事にした。触れる事にした。8日間の遠征が終わり、明日やっと桜子に会える。
ポケットいっぱいに買ったお土産を渡して、抱きしめよう。
「なぁ、みた?堂ヶ島隊長。指輪何個買ってた?」
「指輪だけじゃない。髪飾りとか、宝石とか凄かった。」
「桜…「だめだ!!!!」」
「なんだよ!口を押さえるなよ」
「その名前は呼んではダメだ!あの人が…やってく…」
ギギギ…
扉の開く音が響く。隊員たちが恐る恐る振り向くとそこには先ほどまで宝飾品店で大量の土産物を購入していた上司が立っていた。
「桜子さんの…話をしていたのか?」
「していません!今年の桜はいつ咲くかと話しておりました、隊員!!!」
「そうか。早く休むように」
「はい!!!」
「こえー!!!!!!!」
「愛が重すぎる」
例え、この愛が異常だと言われても、彼女を失うよりはマシだ。
同僚たちとの訓練にも変わらずに参加できるようになったある日、訓練所に桜子さんがやってきた。
焦がれるあまりの幻かと思って二度見してしまったくらいだ。
手に小さなバスケットを持って、いつもの白い作業着ではなくハイカラな袴姿で恥ずかしそうに顔を染める姿に異様に心臓が高鳴った。
「堂ヶ島右京さん?あの…助けていただいてありがとうございました。お礼が遅れてすみません。」
「仕事としてやった事だ。気にしてもらわなくて結構」
小さな可愛らしい唇が一生懸命に動く様を見過ぎて、気の利いた返答が思いつかず、慌てて、ついぶっきらぼうに答えてしまった。続けて何か言いたいが胸がいっぱいでなかなか言葉が思いつかない。
「あの…よかったら…私とお茶でもいかがですか?お礼がしたくて…」
なんだと?!おれと?!貴方が???
誘われた嬉しさからつい、固まってしまった。その姿を見ていた周りの者たちが助け舟をだしてくれた。
「せっかくだから行ってこいよ!」
と、俺の背中をポンと押しながらみなが囃し立てた。
「(俺みたいな)傷者と?!(社交辞令という)冗談だろ?(彼女が)哀れだ」
照れもあり、さらにぶっきらぼうにそう口にしてしまった。なんのことはない、俺なんかと一緒にいたら彼女が汚れてしまう。
「なんてこと言うんだ!!!」
何故か隊員たちはそう怒り
「あの子でしょ?馬に蹴られた子」
「私見たわ、あんな道の真ん中で肌を露わにするなんて、恥ずかしくて私なら無理よ」
「傷も醜いらしいわよ。」
「女のくせにしゃしゃり出るからよ」
なんの関係もない、見学に来ていた女たちはそう彼女を侮辱していた。何故そうなったのかわからないが、しまったと思った時には遅かった。
彼女は、空よりも透き通った青い瞳に涙を溜めていた。
持っていたバスケットを慌てて近くにいる隊員に渡し、「ごめんなさい」と小さな声て呟いて帰ってしまった。
「あやまれよ。絶対に!!」
そう同僚から叱られたが、彼女はしばらく俺のそばにはこなくなってしまった。
話しかけても「ええ。」とか「はい」としか答えず、いつも下を向いたまま涙を堪えるように顔を歪めた。
明確に謝罪できず、時間だけが過ぎ、彼女がその時のことを追求してこない事をいい事にあの出来事は有耶無耶になったと思っていた。
幸い、怪我をしていれば、彼女は俺を避けないでくれたので、それをいい事に少しずつ話しかけてやっと、土産物を渡せるくらいまでには態度を軟化させてもらえた。
そうして、少しずつ関係を重ねてついに
憧れの彼女とお見合いをするところまで漕ぎ着けることができた。
片想いをしっている隊員たちからアドバイスをもらっていると蘭さんが声をかけてきた。
彼女は十六原将軍の一人娘で我々隊員の恋にアドバイスを良くしてくれていた。だから、俺も素直に相談してしまった。
緊張で上手く喋る自信がないと。
「では、私がお二人をお茶にお誘いしてキュウピットになって差し上げますわ!」
と、手助けを願い出てくれた。
蘭さんのおかげで恋人同士になった者たちも多くおり、それが普通になっていた。
だから、あんなに彼女を傷つけてしまうとは思わなかった。
暴言を吐き、傷つけ、怖がらせて、それでも彼女を手に入れたかった。
諦められなくて。
だから、あの日。
辞令をもらって、拍手が響く中で、小さな小さな彼女の声が聞こえた時、心臓がバクンと跳ねた。死んでしまうかと思った。
聞こえるはずのない『さようなら』を風が俺の耳元へ運んできてくれたんだ。
何度も傷つけてしまった。言葉が足りないから
何度も勘違いをさせてしまった。行動が足りないから
俺は反省した。だから全部言う事にした。触れる事にした。8日間の遠征が終わり、明日やっと桜子に会える。
ポケットいっぱいに買ったお土産を渡して、抱きしめよう。
「なぁ、みた?堂ヶ島隊長。指輪何個買ってた?」
「指輪だけじゃない。髪飾りとか、宝石とか凄かった。」
「桜…「だめだ!!!!」」
「なんだよ!口を押さえるなよ」
「その名前は呼んではダメだ!あの人が…やってく…」
ギギギ…
扉の開く音が響く。隊員たちが恐る恐る振り向くとそこには先ほどまで宝飾品店で大量の土産物を購入していた上司が立っていた。
「桜子さんの…話をしていたのか?」
「していません!今年の桜はいつ咲くかと話しておりました、隊員!!!」
「そうか。早く休むように」
「はい!!!」
「こえー!!!!!!!」
「愛が重すぎる」
例え、この愛が異常だと言われても、彼女を失うよりはマシだ。
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