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67魔女の後始末
この日、私はマリア様の審議に立ち会うため城のとある一室に足を運んでいた。
向かい合うように長机と椅子が置かれたその部屋には、既に国の重鎮たちが集まっている。
ユーグレン公爵をはじめとするユーグレン派の者たちが今回の事件を機に退陣を余儀なくされたため、その席は現在空席となっていた。
ぽっかりと空いているその座席を目にし、改めてこれまでいかに公爵一派がトルーアにおいて力を占めていたのかを思い知らされる。
一番最後にやってくるであろうマリア様と直接対峙することがないように、私は部屋の隅に置かれた傍聴席で一尾始終を見届ける手筈となっていた。
この距離ならば万一彼女から危害を加えられる危険もないだろう。
まあもはやユーグレン公爵一派にそのような力など、残っていないも同然なのだが……。
私は指定された席に腰を下ろして、審議が始まるのを待つ。
後ろの方にはウェスカーが控えてくれているようだ。
やがてアンドリュー様が側近と共に姿を現すと、審議の開始を宣言した。
その言葉を合図に、入り口の扉が開いてマリア様が姿を現したのである。
彼女は両脇を衛兵に取り押さえられており、一瞬の隙に逃げ出すことのないよう厳重な警護となっていた。
──これが、あのマリア様なのね……。
かつてあれほど自信に満ち溢れていたその面影は薄れ、どこか灰暗い影のようなものをたたえているように見える。
彼女は自らの立ち位置に移動する際に、一瞬私の方へと視線を向けた。
これまでの記憶が蘇り私は思わず俯いてしまう。
結局顔を上げた時には既にマリア様は着席して正面を見据えており、先ほどどんな表情で私のことを見つめていたのかはわからないままだ。
「マリア・ユーグレン。なぜ今日ここへ呼ばれたのか、その理由はわかっているね?」
やがて口を開いたのはアンドリュー様だ。
彼もマリア様とはかなり離れた場所から問いかけているのだが、部屋の構造上その声は響いて聞こえる。
「……はい」
質問に対し、マリア様の答えは短かった。
「君はなぜ私にあのような呪いをかけたのか、本当の目的はなんであったのかを教えてほしい」
本当ならばアンドリュー様はユーグレン一派に並々ならぬ怒りを抱いているはずだ。
私に事情を話してくれた際の口調も、かなり厳しいものであったことを思い出す。
だがそれではマリア様の本心を引き出すことはできないと考えたのか、今日の彼の口調は穏やかであった。
「……そのようなことは、お聞きにならずともおわかりでしょうに」
「それはあくまでも想像の域に過ぎない。私は真実を知りたいんだ」
「……」
マリア様は唇を噛んで黙ってしまったかのように思えたが、数秒の後に再び口を開く。
「アンドリュー様がセラフィナ様のことをお忘れになれば、私にも第二王子妃となる機が巡ってくると考えました。幸い父について回れば呪いに詳しい隣国の者たちとも関わることは簡単でしたから」
これはかつて私もマリア様から伝えられた内容と合致していた。
「父もユーグレンの力を一層強めるために、一族の者を王家に嫁がせようと目論んでおりました。私と父の利害は一致していたのです」
「君は公爵の悪事に関してはどこまで?」
「父が国政を意のままにしているということは存じておりました。ですが、国王陛下や王太子殿下に毒を盛っていたことは知りません。そのような恐ろしいことをしていると知っておりましたら、止めていたでしょう」
その言葉が本当かはわからないが、マリア様も父親の所業を全て把握していたわけではなさそうだ。
彼女がそこまで落ちぶれてはいなかったのだと、なぜだか少し安堵する自分がいた。
だが、それでもなお疑問が残る。
「記憶を失わせるだけでなく、下手をすれば命を奪うような危険な呪いを選択したのはなぜか」
私が頭の中で思い描いた疑問を、まさにアンドリュー様が口に出してくれた。
恋しく思う相手に自分の方を向いてほしいと願えど、命が消え去ればいいと思うようなことはない。
それなのになぜ彼女はそのような呪いを……。
マリア様は問いかけに対して表情を歪めた。
いくら翳りを帯びているとはいえ、相変わらず美しいその顔に思わず見入ってしまう。
やがて彼女はわなわなと震え始め、怒りを含んだような声色でこう告げたのである。
「そのような指示を出した覚えはありませんわ! 全てはあの魔女が勝手におこなったこと」
「魔女、だと?」
「アンドリュー様に呪いをかけた張本人ですわ」
マリア様の話によれば、彼女は隣国の魔女に呪いの件を依頼したのだとか。
それもかなり破格の謝礼金を提示して。
「綿密に計画を立てたつもりでした。あの女がアンドリュー様に恋に落ちるまでは!」
魔女と呼ばれた女性は、アンドリュー様を実際に目にするとその魅力の虜となり恋に落ちてしまった。
そして彼に好意を伝え、自らの恋人となるように要求したのだ。
この話を聞いて、かつて記憶を失う前のアンドリュー様から耳にした話が蘇る。
彼は以前隣国を訪れた際にとある女性から好意を抱かれ、それを断ったと話していたではないか。
そしてその後から体に異変が現れるようになったとも……。
恐らくその女性というのが、例の魔女であったのだろう。
「勝手にアンドリュー様に横恋慕して、私を裏切るような真似をしたのです!」
「それで、あのような呪いを?」
「私はアンドリュー様の中にあるセラフィナ様の記憶を消し去るよう、事前に頼んでいました。命を奪ってほしいなどとお願いしたことは絶対にありえません」
マリア様はさらに言葉を続ける。
「あの魔女が、アンドリュー様が自分の方を見向きもしなかったことに腹を立てたのです。逆恨みから、呪いの内容を変えたのですわ」
「なんだって……?」
アンドリュー様の表情が険しくなる。
当時の記憶はないとはいえ、彼にとって聞いていて気持ちのいい話ではないだろう。
「アンドリュー様がセラフィナ様の口づけで彼女のことを忘れるように、そして絶対にその呪いが発動するよう命に関わる条件も付随させました。やりすぎだと私は抗議しましたが、勝手に姿をくらましてそれっきりなのです」
部屋中がしん、と静まり返る。
あまりに身勝手なマリア様とその魔女と呼ばれる女性の振る舞いに、皆言葉を失っているのだろう。
ここまで全てを明け透けに話したことでもはやどうでもいいと思ったのか、彼女はさらにこう言葉を続けた。
「ですが蓋を開けてみれば、結局アンドリュー様はセラフィナ様の手によって命拾いされ、あの方の記憶を失いました。私が望んでいた通りの結果となったので、心から安堵したのです。これでアンドリュー様もようやく私のことを見てくださると。なのにっ……」
突然マリア様は語尾を強めると、立ち上がってキッと私の方を睨みつけてきた。
咄嗟にウェスカーが私と彼女の間に立ちふさがるが、どうやら彼女はこれ以上こちらへ近付くつもりはないようだ。
「私とてずっと前からあのお方のことをお慕いしておりました! 第二王子妃となるべく妃教育にも励んできたのです! その努力を全てあなたが台無しにしたのですよ!」
涙ぐみながら悲痛の叫びで訴えられるが、彼女に同情の余地はないはずだ。
私とアンドリュー様は以前から恋仲であり、その関係に横やりを入れてきたのはマリア様の方なのだから。
「そこまでだ。ユーグレン公爵令嬢。いや、元公爵令嬢と呼ぶべきか? 本日をもってユーグレン公爵は爵位剥奪となるからな」
「そ、そんな! 父のしでかした悪事に私は関わっておりません!」
爵位剥奪という言葉を耳にした途端に、マリア様の顔色が青く変わった。
「第二王子に呪いをかけ、その妃に危害を加えようとしていたのだから言語道断。君にもそれ相応の罪を償ってもらおう」
「そんな、お許しくださいアンドリュー様。私はあなたをお慕いするあまり……」
悲痛に満ちたマリア様の声は、アンドリュー様の冷たい声により容赦なく遮断された。
「これにて審議を終了とする。罪人を地下牢へ」
さらに激しい抵抗を見せるのかと思いきや、意外にも彼女がそれ以上何も言葉を発することはなかった。
がっくりと力なく項垂れ衛兵たちの手で連行されるその光景を、私は複雑な心境で見届けたのである。
向かい合うように長机と椅子が置かれたその部屋には、既に国の重鎮たちが集まっている。
ユーグレン公爵をはじめとするユーグレン派の者たちが今回の事件を機に退陣を余儀なくされたため、その席は現在空席となっていた。
ぽっかりと空いているその座席を目にし、改めてこれまでいかに公爵一派がトルーアにおいて力を占めていたのかを思い知らされる。
一番最後にやってくるであろうマリア様と直接対峙することがないように、私は部屋の隅に置かれた傍聴席で一尾始終を見届ける手筈となっていた。
この距離ならば万一彼女から危害を加えられる危険もないだろう。
まあもはやユーグレン公爵一派にそのような力など、残っていないも同然なのだが……。
私は指定された席に腰を下ろして、審議が始まるのを待つ。
後ろの方にはウェスカーが控えてくれているようだ。
やがてアンドリュー様が側近と共に姿を現すと、審議の開始を宣言した。
その言葉を合図に、入り口の扉が開いてマリア様が姿を現したのである。
彼女は両脇を衛兵に取り押さえられており、一瞬の隙に逃げ出すことのないよう厳重な警護となっていた。
──これが、あのマリア様なのね……。
かつてあれほど自信に満ち溢れていたその面影は薄れ、どこか灰暗い影のようなものをたたえているように見える。
彼女は自らの立ち位置に移動する際に、一瞬私の方へと視線を向けた。
これまでの記憶が蘇り私は思わず俯いてしまう。
結局顔を上げた時には既にマリア様は着席して正面を見据えており、先ほどどんな表情で私のことを見つめていたのかはわからないままだ。
「マリア・ユーグレン。なぜ今日ここへ呼ばれたのか、その理由はわかっているね?」
やがて口を開いたのはアンドリュー様だ。
彼もマリア様とはかなり離れた場所から問いかけているのだが、部屋の構造上その声は響いて聞こえる。
「……はい」
質問に対し、マリア様の答えは短かった。
「君はなぜ私にあのような呪いをかけたのか、本当の目的はなんであったのかを教えてほしい」
本当ならばアンドリュー様はユーグレン一派に並々ならぬ怒りを抱いているはずだ。
私に事情を話してくれた際の口調も、かなり厳しいものであったことを思い出す。
だがそれではマリア様の本心を引き出すことはできないと考えたのか、今日の彼の口調は穏やかであった。
「……そのようなことは、お聞きにならずともおわかりでしょうに」
「それはあくまでも想像の域に過ぎない。私は真実を知りたいんだ」
「……」
マリア様は唇を噛んで黙ってしまったかのように思えたが、数秒の後に再び口を開く。
「アンドリュー様がセラフィナ様のことをお忘れになれば、私にも第二王子妃となる機が巡ってくると考えました。幸い父について回れば呪いに詳しい隣国の者たちとも関わることは簡単でしたから」
これはかつて私もマリア様から伝えられた内容と合致していた。
「父もユーグレンの力を一層強めるために、一族の者を王家に嫁がせようと目論んでおりました。私と父の利害は一致していたのです」
「君は公爵の悪事に関してはどこまで?」
「父が国政を意のままにしているということは存じておりました。ですが、国王陛下や王太子殿下に毒を盛っていたことは知りません。そのような恐ろしいことをしていると知っておりましたら、止めていたでしょう」
その言葉が本当かはわからないが、マリア様も父親の所業を全て把握していたわけではなさそうだ。
彼女がそこまで落ちぶれてはいなかったのだと、なぜだか少し安堵する自分がいた。
だが、それでもなお疑問が残る。
「記憶を失わせるだけでなく、下手をすれば命を奪うような危険な呪いを選択したのはなぜか」
私が頭の中で思い描いた疑問を、まさにアンドリュー様が口に出してくれた。
恋しく思う相手に自分の方を向いてほしいと願えど、命が消え去ればいいと思うようなことはない。
それなのになぜ彼女はそのような呪いを……。
マリア様は問いかけに対して表情を歪めた。
いくら翳りを帯びているとはいえ、相変わらず美しいその顔に思わず見入ってしまう。
やがて彼女はわなわなと震え始め、怒りを含んだような声色でこう告げたのである。
「そのような指示を出した覚えはありませんわ! 全てはあの魔女が勝手におこなったこと」
「魔女、だと?」
「アンドリュー様に呪いをかけた張本人ですわ」
マリア様の話によれば、彼女は隣国の魔女に呪いの件を依頼したのだとか。
それもかなり破格の謝礼金を提示して。
「綿密に計画を立てたつもりでした。あの女がアンドリュー様に恋に落ちるまでは!」
魔女と呼ばれた女性は、アンドリュー様を実際に目にするとその魅力の虜となり恋に落ちてしまった。
そして彼に好意を伝え、自らの恋人となるように要求したのだ。
この話を聞いて、かつて記憶を失う前のアンドリュー様から耳にした話が蘇る。
彼は以前隣国を訪れた際にとある女性から好意を抱かれ、それを断ったと話していたではないか。
そしてその後から体に異変が現れるようになったとも……。
恐らくその女性というのが、例の魔女であったのだろう。
「勝手にアンドリュー様に横恋慕して、私を裏切るような真似をしたのです!」
「それで、あのような呪いを?」
「私はアンドリュー様の中にあるセラフィナ様の記憶を消し去るよう、事前に頼んでいました。命を奪ってほしいなどとお願いしたことは絶対にありえません」
マリア様はさらに言葉を続ける。
「あの魔女が、アンドリュー様が自分の方を見向きもしなかったことに腹を立てたのです。逆恨みから、呪いの内容を変えたのですわ」
「なんだって……?」
アンドリュー様の表情が険しくなる。
当時の記憶はないとはいえ、彼にとって聞いていて気持ちのいい話ではないだろう。
「アンドリュー様がセラフィナ様の口づけで彼女のことを忘れるように、そして絶対にその呪いが発動するよう命に関わる条件も付随させました。やりすぎだと私は抗議しましたが、勝手に姿をくらましてそれっきりなのです」
部屋中がしん、と静まり返る。
あまりに身勝手なマリア様とその魔女と呼ばれる女性の振る舞いに、皆言葉を失っているのだろう。
ここまで全てを明け透けに話したことでもはやどうでもいいと思ったのか、彼女はさらにこう言葉を続けた。
「ですが蓋を開けてみれば、結局アンドリュー様はセラフィナ様の手によって命拾いされ、あの方の記憶を失いました。私が望んでいた通りの結果となったので、心から安堵したのです。これでアンドリュー様もようやく私のことを見てくださると。なのにっ……」
突然マリア様は語尾を強めると、立ち上がってキッと私の方を睨みつけてきた。
咄嗟にウェスカーが私と彼女の間に立ちふさがるが、どうやら彼女はこれ以上こちらへ近付くつもりはないようだ。
「私とてずっと前からあのお方のことをお慕いしておりました! 第二王子妃となるべく妃教育にも励んできたのです! その努力を全てあなたが台無しにしたのですよ!」
涙ぐみながら悲痛の叫びで訴えられるが、彼女に同情の余地はないはずだ。
私とアンドリュー様は以前から恋仲であり、その関係に横やりを入れてきたのはマリア様の方なのだから。
「そこまでだ。ユーグレン公爵令嬢。いや、元公爵令嬢と呼ぶべきか? 本日をもってユーグレン公爵は爵位剥奪となるからな」
「そ、そんな! 父のしでかした悪事に私は関わっておりません!」
爵位剥奪という言葉を耳にした途端に、マリア様の顔色が青く変わった。
「第二王子に呪いをかけ、その妃に危害を加えようとしていたのだから言語道断。君にもそれ相応の罪を償ってもらおう」
「そんな、お許しくださいアンドリュー様。私はあなたをお慕いするあまり……」
悲痛に満ちたマリア様の声は、アンドリュー様の冷たい声により容赦なく遮断された。
「これにて審議を終了とする。罪人を地下牢へ」
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