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第一章:人間編
第22話 青い宝箱
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「これって……四角ですよね?」
「ああ、四角だな」
「えっ⁉︎」
メルに言われなくても分かっている。円の外周は曲線だ。
モヤの境界線に剣で線を引いていくと、どう見ても真っ直ぐに進んでいく。
最後には、円には絶対に存在しない直角が現れた。
俺の予想とは少し違ったが、どうやら正方形の中心に宝箱があるみたいだ。
円か四角かなんて大した違いはない。宝箱を見つけられれば、それでいい。
「この角度に真っ直ぐに進んでいく。百八十歩付近から念入りに探すからな」
「えぇー……はぁーい、分かりました」
次の作戦を教えると、メルがもう探したくないのか、嫌そうな顔をして返事をした。
作戦は生き物だ。生き物は人間の思い通りには動かない。
予想外の事は普通に起こり得る事だから、いちいち気にせずに気持ちを切り替えろ。
目印に角に大きな岩壁を作ると、反対側の角を目指して歩き始めた。
モヤの範囲が四角だと分かっただけでも、順調に調査は進んでいる。
「無いですね」
「そうだな……二十歩移動する。見つからなければ二十歩ずつ移動する」
「はぁーい」
百八十歩付近を調べたが、宝箱は見つからない。
ある程度予想できていたから、少しずつ前進して調べていく。
中心に宝箱があるのは間違いない。
この方法で探していけば必ず見つけられるはずだ。
「あっ、モヤモヤが消えました」
「何だと⁉︎」
三百歩付近まで調べたが、いくら探しても宝箱は見つからなかった。
だから作戦を変更して、先に対角までの距離を調べる事にした。
すると、五百三十三歩でモヤが消えてしまった。
それはおかしい。中心の二百六十歩付近はキチンと調べている。
「はぁ……疲れました。地面の中とか、中心以外にあるんじゃないですか?」
「つまり、予想外の場所か」
疲れたメルが言ってきた。確かに見つからないなら、原因は探し方が悪いからだ。
でも、神様も少しは宝箱を見つけさせる気があるだろう。
地面深くに埋めているとは考えにくい。水溜りの中を調べるだけで十分だ。
でも、水溜りの中にはなかった。
だったら一番考えたくないが……四角の中心に宝箱が無かったという事だ。
見当違いの場所を一生懸命に探していたという事になる。
「恐ろしい罠だ。中心には無いのかもしれないな」
「えぇー!」
そもそも少し考えれば分かる事だ。
モヤの中心に宝箱があるのなら、簡単に見つける事が出来る。
流石にLV2程度のアビリティで、そんなに簡単に見つけられるはずがない。
『モヤを感じる範囲のどこかにあるよ』……ぐらいがLV2にはちょうどいい力だ。
「よし、今度は中心から離れた場所を探すぞ。宝箱を見つけるまでは帰らないからな」
「うぅぅ……はい、分かりました」
男には誇りと意地を賭けた、負けられない戦いがある。
これは神と俺との知能戦だ。宝箱を必ず見つけ出して、俺は神を超えてやる。
♢
「この辺じゃないみたいだ。次はあっちを探すぞ」
「はぁーい……」
場所を変えると言うと、気怠そうな返事が返ってきた。
長時間の宝箱探しで、メルは疲れ始めている。
探す人数が多ければ、もっと楽に見つけられるが、誰かに頼むつもりはない。
ここまで頑張って探している宝箱を、他の奴には渡さない。
四角のモヤ範囲を上下左右に四等分にして、一つ一つの範囲を徹底的に調べていく。
水溜りの中は俺が調べて、地面や草の茂みはメルが調べていく。
運が良ければ一ヶ所目で見つかるが、運が悪ければ四ヶ所目になる。
「んっ? 何だ?」
二ヶ所目を探していると、水溜りの中から泥や岩とは違う手応えが返ってきた。
岩槍で突くと、コンコンと木扉を叩いたような反応が返ってくる。
明らかに木箱のような物が水溜りの中にある。
岩桶を作ると、全力で水溜りから泥水を汲んで捨てていく。
しばらくすると水溜りの中から、赤ではなく、青い宝箱の蓋が見えてきた。
少し離れた場所を探している、メルを急いで呼んだ。
「メル、こっちだ! 見つけたぞ!」
「は、はぁーい! すぐに行きます!」
青い宝箱は久し振りだ。苦労して探した甲斐は十分にあった。
「わぁー、青い宝箱は初めてですね。何が入っているんですか?」
「装飾品と呼ばれる物だ。指輪が一般的だな。早く開けてみろ」
宝箱の蓋を開けても、中に泥水が入らないようにしておいた。
開ける準備は終わっているので、メルに宝箱を開けてもらった。
「あっ、銀色の指輪があります!」
「指輪か。貸してみろ」
「はい、どうぞ!」
水溜りの中に飛び込んだメルから、指輪を受け取ると調べた。
【神器の指輪:使用者に自然治癒力LV1を与える】
【LV2強化素材:ブルークラブの甲羅五個、スカイフィッシュの魚鱗五枚、ミニトレントの板五枚】
「何だ、この役に立たない指輪は?」
期待していたから、調べた結果にガッカリしてしまった。
自然治癒力のアビリティは、俺もメルも習得している。
「そんなに悪い指輪だったんですか?」
「ただの自然治癒力が上がる指輪だ。試しに填めてみろ」
水溜りから出てきたメルに指輪を返した。
メルの自然治癒力はLV3だ。
これで指輪を填めたらLV4になるなら文句はない。
だけど、薬指に指輪を填めたメルを調べたが、LV3のままだった。
つまり、この指輪を填める意味はない。
「でも、思い出の指輪にはなりますよ。初青い宝箱です」
「欲しいならやる。LV4まで上げないと効果はないだろうがな」
「わぁーい、本当ですか! 隊長、ありがとうございます!」
「別にいい……売るなよ」
「売りませんよぉー」
指輪を填めて嬉しそうにしていたから、指輪をメルにやる事にした。
調べるLV5にならないと、指輪をLV5まで強化するのに必要な素材が分からない。
つまり……どんなに頑張っても、その指輪のLVは最高で4だ。
「ここの宝箱はもういいから、沼ワニを倒すぞ。早く帰らないと晩飯抜きになる」
「はい、頑張ります!」
「お前は見つけるだけでいいからな」
「はぁーい!」
この十二階にはもう赤い宝箱しかない。さっさと沼ワニの素材を集める事にした。
モヤを感じても、この辺にあったと手帳に書いておけばいい。
強化に必要な神鉄を探すなら、青い宝箱もありそうな十階と十一階だ。
「ああ、四角だな」
「えっ⁉︎」
メルに言われなくても分かっている。円の外周は曲線だ。
モヤの境界線に剣で線を引いていくと、どう見ても真っ直ぐに進んでいく。
最後には、円には絶対に存在しない直角が現れた。
俺の予想とは少し違ったが、どうやら正方形の中心に宝箱があるみたいだ。
円か四角かなんて大した違いはない。宝箱を見つけられれば、それでいい。
「この角度に真っ直ぐに進んでいく。百八十歩付近から念入りに探すからな」
「えぇー……はぁーい、分かりました」
次の作戦を教えると、メルがもう探したくないのか、嫌そうな顔をして返事をした。
作戦は生き物だ。生き物は人間の思い通りには動かない。
予想外の事は普通に起こり得る事だから、いちいち気にせずに気持ちを切り替えろ。
目印に角に大きな岩壁を作ると、反対側の角を目指して歩き始めた。
モヤの範囲が四角だと分かっただけでも、順調に調査は進んでいる。
「無いですね」
「そうだな……二十歩移動する。見つからなければ二十歩ずつ移動する」
「はぁーい」
百八十歩付近を調べたが、宝箱は見つからない。
ある程度予想できていたから、少しずつ前進して調べていく。
中心に宝箱があるのは間違いない。
この方法で探していけば必ず見つけられるはずだ。
「あっ、モヤモヤが消えました」
「何だと⁉︎」
三百歩付近まで調べたが、いくら探しても宝箱は見つからなかった。
だから作戦を変更して、先に対角までの距離を調べる事にした。
すると、五百三十三歩でモヤが消えてしまった。
それはおかしい。中心の二百六十歩付近はキチンと調べている。
「はぁ……疲れました。地面の中とか、中心以外にあるんじゃないですか?」
「つまり、予想外の場所か」
疲れたメルが言ってきた。確かに見つからないなら、原因は探し方が悪いからだ。
でも、神様も少しは宝箱を見つけさせる気があるだろう。
地面深くに埋めているとは考えにくい。水溜りの中を調べるだけで十分だ。
でも、水溜りの中にはなかった。
だったら一番考えたくないが……四角の中心に宝箱が無かったという事だ。
見当違いの場所を一生懸命に探していたという事になる。
「恐ろしい罠だ。中心には無いのかもしれないな」
「えぇー!」
そもそも少し考えれば分かる事だ。
モヤの中心に宝箱があるのなら、簡単に見つける事が出来る。
流石にLV2程度のアビリティで、そんなに簡単に見つけられるはずがない。
『モヤを感じる範囲のどこかにあるよ』……ぐらいがLV2にはちょうどいい力だ。
「よし、今度は中心から離れた場所を探すぞ。宝箱を見つけるまでは帰らないからな」
「うぅぅ……はい、分かりました」
男には誇りと意地を賭けた、負けられない戦いがある。
これは神と俺との知能戦だ。宝箱を必ず見つけ出して、俺は神を超えてやる。
♢
「この辺じゃないみたいだ。次はあっちを探すぞ」
「はぁーい……」
場所を変えると言うと、気怠そうな返事が返ってきた。
長時間の宝箱探しで、メルは疲れ始めている。
探す人数が多ければ、もっと楽に見つけられるが、誰かに頼むつもりはない。
ここまで頑張って探している宝箱を、他の奴には渡さない。
四角のモヤ範囲を上下左右に四等分にして、一つ一つの範囲を徹底的に調べていく。
水溜りの中は俺が調べて、地面や草の茂みはメルが調べていく。
運が良ければ一ヶ所目で見つかるが、運が悪ければ四ヶ所目になる。
「んっ? 何だ?」
二ヶ所目を探していると、水溜りの中から泥や岩とは違う手応えが返ってきた。
岩槍で突くと、コンコンと木扉を叩いたような反応が返ってくる。
明らかに木箱のような物が水溜りの中にある。
岩桶を作ると、全力で水溜りから泥水を汲んで捨てていく。
しばらくすると水溜りの中から、赤ではなく、青い宝箱の蓋が見えてきた。
少し離れた場所を探している、メルを急いで呼んだ。
「メル、こっちだ! 見つけたぞ!」
「は、はぁーい! すぐに行きます!」
青い宝箱は久し振りだ。苦労して探した甲斐は十分にあった。
「わぁー、青い宝箱は初めてですね。何が入っているんですか?」
「装飾品と呼ばれる物だ。指輪が一般的だな。早く開けてみろ」
宝箱の蓋を開けても、中に泥水が入らないようにしておいた。
開ける準備は終わっているので、メルに宝箱を開けてもらった。
「あっ、銀色の指輪があります!」
「指輪か。貸してみろ」
「はい、どうぞ!」
水溜りの中に飛び込んだメルから、指輪を受け取ると調べた。
【神器の指輪:使用者に自然治癒力LV1を与える】
【LV2強化素材:ブルークラブの甲羅五個、スカイフィッシュの魚鱗五枚、ミニトレントの板五枚】
「何だ、この役に立たない指輪は?」
期待していたから、調べた結果にガッカリしてしまった。
自然治癒力のアビリティは、俺もメルも習得している。
「そんなに悪い指輪だったんですか?」
「ただの自然治癒力が上がる指輪だ。試しに填めてみろ」
水溜りから出てきたメルに指輪を返した。
メルの自然治癒力はLV3だ。
これで指輪を填めたらLV4になるなら文句はない。
だけど、薬指に指輪を填めたメルを調べたが、LV3のままだった。
つまり、この指輪を填める意味はない。
「でも、思い出の指輪にはなりますよ。初青い宝箱です」
「欲しいならやる。LV4まで上げないと効果はないだろうがな」
「わぁーい、本当ですか! 隊長、ありがとうございます!」
「別にいい……売るなよ」
「売りませんよぉー」
指輪を填めて嬉しそうにしていたから、指輪をメルにやる事にした。
調べるLV5にならないと、指輪をLV5まで強化するのに必要な素材が分からない。
つまり……どんなに頑張っても、その指輪のLVは最高で4だ。
「ここの宝箱はもういいから、沼ワニを倒すぞ。早く帰らないと晩飯抜きになる」
「はい、頑張ります!」
「お前は見つけるだけでいいからな」
「はぁーい!」
この十二階にはもう赤い宝箱しかない。さっさと沼ワニの素材を集める事にした。
モヤを感じても、この辺にあったと手帳に書いておけばいい。
強化に必要な神鉄を探すなら、青い宝箱もありそうな十階と十一階だ。
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※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
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