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序章
第5話
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スキルを使えばMPが消費されます。ちょっと回復した程度なので、すぐに底がついてしまいます。
紙などの燃えやすい物を探すか、油などの可燃物を探して効率的に燃やすのが1番です。
彼は住民の為に穴を掘ったり、火葬しようとしたりします。
けれども、そんな事をせずに卑しい男のように金目のものを盗めば、一生遊んで暮らせる額にはなります。
金持ちの家を知っていれば、チマチマと倒れている人の、財布のお金を抜き取る手間もいりません。
このまま死体を放置しても、鳥の餌になるか、肉食系魔物の餌になるだけです。
彼はどうしようかと悩みます。彼が本当にやりたかった事はお葬式ではありません。隠したかったのです。
自分のせいで死んでしまった多くの人を、誰にも知られずに隠したかったのです。
「あぁぁぁぁぁぁぁ~!」
彼は大きな声で叫ぶと自分の家を火魔法で燃やします。手の平から炎が一直線に噴き出します。
家が燃え始めると、近くの死体を家の中に投げ入れます。
次々に放り込んでは火魔法で死体を燃やします。炎は両隣の家に燃え移りました。
死体があるところまで移動すると同じように一軒の家を燃やしてから、死体を投げ入れます。
一軒に50人ぐらいの死体が入るようです。
彼はMPが無くなるまで同じ作業を繰り返しました。五軒目の家を燃やしていると火が出せなくなりました。
可燃性の液体やガスがないかと、その辺の店の中を探して回ります。
大量の油を売っている店を見つけると、彼は手当たり次第に家の床に油を撒いていきました。
すでに燃えている家から火の付いた物を持って来ては、油を撒いた家の中に投げ入れます。
上手く燃えたら、次は死体を投げ入れていきました。
街のあっちこっちからモクモクと黒い煙が上がります。
この街の異変に気づいた行商人が近くの街に引き返して知らせるのも時間の問題です。
1000人近くの死体を燃やす事は出来ましたが、そろそろ街を出ないと馬に乗った兵士が大勢やって来るでしょう。
彼は大きめのバッグを何個か店から盗んで、お金や保存の効く食料、衣服を詰め込みます。
逃げるように街から出て行くと、人の来ない山奥や森を目指して走り始めました。
・
・
・
あれから2ヶ月。魔王が出現したことは、多くの街に知れ渡りました。
各国の王や貴族は腕の立つ冒険者やならず者を集めたり、強い武器や防具を作れる職人を集めたりと、対策が進んでいました。
あれから彼は森の中で1人で暮らしていました。
最初は街から持ってきた食料で何とか暮らせていましたが、だんだんと食料が少なくなってくると、自分で食料を調達する必要性が出てきました。
お金を使って、近場の街に食料を買いに行くことも考えましたが、この近辺の街はあらかた魔王に襲撃された後でした。
人間がいなくなったことで、この周辺は魔物が増えて、更に被害が拡大していきました。
街には魔物討伐の依頼が山のように積まれ、冒険者達は日々、命懸けの戦いを休まずに繰り返しています。
彼も食べられる魔物を見つけては倒したり、人を襲う凶暴な魔物は優先的に倒していました。
⚫︎スキル『識別』:対象の情報を見る事が出来る。ステータスや食べ物の有毒無毒、価値や利用方法もある程度分かる。
⚫︎飢えた狼:獲物を見つけては、集団で襲う。群が大きくなり過ぎて、分け前が減ってしまって、常にみんな腹ペコ状態。レベル=4、HP=1328、MP=147、腕力=74、体力=83、知性=67、精神=36、敏捷=82、器用さ=80。
⚫︎肥えた猪:お肉がないなら、草を食べればいい。森の木の実やキノコを食べてブクブクと太って走るのは遅いです。レベル=8、HP=3000、MP=237、腕力=178、体力=144、知性=119、精神=58、敏捷=114、器用さ=97。
森の中を肥えた猪1匹を飢えた狼6匹が追いかけています。
1対1では勝てませんが、1対6なら勝てます。ジワジワと猪の体力が落ちてきて、狼に追いつかれ始めました。
ヒューン、ヒューンと風を切って、空を飛んで彼がやって来ました。
スキル『浮遊』+『風魔法』:身体を浮かせた状態なら僅かな風で自由に空を飛べる。慣れるまでは時間がかかる。当然、MPが無くなると墜落するので注意が必要。
ドォス、ドォス、ドォスと3匹の狼が横っ腹を拳で直接殴りつけられて、吹き飛ばされて木にぶつかります。ほとんどが殴られた衝撃で背骨が折れ曲がって動けなくなります。
残りの狼3匹も同じように横っ腹を殴られたり、蹴られたりして動けなくなりました。
いつの間にか、自分を追っていた狼が居なくなって、ホッと安心していた猪もドォスンと横っ腹を蹴りつけられて、動けなくなりました。
スキル『解体』+『調理』:どこからが解体でどこからか調理なのか?建物の解体と食材の解体は違うようで、魔物は一度解体しないと調理できません。魚はスキル調理だけで三枚おろしに出来ました。
スキル『調理』に含まれている『燻製名人』で食べ切れない狼や猪の肉を燻製肉にして保存します。
森の中には一軒のキチンとした家が建っていました。
様々なスキルを合成して、ほとんどの属性の魔法は使えるようになりました。
木の家でも、土の家でも自由に作れます。
彼は骨組みは木材で作り、壁や水回りは土の強度を上げて、岩に変化させて使いました。
紙などの燃えやすい物を探すか、油などの可燃物を探して効率的に燃やすのが1番です。
彼は住民の為に穴を掘ったり、火葬しようとしたりします。
けれども、そんな事をせずに卑しい男のように金目のものを盗めば、一生遊んで暮らせる額にはなります。
金持ちの家を知っていれば、チマチマと倒れている人の、財布のお金を抜き取る手間もいりません。
このまま死体を放置しても、鳥の餌になるか、肉食系魔物の餌になるだけです。
彼はどうしようかと悩みます。彼が本当にやりたかった事はお葬式ではありません。隠したかったのです。
自分のせいで死んでしまった多くの人を、誰にも知られずに隠したかったのです。
「あぁぁぁぁぁぁぁ~!」
彼は大きな声で叫ぶと自分の家を火魔法で燃やします。手の平から炎が一直線に噴き出します。
家が燃え始めると、近くの死体を家の中に投げ入れます。
次々に放り込んでは火魔法で死体を燃やします。炎は両隣の家に燃え移りました。
死体があるところまで移動すると同じように一軒の家を燃やしてから、死体を投げ入れます。
一軒に50人ぐらいの死体が入るようです。
彼はMPが無くなるまで同じ作業を繰り返しました。五軒目の家を燃やしていると火が出せなくなりました。
可燃性の液体やガスがないかと、その辺の店の中を探して回ります。
大量の油を売っている店を見つけると、彼は手当たり次第に家の床に油を撒いていきました。
すでに燃えている家から火の付いた物を持って来ては、油を撒いた家の中に投げ入れます。
上手く燃えたら、次は死体を投げ入れていきました。
街のあっちこっちからモクモクと黒い煙が上がります。
この街の異変に気づいた行商人が近くの街に引き返して知らせるのも時間の問題です。
1000人近くの死体を燃やす事は出来ましたが、そろそろ街を出ないと馬に乗った兵士が大勢やって来るでしょう。
彼は大きめのバッグを何個か店から盗んで、お金や保存の効く食料、衣服を詰め込みます。
逃げるように街から出て行くと、人の来ない山奥や森を目指して走り始めました。
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あれから2ヶ月。魔王が出現したことは、多くの街に知れ渡りました。
各国の王や貴族は腕の立つ冒険者やならず者を集めたり、強い武器や防具を作れる職人を集めたりと、対策が進んでいました。
あれから彼は森の中で1人で暮らしていました。
最初は街から持ってきた食料で何とか暮らせていましたが、だんだんと食料が少なくなってくると、自分で食料を調達する必要性が出てきました。
お金を使って、近場の街に食料を買いに行くことも考えましたが、この近辺の街はあらかた魔王に襲撃された後でした。
人間がいなくなったことで、この周辺は魔物が増えて、更に被害が拡大していきました。
街には魔物討伐の依頼が山のように積まれ、冒険者達は日々、命懸けの戦いを休まずに繰り返しています。
彼も食べられる魔物を見つけては倒したり、人を襲う凶暴な魔物は優先的に倒していました。
⚫︎スキル『識別』:対象の情報を見る事が出来る。ステータスや食べ物の有毒無毒、価値や利用方法もある程度分かる。
⚫︎飢えた狼:獲物を見つけては、集団で襲う。群が大きくなり過ぎて、分け前が減ってしまって、常にみんな腹ペコ状態。レベル=4、HP=1328、MP=147、腕力=74、体力=83、知性=67、精神=36、敏捷=82、器用さ=80。
⚫︎肥えた猪:お肉がないなら、草を食べればいい。森の木の実やキノコを食べてブクブクと太って走るのは遅いです。レベル=8、HP=3000、MP=237、腕力=178、体力=144、知性=119、精神=58、敏捷=114、器用さ=97。
森の中を肥えた猪1匹を飢えた狼6匹が追いかけています。
1対1では勝てませんが、1対6なら勝てます。ジワジワと猪の体力が落ちてきて、狼に追いつかれ始めました。
ヒューン、ヒューンと風を切って、空を飛んで彼がやって来ました。
スキル『浮遊』+『風魔法』:身体を浮かせた状態なら僅かな風で自由に空を飛べる。慣れるまでは時間がかかる。当然、MPが無くなると墜落するので注意が必要。
ドォス、ドォス、ドォスと3匹の狼が横っ腹を拳で直接殴りつけられて、吹き飛ばされて木にぶつかります。ほとんどが殴られた衝撃で背骨が折れ曲がって動けなくなります。
残りの狼3匹も同じように横っ腹を殴られたり、蹴られたりして動けなくなりました。
いつの間にか、自分を追っていた狼が居なくなって、ホッと安心していた猪もドォスンと横っ腹を蹴りつけられて、動けなくなりました。
スキル『解体』+『調理』:どこからが解体でどこからか調理なのか?建物の解体と食材の解体は違うようで、魔物は一度解体しないと調理できません。魚はスキル調理だけで三枚おろしに出来ました。
スキル『調理』に含まれている『燻製名人』で食べ切れない狼や猪の肉を燻製肉にして保存します。
森の中には一軒のキチンとした家が建っていました。
様々なスキルを合成して、ほとんどの属性の魔法は使えるようになりました。
木の家でも、土の家でも自由に作れます。
彼は骨組みは木材で作り、壁や水回りは土の強度を上げて、岩に変化させて使いました。
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