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第1章・冒険者編
第9話
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彼はギルドを出ると、この時間なら何処かで野宿した方がいいと思い、空に浮き上がって、横になって寝れそうな建物の屋根を探しました。
人に見つからない場所ならどこでも良かったので、宿屋の屋根を借りる事にしました。
見つかったら宿代を取られそうでしたが、朝早くに起きれば見つからないはずです。
チュンチュンと鳥が鳴くより早く起きて、背伸びをすると採集用の入れ物を考えます。
鉱石ならば頑丈な木箱、蜂の巣ならハチミツが垂れても大丈夫なビンや陶器が良さそうですが、流石にその大きさの陶器は高そうです。
森の中で家を建てたように、スキルを使って、その場で専用の入れ物を作った方が楽そうですし、節約にもなります。
朝飯前という感じで、鉱山がある北の山脈を目指して飛び立ちました。
・
・
・
空を飛びながら鉱山全体を見ると、意外にもしっかりとした鉱山の入り口が何箇所もあり、どれに入ろうか迷います。
やっぱり採掘尽くされたから、別の場所に穴を開けて、鉱石を探しているのでしょう。
彼はどれでもいいと目についた穴に飛び込みました。
やはり、スキル『鑑定』を使っても、微妙な結果になってしまいました。
⚫︎鉱石:全体の97.28%がただの石。
⚫︎鉱石:全体の95.48%がただの石。
入り口からしばらく歩くと一口大(約3㎝)の石ころが落ちてたので、試しに『鑑定』で調べると、こんな結果になってしまいました。
彼は少し考えてから、バッグの中から麻袋を取り出して、その辺の石ころを麻袋が破れない程度に詰め込みました。
外に出ると近くの300本ぐらいの木が生えてる森に向かって、飛んでいきました。
スキル『日曜大工』を使って、森の一本の木を使って木箱を作りました。
道具をまともに持っていなかったので、木を『水魔法』を使って、四角い板にスライスしただけですが、底に1枚、外側の壁に4枚、仕上げに『合成』の中に入っている『融合』スキルで釘を使わずに、何処にも切れ目がない木箱が完成しました。
⚫︎木箱:切れ目がない不思議な木箱。職人がノミで中身を削り取った芸術品。
『鑑定』スキルを使って確認すると、おそろしく手間暇がかけられた芸術品扱いになってしまいました。
とりあえずは麻袋の中の石ころを木箱に入れると、試しに『合成』で金属だけと石ころだけに分けられないか、やってみました。
まずは石ころ同士がくっ付いて巨大な一つの岩になると、岩の上に瘤のように違う色の岩の塊が浮き上がってきました。
とりあえず、下の大きな岩と上の小さな岩に分けて『鑑定』しました。
⚫︎岩:100%ただの四角い岩の塊。表面がつるつるしているので、意外と用途がありそう。
⚫︎金属:丸い金属の塊。金、銀、鉄、銅とさまざまな金属が混ざり合っているので、逆に分けるのが面倒。職人泣かせの困ったもの。
「ガァーン!」
『鑑定』結果にちょっとしたショックを受けてしまいましたが、あとで金属の種類別に分ければ問題ありません。
バッグの中から干し肉を取り出して遅めの朝食です。
彼は麻袋に石ころを集めたら、森に戻って、金属と岩に分けました。
MPを考えると残り1回が限界です。
合計で3回しか採集出来ませんでしたが、最後に木箱の中で、金属の種類別に『合成』で分けると採掘依頼は完了です。
飛んで帰る頃にはお昼になっているので、昨日の報酬も貰えるはずです。
沢山の人を殺してしまった彼ですが、たまには街の食堂でご飯を食べるぐらいは許されるはずです。
彼は『浮遊』のスキルで軽くなった金属の入った木箱を大事に抱えて、街に向かって飛び立ちました。
・
・
・
木箱を抱えた彼がギルドに入ってると、昨日のおじさんはいませんでした。
カウンターにいるおばさんの元まで木箱を持っていくと、依頼用紙と受取証を渡しました。
「はいはい、ちょっと待ってね。どれどれ、受取証と依頼用紙だね!なんだい、報告の方かい!」
カウンターの奥にいる眼鏡をかけたおじさんを呼んで、彼の持ってきた依頼品を『鑑定』させているようです。
⚫︎鉄の塊:純度100%の鉄の塊。ここまで純度が高いと、高レベルスキルを使用しないと無理。重さ2.7㎏。
⚫︎銀の塊:純度100%の銀の塊。ここまで純度が高いと、高レベルスキルを使用しないと無理。重さ900g。
「う~~ん?これは依頼品に間違いないが、もう精製されとるし、量は少ないが金もあるしな……」
眼鏡おじさんは悩みながらも、丸い金属の塊を調べています。
どうやら普通はこの状態で持ってこないようです。
いつも通りに買い取るか、精製の手間賃を考えるべきか悩んでいます。
とりあえずは依頼人がお金を出すので、今回は通常通りの報酬金額を支払って、あとで依頼人に確認することにしました。
「……金300g、銀900g、鉄2.7㎏、銅1.8㎏で合計で156万5000になる。報酬金額に納得出来たら、ここに名前を書いてくれ。受取証を渡すから絶対になくさないように気をつけるんだぞ!」
流石に大金です。お金を用意するには2~3日の時間がかかります。
彼は昨日のトータスの卵の報酬を喜んで受け取ると、食事に出かけました。
人に見つからない場所ならどこでも良かったので、宿屋の屋根を借りる事にしました。
見つかったら宿代を取られそうでしたが、朝早くに起きれば見つからないはずです。
チュンチュンと鳥が鳴くより早く起きて、背伸びをすると採集用の入れ物を考えます。
鉱石ならば頑丈な木箱、蜂の巣ならハチミツが垂れても大丈夫なビンや陶器が良さそうですが、流石にその大きさの陶器は高そうです。
森の中で家を建てたように、スキルを使って、その場で専用の入れ物を作った方が楽そうですし、節約にもなります。
朝飯前という感じで、鉱山がある北の山脈を目指して飛び立ちました。
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空を飛びながら鉱山全体を見ると、意外にもしっかりとした鉱山の入り口が何箇所もあり、どれに入ろうか迷います。
やっぱり採掘尽くされたから、別の場所に穴を開けて、鉱石を探しているのでしょう。
彼はどれでもいいと目についた穴に飛び込みました。
やはり、スキル『鑑定』を使っても、微妙な結果になってしまいました。
⚫︎鉱石:全体の97.28%がただの石。
⚫︎鉱石:全体の95.48%がただの石。
入り口からしばらく歩くと一口大(約3㎝)の石ころが落ちてたので、試しに『鑑定』で調べると、こんな結果になってしまいました。
彼は少し考えてから、バッグの中から麻袋を取り出して、その辺の石ころを麻袋が破れない程度に詰め込みました。
外に出ると近くの300本ぐらいの木が生えてる森に向かって、飛んでいきました。
スキル『日曜大工』を使って、森の一本の木を使って木箱を作りました。
道具をまともに持っていなかったので、木を『水魔法』を使って、四角い板にスライスしただけですが、底に1枚、外側の壁に4枚、仕上げに『合成』の中に入っている『融合』スキルで釘を使わずに、何処にも切れ目がない木箱が完成しました。
⚫︎木箱:切れ目がない不思議な木箱。職人がノミで中身を削り取った芸術品。
『鑑定』スキルを使って確認すると、おそろしく手間暇がかけられた芸術品扱いになってしまいました。
とりあえずは麻袋の中の石ころを木箱に入れると、試しに『合成』で金属だけと石ころだけに分けられないか、やってみました。
まずは石ころ同士がくっ付いて巨大な一つの岩になると、岩の上に瘤のように違う色の岩の塊が浮き上がってきました。
とりあえず、下の大きな岩と上の小さな岩に分けて『鑑定』しました。
⚫︎岩:100%ただの四角い岩の塊。表面がつるつるしているので、意外と用途がありそう。
⚫︎金属:丸い金属の塊。金、銀、鉄、銅とさまざまな金属が混ざり合っているので、逆に分けるのが面倒。職人泣かせの困ったもの。
「ガァーン!」
『鑑定』結果にちょっとしたショックを受けてしまいましたが、あとで金属の種類別に分ければ問題ありません。
バッグの中から干し肉を取り出して遅めの朝食です。
彼は麻袋に石ころを集めたら、森に戻って、金属と岩に分けました。
MPを考えると残り1回が限界です。
合計で3回しか採集出来ませんでしたが、最後に木箱の中で、金属の種類別に『合成』で分けると採掘依頼は完了です。
飛んで帰る頃にはお昼になっているので、昨日の報酬も貰えるはずです。
沢山の人を殺してしまった彼ですが、たまには街の食堂でご飯を食べるぐらいは許されるはずです。
彼は『浮遊』のスキルで軽くなった金属の入った木箱を大事に抱えて、街に向かって飛び立ちました。
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木箱を抱えた彼がギルドに入ってると、昨日のおじさんはいませんでした。
カウンターにいるおばさんの元まで木箱を持っていくと、依頼用紙と受取証を渡しました。
「はいはい、ちょっと待ってね。どれどれ、受取証と依頼用紙だね!なんだい、報告の方かい!」
カウンターの奥にいる眼鏡をかけたおじさんを呼んで、彼の持ってきた依頼品を『鑑定』させているようです。
⚫︎鉄の塊:純度100%の鉄の塊。ここまで純度が高いと、高レベルスキルを使用しないと無理。重さ2.7㎏。
⚫︎銀の塊:純度100%の銀の塊。ここまで純度が高いと、高レベルスキルを使用しないと無理。重さ900g。
「う~~ん?これは依頼品に間違いないが、もう精製されとるし、量は少ないが金もあるしな……」
眼鏡おじさんは悩みながらも、丸い金属の塊を調べています。
どうやら普通はこの状態で持ってこないようです。
いつも通りに買い取るか、精製の手間賃を考えるべきか悩んでいます。
とりあえずは依頼人がお金を出すので、今回は通常通りの報酬金額を支払って、あとで依頼人に確認することにしました。
「……金300g、銀900g、鉄2.7㎏、銅1.8㎏で合計で156万5000になる。報酬金額に納得出来たら、ここに名前を書いてくれ。受取証を渡すから絶対になくさないように気をつけるんだぞ!」
流石に大金です。お金を用意するには2~3日の時間がかかります。
彼は昨日のトータスの卵の報酬を喜んで受け取ると、食事に出かけました。
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