【異世界マジシャン】三流マジシャン助手の女子高生がタネも仕掛けも必要ない異世界でマジックで荒稼ぎします!

もう書かないって言ったよね?

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第13話

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「とりあえず何か食いに行くか。ハンバーガー飽きたしな」
「そうね。美味しいんだけど、三日も続けば別のが食べたくなるわね」

 私もそう思う。さすがにハンバーガーとポテトだけじゃ飽きてしまう。
 お婆さんの監視がなければ、コンビニ弁当取り出して、胃の中に白米をぶち込んでいる。

 行き先が決まったので、まずは食べ物だ。
 今の私の腹ペコお腹はガッツリ系を所望している。
 某1番カレー屋の『カツカレー』が無性に食べたい。
 ステージ衣装に着替えて、帽子に手を伸ばせばすぐに叶えられる願いだが。
 ここはグッと我慢だ。カレーだけに我慢が最高のスパイスになる。

 私はまだ異世界料理を一口も食べていない。
 知っている料理を食べてどうする?
 お前のお腹はその程度で満足するお腹だったか?
 答えは否だ‼︎ この異世界の料理、私のお腹に全てぶち込んでやる。
 そういう意気込みを持っている。

「ほぉー」

 店の前の路上でジュージューと香ばしい匂いで人を集めている店を見つけた。
 紺色のお揃いの服を着た三人の料理人が横に並んで、熱せられた鉄板に乗せられた食材を金属のヘラでかき混ぜている。
 そう、あれは……『焼きそば』だ。極太麺に豊富な野菜、さらにサイコロ状の肉塊を乗せている。
 黒茶色のソースはおそらく濃口だろう。帽子から辛子マヨネーズを取り出し容赦なくぶっかけ、定番のカツオ節ではなく、ツナフレークを振りかける。
 ゴクリ、悪くない。

「ふむ……」

 だが、この店ではないらしい。二人は見向きもせずに通り過ぎていった。
 確かに時期早々。まだ他にも店はたくさんある。

「ほぉー」

 シャンシャンシャン。小気味良い音が聞こえてきた。
 店の前に作られたキッチンで、大きな中華鍋の中をお玉で掻き回している三人組を見つけた。
 そう、あれは……『炒飯』だ。こっちの世界にも米はあるようだ。
 具材はエビや貝を中心とした海鮮炒飯で、色鮮やかなピーマン、ニンジン、グリーンピースが入っている。
 まさに海と大地の禁断のハーモニーだ。カツカレーではないけど、私は米に飢えている。
 あれに牛肉がゴロゴロ入った高級レトルトカレーをぶっかけて、さらに福神漬けで皿の縁に堤防を作る。
 ゴクリ、悪くない。

「ふむ……」

 だけど、この店でもないらしい。二人は見向きもせずに通り過ぎていく。
 確かに炒飯は私でも作れる代表的な庶民料理だ。
 それに今の私なら小海老やアサリではなく、伊勢海老やホタテを使った豪華な海鮮炒飯も作れる。
 わざわざ庶民向け炒飯で腹を満たす必要もない。

「むむむぅ!」

 これは見た事がない。
 店の前に置かれた煉瓦造りのコンロの上に、鉄串二本に突き刺された四枚の肉板を見つけた。
 厚さ二センチはある肉板をウナギの蒲焼きのように焼いている。
 しかも本格的な団扇を使った炭火焼きで、さらに焼いた肉板を溶かしたチーズを浸した陶器の壺にブチ込み、さらに継ぎ足し続けて五十年を思わせる特製タレ壺にブチ込み、トドメとばかりにさらに焼いている。
 まさにあれは……『老舗料亭の鰻の蒲焼き風チーズ肉焼き』だ。

「ハァハァ、ハァハァ!」

 もうこれは決定でしょう。今すぐ齧り付きたくなる衝動が私を襲ってきた。
 だが、ここはあえて帽子からバケットを取り出し、中央に切れ込みをいれ、そこにレタスを敷き、薄切りトマト、炒り卵、チーズ肉焼きを挟み込む。最後の仕上げにマスタードを端から端に垂れ流す。
 これで『異世界ホットドッグ』の完成だ。

「確かこの先にあった気がするんだよな」
「えっ? ええっ⁉︎」

 信じられない。二人がこれされも素通りした。目と鼻が付いているのか疑うレベルだ。
 思わず二度目してしまった。いやいや、疑うべきは私だった。
 私は異世界初心者だ。まだ見ぬ美味がこの先に待っている可能性がある。
 ここは二人を信じて進むしかない。

「あったあった。お姉さん、キングフルーツチョコレートパフェ三つ」
「……」

 パフェだと? 信じた先に待っていたのはパフェだった。
 ガラス製の丸い器にバニラアイス、およそ三リットルを山盛りに乗せ、器の縁に王冠のように半月状に切った桃、梨、メロン、オレンジを縦に並べている。
 その間には宝石に見立てたのか、サクランボやブドウなどの丸い果物を入れている。
 さらに王冠の中に隙間なくイチゴを敷き詰め、その上に溶かしたチョコレートかけている。
 まさにキングフルーツチョコレートパフェを名乗るに相応しいパフェだ。
 お店で頼めば八千円はするだろう。

 だが、こんなものは陽キャ達が悪ふざけで頼む大食いパフェだ。
 一皿を三人で食べるのなら分かる。それを三人で三皿だと……?
 食べきれるわけがないだろ‼︎
 
「ふぅ……」

 だがしかし、もう頼んでしまったのなら仕方ない。
 私はグッと怒りを鎮めて、静かに木製テーブルの席に座った。
 逃れられない戦いならば挑むしかない。それも奢りなら挑むしかない。

 ☆出現マジック発動☆

 頭上にシルクハットを出現させると、帽子の中から銀色に輝くスプーンを取り出した。
 武器はこちらで用意させてもらう。
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