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15・エルフ様
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なかなか美味しかった。さすがは手土産に渡すぐらいだ。
今は僕のお腹の中にあるけれど。
「さてと、寝よう」
疲れたし、食べたし、やる気もない。
またには鍛錬をサボってもいいじゃないか。
「すぴぃ……すぴぃ……‼︎」
地面に寝転び、焚き火に当たって寝ているとパキィと近くで枝の折れる音が聞こえた。
自然の音じゃない。人の気配がする。命の危機に意識だけを素早く覚醒させた。
師匠に何度も寝込みを襲われている。
師匠いわく、敵はいつ何時も待ってくれないそうだ。
今のところ寝込みを襲う卑怯者は師匠一人しかいないけど。
「誰だ!」
敵の気配を頼りに素早く起き上がると、敵に向かって拳を構えた。
すると、大きな帽子を被った、スカートを履いた敵が両手の手の平を向けてきた。
「あー落ち着きなよ。何もしないよ」
「誰だと聞いたんだ! さっさと答えろ!」
声で女なのは分かった。だけど、この島には女しかいない。
それも凶暴な女がたくさんだ。僕を騙せると思ったら大間違いだ。
「んー、もしも君の望み通りに私が答えたとしても、それが嘘の可能性もあるんじゃないかな? それで君は満足するのかな?」
「……いいから答えろ! 答えないなら僕の拳が黙ってないぞ!」
僕を混乱させようとした。やっぱり僕を騙そうとしている。
こんな暗い森の中に一人でいるような奴が信用できるか。
「すまない。どうやら余計なお節介だったようだ。私は失礼するよ。風邪引かないように気をつけて寝るんだよ。火の始末も頼んだよ」
「ちょっ、ちょっと待てよ!」
コイツ、逃げようとしている。こんな怪しい奴、逃してたまるか。
木に立て掛けていた木剣を急いで手に取ると、女の前に先回りして切っ先を向けた。
「僕の質問にまだ答えてないぞ! こんな所で何してんだ!」
「はぁー、それはこっちの台詞だよ。君こそ、こんな時間に一人で何してるの? もしかして迷子にでもなっちゃったの?」
「質問しているのは僕の方だ! 仲間でも呼びに行くつもりか!」
目の前の帽子女を警戒しつつ、周囲を探ってみた。
人の気配はない。けれども、気配を消すのが上手い悪魔もいる。
気がついた時には首に注射器がプスリだ。
「仲間なんていないよ。この森に住んでいるんだ。家の近くで怪しい明かりが見えたから、気になって確かめに来ただけだよ」
「家だって? こんな森に住んでいる奴なんて、いるわけ——」
おうちぃ‼︎ そこまで言いかけて気がついてしまった。
森の中に住んでいる人はいる。僕が探している人物だ。
でも、まだその人物であると決まったわけじゃない。
ただ本当に夜の森で変なことをしている危険人物の可能性もある。
「どうしたんだい? 突然黙ってしまって」
「……ふぅーん、家が近くにあるんだ。だったら証拠を見せてもらおうかな」
「それは別にいいけど、仲間がいるかもしれないよ。危ないんじゃない」
「それを決めるのは僕だ! いえ、僕です。お願いだから家に案内してください」
「本当にどうしたんだい? 急に大人しくなって。どこか具合でも悪いの?」
ヤバイ。落ち着いて考えてみたら、僕の方が怪しい奴だ。
こっちの大帽子の優しいお姉さんの方がまともだ。
「ごほぉ、ごほぉ、そういえば、なんか熱っぽいかも」
その理由は焚き火に当たっていたからだ。
でも、今は違う。今の僕はちょっと体調が悪い子供だ。
これきっと軽めの風邪だ。近くの家に行けばすぐ治る軽めの風邪だ。
「うーん、それは大変だね。分かった。私の家で休んで行くといいよ」
「ごほぉ、ごほぉ、是非」
「こっちだよ。火を消したら行こう」
「あっ、すぐに消すので待っててください」
絶対仮病だってバレているけど、それを分かっていて連れて行ってくれるなんて、なんて優しい人だ。
これで家じゃなくて、変な儀式をしている武装集団の所に連れて行かれても、僕は今のこの優しさを信じていたい。
「はい、あの家だよ」
「あっ、あった」
本当にすぐそこだった。歩いて三分ぐらいだ。
白い花畑に囲まれた可愛らしい家があった。
もう間違いない。この人が魔星様だ。
「お腹減ってない? 何か用意しようか?」
「いえ、もう治ったので大丈夫です。僕、ルモと言います。助けていただきありがとうございます」
「んー、何もした覚えはないんだけど、治ったのなら良かった——」
「ああああああッッ‼︎」
「ど、どうしたの⁉︎」
優しい魔星様に案内されて、明るい家の中に入った。
でもその時、明かりに照らされた魔星様の顔を見て、僕は重大なことに気がついてしまった。
反射的に叫ぶとすぐさま地面に土下座した。
「すみませんでした! まさか《エルフ様》だったとは知らずに失礼な態度を!」
魔星様、いや、もう魔星様じゃない。この人の肌は真っ白だ。
師匠に言われた、絶対に会っちゃいけない要注意人物のエルフだ。
「ああ、そういうことか。確かに失礼な態度だったけど、そこまでする必要はないよ。私はエルフじゃないから」
「いえいえ、エルフ様です! エルフ様で間違いありません!」
騙そうとしても騙されるわけない。
こんな真っ白なアマゾネスなんか見たことない。
地面に頭をさらに擦り付けて、全力の謝罪を繰り返す。
「うーん、本当にエルフじゃないんだけどな。それで君はなんで森で寝ていたの? 迷子じゃないんだよね」
「あっ、はい! 人を探していました! 美しいエルフ様とは違う、アマゾネスのババアです」
エルフ様に訊かれたので、正直に答えた。
「へぇー、どんなお婆さんなの? もしかしたら知ってるかもしれないよ」
「魔星っていう百超えのババアです。最近見かけないそうなんで、土の中に埋まっているんじゃないでしょうか」
「あーそれはないね。だってそのババアは君の目の前に立っているからね」
「えっ?」
何言ってんだろうと顔を上げて前を見た。
目の前にいるのはババアじゃなくて、エルフ様だ。
「自己紹介がまだだったね。私は【魔星ローシス=ナルルース】。肌は白いけど、耳はこの通り……尖ってないよ」
エルフ様が大帽子を脱ぐと、灰色の髪に隠れている耳を見せた。
その耳は丸かった。
今は僕のお腹の中にあるけれど。
「さてと、寝よう」
疲れたし、食べたし、やる気もない。
またには鍛錬をサボってもいいじゃないか。
「すぴぃ……すぴぃ……‼︎」
地面に寝転び、焚き火に当たって寝ているとパキィと近くで枝の折れる音が聞こえた。
自然の音じゃない。人の気配がする。命の危機に意識だけを素早く覚醒させた。
師匠に何度も寝込みを襲われている。
師匠いわく、敵はいつ何時も待ってくれないそうだ。
今のところ寝込みを襲う卑怯者は師匠一人しかいないけど。
「誰だ!」
敵の気配を頼りに素早く起き上がると、敵に向かって拳を構えた。
すると、大きな帽子を被った、スカートを履いた敵が両手の手の平を向けてきた。
「あー落ち着きなよ。何もしないよ」
「誰だと聞いたんだ! さっさと答えろ!」
声で女なのは分かった。だけど、この島には女しかいない。
それも凶暴な女がたくさんだ。僕を騙せると思ったら大間違いだ。
「んー、もしも君の望み通りに私が答えたとしても、それが嘘の可能性もあるんじゃないかな? それで君は満足するのかな?」
「……いいから答えろ! 答えないなら僕の拳が黙ってないぞ!」
僕を混乱させようとした。やっぱり僕を騙そうとしている。
こんな暗い森の中に一人でいるような奴が信用できるか。
「すまない。どうやら余計なお節介だったようだ。私は失礼するよ。風邪引かないように気をつけて寝るんだよ。火の始末も頼んだよ」
「ちょっ、ちょっと待てよ!」
コイツ、逃げようとしている。こんな怪しい奴、逃してたまるか。
木に立て掛けていた木剣を急いで手に取ると、女の前に先回りして切っ先を向けた。
「僕の質問にまだ答えてないぞ! こんな所で何してんだ!」
「はぁー、それはこっちの台詞だよ。君こそ、こんな時間に一人で何してるの? もしかして迷子にでもなっちゃったの?」
「質問しているのは僕の方だ! 仲間でも呼びに行くつもりか!」
目の前の帽子女を警戒しつつ、周囲を探ってみた。
人の気配はない。けれども、気配を消すのが上手い悪魔もいる。
気がついた時には首に注射器がプスリだ。
「仲間なんていないよ。この森に住んでいるんだ。家の近くで怪しい明かりが見えたから、気になって確かめに来ただけだよ」
「家だって? こんな森に住んでいる奴なんて、いるわけ——」
おうちぃ‼︎ そこまで言いかけて気がついてしまった。
森の中に住んでいる人はいる。僕が探している人物だ。
でも、まだその人物であると決まったわけじゃない。
ただ本当に夜の森で変なことをしている危険人物の可能性もある。
「どうしたんだい? 突然黙ってしまって」
「……ふぅーん、家が近くにあるんだ。だったら証拠を見せてもらおうかな」
「それは別にいいけど、仲間がいるかもしれないよ。危ないんじゃない」
「それを決めるのは僕だ! いえ、僕です。お願いだから家に案内してください」
「本当にどうしたんだい? 急に大人しくなって。どこか具合でも悪いの?」
ヤバイ。落ち着いて考えてみたら、僕の方が怪しい奴だ。
こっちの大帽子の優しいお姉さんの方がまともだ。
「ごほぉ、ごほぉ、そういえば、なんか熱っぽいかも」
その理由は焚き火に当たっていたからだ。
でも、今は違う。今の僕はちょっと体調が悪い子供だ。
これきっと軽めの風邪だ。近くの家に行けばすぐ治る軽めの風邪だ。
「うーん、それは大変だね。分かった。私の家で休んで行くといいよ」
「ごほぉ、ごほぉ、是非」
「こっちだよ。火を消したら行こう」
「あっ、すぐに消すので待っててください」
絶対仮病だってバレているけど、それを分かっていて連れて行ってくれるなんて、なんて優しい人だ。
これで家じゃなくて、変な儀式をしている武装集団の所に連れて行かれても、僕は今のこの優しさを信じていたい。
「はい、あの家だよ」
「あっ、あった」
本当にすぐそこだった。歩いて三分ぐらいだ。
白い花畑に囲まれた可愛らしい家があった。
もう間違いない。この人が魔星様だ。
「お腹減ってない? 何か用意しようか?」
「いえ、もう治ったので大丈夫です。僕、ルモと言います。助けていただきありがとうございます」
「んー、何もした覚えはないんだけど、治ったのなら良かった——」
「ああああああッッ‼︎」
「ど、どうしたの⁉︎」
優しい魔星様に案内されて、明るい家の中に入った。
でもその時、明かりに照らされた魔星様の顔を見て、僕は重大なことに気がついてしまった。
反射的に叫ぶとすぐさま地面に土下座した。
「すみませんでした! まさか《エルフ様》だったとは知らずに失礼な態度を!」
魔星様、いや、もう魔星様じゃない。この人の肌は真っ白だ。
師匠に言われた、絶対に会っちゃいけない要注意人物のエルフだ。
「ああ、そういうことか。確かに失礼な態度だったけど、そこまでする必要はないよ。私はエルフじゃないから」
「いえいえ、エルフ様です! エルフ様で間違いありません!」
騙そうとしても騙されるわけない。
こんな真っ白なアマゾネスなんか見たことない。
地面に頭をさらに擦り付けて、全力の謝罪を繰り返す。
「うーん、本当にエルフじゃないんだけどな。それで君はなんで森で寝ていたの? 迷子じゃないんだよね」
「あっ、はい! 人を探していました! 美しいエルフ様とは違う、アマゾネスのババアです」
エルフ様に訊かれたので、正直に答えた。
「へぇー、どんなお婆さんなの? もしかしたら知ってるかもしれないよ」
「魔星っていう百超えのババアです。最近見かけないそうなんで、土の中に埋まっているんじゃないでしょうか」
「あーそれはないね。だってそのババアは君の目の前に立っているからね」
「えっ?」
何言ってんだろうと顔を上げて前を見た。
目の前にいるのはババアじゃなくて、エルフ様だ。
「自己紹介がまだだったね。私は【魔星ローシス=ナルルース】。肌は白いけど、耳はこの通り……尖ってないよ」
エルフ様が大帽子を脱ぐと、灰色の髪に隠れている耳を見せた。
その耳は丸かった。
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