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第46話 真紅のドラゴスライム

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「ふぅー、助かったぁー」

 また薬草食べないといけないけど、何とかエレキスライムを倒せた。

【雷の実:たくさん食べると雷魔法が使えるようになる。エレキスライムを倒すと落とす】
【魔石結晶:食べるとMPが150回復する。エレキスライムを倒すと落とす】

 氷魔法と一緒で、雷魔法を覚えるつもりはない。
 あんなのと何百回も戦ったら死んじゃうよ。

 ……
 …

「よし!」

 また1日休んじゃった。でも、回復と休憩はバッチリだぞ。
 装備は不安だらけだけど、ドラゴンのドラゴスライムと戦うなら、やっぱり剣と鎧だ!
「召喚!」と唱えると、素早く魔法陣から離れた。

「グゥオオオオオン!」
「ひぃぃ!」

 魔法陣の中から真っ赤な翼を大きく広げたドラゴンが、雄叫びを上げて飛び出して来た。

「えっ? 小さっ!」

 思わず死んだフリしそうになったけど、よく見たら、牛ぐらいの大きさだ。
 こんなのゴールドスライムと一緒だ。僕を背中に乗せて飛べるかも怪しいぞ。
 超雑魚じゃないけど、これなら倒せる自信がある。
 右手の剣を地面に突き刺すと、アイテムポーチから手裏剣を取り出した。

「《スライム斬り!》」

 余っている飛び道具で、まずは先制攻撃だ。
 宙を飛んでいるドラゴスライムに投げつけた。
 青い光を出して、手裏剣が飛んでいく。

 グッサ!

「痛ぁ! あー、痛った!」
「あっ、ごめんなさい」

 ドラゴスライムのお腹に手裏剣が刺さった。なんか大袈裟に痛がっている。
 思わず謝っちゃったけど、僕達、敵同士なんだから謝る必要ないよね?

「グォオオオン!」
「うわぁ!」

 やっぱり敵同士だ! ドラゴスライムが空中から凄い速さで降りて来た。
 そのまま地面スレスレで身体を回転させて、細長い尻尾を振り回して来た。

 ドパァン!

「ぐぼお! うがぁ、うわわわわわわッッ!」

 硬い尻尾に胸と腹の辺りを強打されて、吹き飛ばされた。
 硬い岩の地面をゴロゴロ、ゴロゴロ転がっていく。
 これ絶対に土下座して謝っても許されないヤツだからね!

「痛たたた——はっ!」

 寝転がっている場合じゃない。
 ドラゴスライムが飛んで追いかけて来ると、僕から少し離れた位置から炎の息を噴き出した。

「グゥガァァァァ!」
「熱ッ! 熱うッッ!」

 盾で炎の息を防ぐけど、この五角形の盾、小さっ!
 頭守ったら、他が丸焦げだよ。ピョンピョン跳ねた後にしゃがみ込んだ。
 これで何とか身体の半分以上は守れるぞ。

「グゥハァァ……」
「《アクアボール(水の球)!》《アクアボール!》」

 炎の息が止まった瞬間、急いで鎧と盾に水の球をぶつけまくった。
 ジューッと鎧から湯気が出ている。
 鎧と盾がなかったら、僕、丸焦げどころか、骨になっていたかも。
 小さくても、スライムのドラゴンでも、やっぱりドラゴンはドラゴンだ。
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