【R18】暴力戦士妹LV68がダンジョンボスの死に際の攻撃で永遠に目覚めない呪いをかけられた。僧侶兄LV23はこのチャンスに♡♡♡する

もう書かないって言ったよね?

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第1章

第2話②インサイティング・イベント

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 広々とした空間で高い天井は岩で覆われ、硬い岩盤の地面には障害物一つない。
 動きやすく戦いやすいが、隠れられる場所が見当たらない。
 まさに逃げ場無し。天然の闘技場と言った雰囲気が身体に冷たく染み込んでくる。
 
「さーて、どいつが現れるか楽しみね」

 部屋の中心に魔法陣が出現した。ダンジョンボスが現れる合図だ。
 妹が剣を構えて出現を待ち侘びている。

 現れるダンジョンボスはランダム、つまりは不規則だ。
 未踏破ダンジョンならば何が現れるか戦々恐々だが、このダンジョンは何度も踏破されている。
 現れるダンジョンボスは【キングオーク豚巨人】【ヘビーリザード巨大な赤トカゲ】【アルぺニアゴーレム剛腕剛足の岩人形】の三体だ。
 情報料を払って入手した情報だから間違いない。

 重力級で攻撃力高めの三体だが、三体とも動きはそこまで速くない。
 攻撃役の攻撃力と防御力が高く、攻撃役がダメージを受けた際、回復役がしっかり回復すれば、二人だけでも倒せない相手ではない。

『リッチャアアアア!』
「はぁ? 何コイツ? 知らない奴、出てきたんですけど」
「す、すみません!」

 ヤバイ。明らかに不機嫌そうな妹の敵意が前じゃなくて、後ろの俺に飛んできた。
 ダンジョンの情報収集は俺の仕事だった。
 でも、四体目がいるなんて、俺も聞いてない。

 魔法陣から現れたのは黒の魔法使いのローブ、錆び付いた王冠、ダイヤの宝珠が嵌め込まれた杖。
 身の丈は3メートル近くあり、唯一見える身体は顔だけで、その顔はミイラのように干涸びている。

 未発見の【レアボス】で間違いない。この場合、発見者に命名権がある。
 もちろん俺ではなく、妹が名付けるのは決定事項だ。

 だけど、念の為に【オールドロード老いた支配者】と名付けておこう。
 未発見ボスで命名権があるなんて、妹がどっちも知らない可能性がある。
 
「はぁぁ、役立たずが……まあいいわ。やる事変わんないし」

 ため息を吐いて罵ると、妹の敵意が後ろから前に移動した。
 自分でも調べてから文句言えよ……と言いたいが、確かにその通りだ。
 やる事は最初から変わらない。オールドロード、コイツを倒さないと生きて帰れない。

 杖を妹に向けると、ロードの動きに集中した。
 事前情報無しの初見の相手だ。
 まずは攻撃方法、移動速度、とにかく情報が欲しい。

『”####〟』

 来た。ロードの杖に嵌め込まれている透明なダイヤが水色に光った。
 すると、妹に向かって水色の光線が飛んでいった。

「くっ……!」

 流石は期待を裏切らない脳筋妹だ。見事に避け切れずに命中した。
 それなのに吹き飛ばされずに、その場に何事もなく突っ立っている。
 つまり攻撃系の魔法じゃない。考えられるのは【状態異常】【弱体化】の二つだ。

「な、に、これ……? ね、む、い……」
「そっちか! ”アンチスリープ〟‼︎」

 今にも倒れそうにふらつく妹を見て、状態異常【睡眠】を解除する魔法を唱えた。
 すると、妹の身体が水色の光に包まれ、すぐに光が透明になって消えていった。

「うわあああ! あ、危ない! 眠るところだった!」
 
 ふぅー、ギリギリセーフだ。倒れる前に起こす事に成功した。
 寝落ち寸前みたいな動作で妹が踏み止まった。

『”####〟』

 ——って。安心している場合じゃなかった。
 今度は紫色にダイヤが光ると、紫の光線が妹に直撃した。
 まったく期待を裏切らない妹だよ。
 
「くっ……! な、に、これ……ものすごく気分が……」
「”アンチポイズン〟‼︎」

 眠気じゃないなら、今度は状態異常【毒】だ。
 妹の口を押さえて吐きそうな仕草を見て、素早く解毒の魔法を唱えた。
 さっきと同じように紫色の光に包まれ、すぐに光が透明になって消えていった。
 間違いない。コイツは……

「フィリア様! そいつ、【状態異常魔法】の使い手です! 気を付けてください!」

 集めた情報を妹に安全圏から大声でお知らせした。
 これで少しは避けてくれると思いたいが……

「いちいち言われなくても、そんなの分かってんのよ! あんた、分かってんなら、次からは異常感じる前に治しなさいよ! 分かったわね!」

 そのつもりはないらしい。
 状態異常を喰らう前提で突撃するから、あとよろしくと強めに脅してきた。

 ジャストヒールと同じで、痛みを感じる前に回復しないと失敗だ。
 使うタイミングが早すぎると痛い。遅すぎると痛いだ。
 ちょうどのタイミングでダメージを相殺するように回復する高難度な技……
 それがジャストヒールだ。

 ちなみにジャストヒールという魔法は存在しない。
 ただのヒールを妹の無茶な要求に応えて、神技レベルまで昇華された俺のオリジナルだ。
 普通はダメージ受けた後に回復する。ダメージ受ける前に回復したら、ただの無意味な回復になってしまう。
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