校内人事の人手不足で召喚したのは、最強エルフ! 悪には強いが家事には弱く、生活支える隣人教頭!!

根 九里尾

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プロローグ

02 そこは、ダメ! 2 〔運命の赤ランプ〕

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 ―― ピコッ! ――

「ああ~押しちゃったね、ベル! (よし、一つ上がった!)、……まあ、仕方がないか。えっと……もう一回、押してくれる? できれば、10まで……」

「……じゃあ教頭、ちょっと戻って押してくるよ……」

「あ、ごめん、ごめん、ベル、気にしなくていいから。ね、早く赤くて丸いボタンを押してくれないか!」
「どうして? 戻らなくていいの?……ハートマーク増えないよ?」

「今はいいの! それより早く火災報知器を作動させないと、煙に巻かれて俺たち、死んじゃうぞ!」
「うん、わかったよ。それじゃあ、今度こそ、赤い丸いボタンを押すね!!」
 


 ―― ジリリリリリリリ……ジリリリリリリ……ジリリリリリリ……――
 


 ベルフィールがボタンを押すと、火災報知器から大音量のベル音が鳴り、備え付けの消火栓から勢いよくホースが飛び出してきた。

「よし、成功したよ! 教頭。……今度は、魔法で煙を消すから、待っててね~」



 彼女は、両手を胸の前で組み、消火ホースに向かって魔法の呪文を唱えた。

 ≪……万物の精霊達よ! 我に力を与え給え! すべての悪煙をその中に吸引せよー!!≫

 消火ポンプのモーターが逆回転を始め、みるみるうちに煙は吸い込まれ、あっという間に煙の中に隠れていた悪の化身は、白日の下にさらされた。


「ベル! 今だ、とどめを刺せ!」

 教頭が叫ぶと同時に、ベルフィールの右手から電光石火の雷撃が飛び出し、人型の化身はあっという間に吹き飛ばされた。

「やったよ! 教頭、悪党をやっつけたよ!!」

 飛び上がって喜ぶ彼女を少し冷めた目で見る教頭だった。

 それでも教頭がベルフィールを労おうと彼女に近づいたその時、微かだが足元で異様な物音に気づいたのだ。

「どうしたの? 教頭……」

 彼女も足元の異変に気づき、思わず教頭にしがみついた。

 すると突然、音がしたのだ。




 ―― ブッワワッシシャアアアアーーー ――




 ものすごい破裂音と共に、足元から噴き出した大量の水が教頭とベルフィールを水浸しにしてしまった。

 なんと、先ほどベルフィールが逆回転させたポンプがそのまま回り続け、水道の元栓付近で水圧が飽和状態になり、ついに破裂してしまったのだった。

「わあーーん! 教頭~~……パンツまで、ビショビショだ~~」




 全身水びたしで、“水も滴るエルフ”の完成だった。



(つづく)
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