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18 ベルフィールの杞憂 3 〔……より団子〕
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「……ベル、……ベル……起きろベル!……」
「……う、うう……ああ……おは……よう、教頭……もう、朝か?」
「何を寝ぼけてんだよ、まだ、夜中だよ……お腹すいただろう?」
音楽室で敵と戦った後、教頭の家でエネルギー補給をしようとしていたベル達。その時、ベルの元気がなかったのをめぐみが気にして、強いお酒を飲ませることで、その訳を聞き出すことに成功したのだった。
ただ、そのお酒は、エルフのベルフィールにとっても強すぎて、食事を十分摂る前に、寝てしまった。
「あ、そっか、寝ちゃったんだ。……道理で、お腹がペコペコだ」
「ほら……これでもどうだ?」
教頭は、とりあえず皿に一個のおにぎりを載せて渡した。
「んーー。海苔の香りがたまらないなーー。いただきまーーす」
ベルは、大きな口を開けて、かぶりついた。
「お! 何だ、中から甘くて、ジューシーなものが出てきたぞ! 美味いな、この中身、何なの?」
「これか? これは、お前に食べさせようと思って焼いていた豚肉十キロなんだけど、寝てしまったからさ。これをサイコロ状に切り分けて、ショウガ醤油で煮込んだんだ。それから、タレがこぼれないように、軽く油で揚げてある。だからおにぎりに入れても、タレが染みないんだ」
「おおーー、さすがだな、教頭。これは、何個でもいけるわ!」
「そうだと思って、ほら!」
教頭は、山のようにおにぎりが積まれている大皿を見せ、ニンマリと微笑んだ。
そして、ベルも、目が輝き、いつもの元気さを取り戻し、両手におにぎりを持って食べ出した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「なあー、一人で気にするなよ……」
おにぎりも少なくなってきた頃、教頭はそっとベルに言った。
「……ふぐっ……でも、私が頑張らないと、ふぐっ……ここまで来た意味が……ふぐっ……」
ベルは、おにぎりを食べながら、そんなことを言った。
「ここまで来た意味って?……何だよ?……みんなで戦えばいいだろう?……僕達は四人で仲間なんだろう?」
教頭は、少し悲しくなった。確かにベルは強いが、ベルだけに戦いを任せるのは嫌だった。
「ありが……ふぐっ……とう、でも、ふぐっ……私だって、本社への……ふぐっ……プライドが……ふぐっ……」
「あのーベルさん、ベルさん。どうでもいいですけど、しゃべるか、食べるか……どちらかにしてもらえませんか?……分かりづらくて……」
教頭が、コップに水を持ってきて、ベルへ差し出した。
「あ、はい、すみません。ゴクゴク……食べるのに専念します」
「え? 食べるんかい!!!」
今日は、もう遅いので、明日、全員で飛行基地に集まって、続きを話すことにした。
(つづく)
「……う、うう……ああ……おは……よう、教頭……もう、朝か?」
「何を寝ぼけてんだよ、まだ、夜中だよ……お腹すいただろう?」
音楽室で敵と戦った後、教頭の家でエネルギー補給をしようとしていたベル達。その時、ベルの元気がなかったのをめぐみが気にして、強いお酒を飲ませることで、その訳を聞き出すことに成功したのだった。
ただ、そのお酒は、エルフのベルフィールにとっても強すぎて、食事を十分摂る前に、寝てしまった。
「あ、そっか、寝ちゃったんだ。……道理で、お腹がペコペコだ」
「ほら……これでもどうだ?」
教頭は、とりあえず皿に一個のおにぎりを載せて渡した。
「んーー。海苔の香りがたまらないなーー。いただきまーーす」
ベルは、大きな口を開けて、かぶりついた。
「お! 何だ、中から甘くて、ジューシーなものが出てきたぞ! 美味いな、この中身、何なの?」
「これか? これは、お前に食べさせようと思って焼いていた豚肉十キロなんだけど、寝てしまったからさ。これをサイコロ状に切り分けて、ショウガ醤油で煮込んだんだ。それから、タレがこぼれないように、軽く油で揚げてある。だからおにぎりに入れても、タレが染みないんだ」
「おおーー、さすがだな、教頭。これは、何個でもいけるわ!」
「そうだと思って、ほら!」
教頭は、山のようにおにぎりが積まれている大皿を見せ、ニンマリと微笑んだ。
そして、ベルも、目が輝き、いつもの元気さを取り戻し、両手におにぎりを持って食べ出した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「なあー、一人で気にするなよ……」
おにぎりも少なくなってきた頃、教頭はそっとベルに言った。
「……ふぐっ……でも、私が頑張らないと、ふぐっ……ここまで来た意味が……ふぐっ……」
ベルは、おにぎりを食べながら、そんなことを言った。
「ここまで来た意味って?……何だよ?……みんなで戦えばいいだろう?……僕達は四人で仲間なんだろう?」
教頭は、少し悲しくなった。確かにベルは強いが、ベルだけに戦いを任せるのは嫌だった。
「ありが……ふぐっ……とう、でも、ふぐっ……私だって、本社への……ふぐっ……プライドが……ふぐっ……」
「あのーベルさん、ベルさん。どうでもいいですけど、しゃべるか、食べるか……どちらかにしてもらえませんか?……分かりづらくて……」
教頭が、コップに水を持ってきて、ベルへ差し出した。
「あ、はい、すみません。ゴクゴク……食べるのに専念します」
「え? 食べるんかい!!!」
今日は、もう遅いので、明日、全員で飛行基地に集まって、続きを話すことにした。
(つづく)
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