校内人事の人手不足で召喚したのは、最強エルフ! 悪には強いが家事には弱く、生活支える隣人教頭!!

根 九里尾

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第6章 メカニック・サマーバケーション

75 はじめての出張? 6 〔チェインジ・フラッシュ・ゴー!〕

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 暗闇の中で、迫りくる『光る熊』の大群を見て、僕は焦った。僕は役に立たない。ベルを助けたくても、何もできないんだ。
 かろうじてベルは、戦える。……でも、この状況なら戦っても苦戦するだけだ。


 どうして僕はダメなんだ!


 あんなにか弱い女性の体形のベルでも、勇敢に敵に向かっているのに…………。





 か弱い女性が…………戦いに……?

 


「あ!……そうか、そうだったんだ!」

 僕は、ジョンに向かって大声で叫んだ!

「ジョン……リモコンだ! アンディスを呼び出すんだ! 急げ、チェンジ・フラッシュ・ゴーだ!」


 震えながら、アンディーと蹲っていたジョンは、こちらに気づいてゆっくりと立ち上がった。
 彼女は、肩から斜めに提げていた小さなショルダーバッグから、変身リモコンを取り出し、右手で高く掲げ、大声で叫んだ。



 ≪アンディス・チェンジ・フラッシュ・ゴーーーー!!!!≫


 その瞬間、隣で震えていたアンディーは、自分の足でしっかりと立ち上がり、両手を上にあげて、ジョンの変身コードを復唱した。


 アンディーの体から迸るようなきれいな七色の光が溢れだした。光の量が増し、アンディ―の姿さえ見えなくしてしまった。
 もちろん、周りにいる僕達も眩しくて目を開けていられなかった。

 十数秒後、光が収まってきた。だが、僕は眩い光で目が慣れていないので、そこで何がどうなったか見ることはできなかった。

 すぐに、かわいらしいアンディスの声が聞こえた。

「チェンジ完了……アンディス参上!………………………きゃっ!」

 なぜか、アンディスは、かわいらしい黄色い悲鳴を上げた。

「どうした? アンディス? 熊か? やっぱりお前も戦えないのか?」

 僕は、何も見えない中、ただ声のする方に向かって叫んだ。アンディーがダメでも、たぶんアンディスなら、ベルと同じように戦えるんじゃないかと思ったんだが……。

「怖いなら無理をするな。危なくないように後ろに下がっていろ!」

 僕は、あきらめてアンディスにそう声を掛けた。ところが、アンディスからの返事は、予想しなかった状況を告げるものだった。

「熊なんか怖くはないのよ!……でも……服が……服が……無いの……スッポンポンなのよ~~」


 え? え? どういうことだ? アンディーは、服を着ていたはず、なのにアンディスになったら、どうしてスッポンポンになるんだ?

「ま、まて。もうすぐ目も慣れてくるから……少し待ってろ!」

「だ~め! 目が慣れたら、見えちゃうじゃないの! 見・な・い・で!」

「え? え? どうしたらいいんだ? また、困ったことになったぞ!」


 とにかく、『光る熊』に囲まれたベルも心配だし、助けを呼んだつもりだったアンディスも動けないし……だんだん、目が慣れてきたぞ……でも、困った……見たらダメなんだよな~





「待たせたな! 総司。今、助けてやる! アンディス、このベルトを腰に巻くんだ!」

「そ、その声は、鎌田センセ!」

 ようやく暗闇の中で、うっすらと白く見える体を見つけることができるようになった僕は、センセが投げたベルトを腰のあたりに巻くアンディスの姿を見てしまった!

「巻いたわよ! これ、どうするの?」

「いいか、赤いボタンを押しながら、『戦闘モード・ゴー』と叫ぶんだ!」

 なんだか、さっきから叫んでばかりだな……センセの趣味かな?


 ≪戦闘モード・ゴーーーーー!≫


 今度は、腰のベルトだけが光った。
 次の瞬間、アンディスの体は、戦うのにふさわしい黒い短いフレアスカート付きのバトルスーツになっていた。
 その頃には、ようやく目も慣れて、暗闇でもアンディスの様子をとらえることができるようになっていた。






「あ! センセ! それにみんなも。酔いは醒めたんですか?」

「あー、すまんな、総司。遅くなって」

「ところで、さっきのはどういう事なんですか?」

 暗闇の中、鎌田センセ、玉佐間さん、高背さんは、僕の近くに集まってきた。

「ん、アンディ―とアンディスは、同一個体じゃ。従って体の大きさもほぼ同じ何だが……こいつが妙なところに拘ってな~」

「ああΣ( ̄□ ̄|||)、先輩ずるいですよ! 人のせいにして。あれはみんなで決めたじゃないですか! アンディスの体は、理想の女性にしようって!」

「そうですよ! 3人で意見を出したら、全員が胸とお尻は大きい方がいいって決まったんですよ!」

 高背さんも妙にこだわっていたが、それと服が無くなるのはどんな関係があるんだ?


「まあな、アンディ―は男性だから、胸もお尻も普通だ。ただ、アンディスに変身したら、表面のイカタコ混合表皮で、一部分だけを大きくするんじゃが、どうしても服のサイズが合わないんじゃ。そこで、服は一旦表皮に格納されるようにしたんだ。そして、別のアイテム(衣装脱着ベルト)で、おおよそ3種類の可変式スーツを再生できるようにした。……………まあ、このベルトを渡し忘れていたんじゃがな……あはははは」


 まったく、おっさんは面倒くさいものに、手間暇かける癖がある。

「よし、これでベルの手伝いを頼めるな! アンディス」
「OKよ! まぁかせてねー!」

 勢いよく、アンディスはベルのところに駆け寄って行った。




「お待たせ、ベルちゃん!」
「ありがとう、アンディスちゃん!」

 2人は、目を見合わせて頷き、『光る熊』達を迎え撃つ体制を整えた!



(つづく)
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