99 / 108
最終章 いつまでも仲間
99 バレンタインの願い 2 〔願い〕
しおりを挟む
もちろん、朝起きるのは、僕の方が早い。朝食の準備があるから。今朝は、どうしてもベルの手がパジャマから離れなかったので、そばで自分の上着を脱ぐしかなかった。
たぶん無意識だとは思うが、その後も、ベルは僕の脱いだパジャマを抱きしめたまま寝ていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「そぅじ~、その甘いお菓子って、いつできるの?」
朝ご飯を食べながら、急にベルは、そんなことを聞いてきた。よっぽど、お菓子が好きなんだと、僕は思った。
「来週のはじめには、できると思うけどなあ~」
「えー? そんなにかかるの? 早く食べたいなあ~そぅじ~」
「まったく食いしん坊だな、べるぅは……」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「メグちゃん、聞いてよ! 今度ねそぅじがね~甘いお菓子作ってくれるって!」
「甘いお菓子?」
後で聞いたのだが、ベルは学校へ行くとすぐにその話をメグミにしたそうだ。メグミは、『すぐにピン!』ときたと言っていたが、そのことはベルには内緒にして話を続けたそうだ。
「ねえねえベルちゃん、キッシーはその甘いお菓子をいつ作ってくれるって言ってた?」
「来週かなあ……」
「そっか、来週か…………。ねえ、ベルちゃん。『バレンタインの願い』って知ってる?」
「え、何? それ?」
「えっとね、簡単に言うとね、女の子が好きな男の子に、手作りチョコレートを作って食べさせると、願いが叶うって言われているのよ! もちろん、願いっていうのは、アレよ!」
「へー、そうなんだ! それって、いつでもいいの?」
「いいや、ダメなのよ。女の子が贈れる日は、2月14日って決まってるの。そして、そのお返しで返事を出せるのが3月14日って決まってるのよ!」
「ふーーん………」
「ねえ、ベルちゃん。あなたも手作りチョコを送ってみたら? 私だって、去年『つよポン』にチョコ贈ったのよ。そしたら、うまくいったでしょ! 結婚できちゃったのよ! ベルちゃんもやってみなさいよ。うまくいくかもだよ!」
「……う、ううん……でも、あたし……もうすぐ…………」
「何言ってんの! そんな先の事なんて、考えないの! 思った通りにやってごらんなさいよ! 応援するからさ!!」
「…………うん! 頑張ってみるよ!」
「よーし、それじゃあ今度の日曜日に、キッシーに手作りチョコレートのやり方を教わりましょう!」
「え? そぅじに教わるの?」
「そうよ、だって、ベルちゃんはお料理で全然ダメでしょ……。キッシーに教わればバッチリよ! 大丈夫、キッシーには私がうまく頼んでおくから、心配しないで!」
そんな話がまとまった後、メグミは僕のところにやって来た。メグミの案なので、計画はうまく進むように思われたのだが……
(つづく)
たぶん無意識だとは思うが、その後も、ベルは僕の脱いだパジャマを抱きしめたまま寝ていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「そぅじ~、その甘いお菓子って、いつできるの?」
朝ご飯を食べながら、急にベルは、そんなことを聞いてきた。よっぽど、お菓子が好きなんだと、僕は思った。
「来週のはじめには、できると思うけどなあ~」
「えー? そんなにかかるの? 早く食べたいなあ~そぅじ~」
「まったく食いしん坊だな、べるぅは……」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「メグちゃん、聞いてよ! 今度ねそぅじがね~甘いお菓子作ってくれるって!」
「甘いお菓子?」
後で聞いたのだが、ベルは学校へ行くとすぐにその話をメグミにしたそうだ。メグミは、『すぐにピン!』ときたと言っていたが、そのことはベルには内緒にして話を続けたそうだ。
「ねえねえベルちゃん、キッシーはその甘いお菓子をいつ作ってくれるって言ってた?」
「来週かなあ……」
「そっか、来週か…………。ねえ、ベルちゃん。『バレンタインの願い』って知ってる?」
「え、何? それ?」
「えっとね、簡単に言うとね、女の子が好きな男の子に、手作りチョコレートを作って食べさせると、願いが叶うって言われているのよ! もちろん、願いっていうのは、アレよ!」
「へー、そうなんだ! それって、いつでもいいの?」
「いいや、ダメなのよ。女の子が贈れる日は、2月14日って決まってるの。そして、そのお返しで返事を出せるのが3月14日って決まってるのよ!」
「ふーーん………」
「ねえ、ベルちゃん。あなたも手作りチョコを送ってみたら? 私だって、去年『つよポン』にチョコ贈ったのよ。そしたら、うまくいったでしょ! 結婚できちゃったのよ! ベルちゃんもやってみなさいよ。うまくいくかもだよ!」
「……う、ううん……でも、あたし……もうすぐ…………」
「何言ってんの! そんな先の事なんて、考えないの! 思った通りにやってごらんなさいよ! 応援するからさ!!」
「…………うん! 頑張ってみるよ!」
「よーし、それじゃあ今度の日曜日に、キッシーに手作りチョコレートのやり方を教わりましょう!」
「え? そぅじに教わるの?」
「そうよ、だって、ベルちゃんはお料理で全然ダメでしょ……。キッシーに教わればバッチリよ! 大丈夫、キッシーには私がうまく頼んでおくから、心配しないで!」
そんな話がまとまった後、メグミは僕のところにやって来た。メグミの案なので、計画はうまく進むように思われたのだが……
(つづく)
0
あなたにおすすめの小説
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』
チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。
その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。
「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」
そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!?
のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。
趣味で人助けをしていたギルマス、気付いたら愛の重い最強メンバーに囲まれていた
歩く魚
ファンタジー
働きたくない元社畜、異世界で見つけた最適解は――「助成金で生きる」ことだった。
剣と魔法の世界に転生したシンは、冒険者として下積みを積み、ついに夢を叶える。
それは、国家公認の助成金付き制度――ギルド経営によって、働かずに暮らすこと。
そして、その傍で自らの歪んだ性癖を満たすため、誰に頼まれたわけでもない人助けを続けていたがーー
「ご命令と解釈しました、シン様」
「……あなたの命、私に預けてくれるんでしょ?」
次第にギルドには、主人公に執着するメンバーたちが集まり始め、気がつけばギルドは、愛の重い最強集団になっていた。
スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~
みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった!
無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。
追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。
異世界帰りの俺、現代日本にダンジョンが出現したので異世界経験を売ったり配信してみます
内田ヨシキ
ファンタジー
「あの魔物の倒し方なら、30万円で売るよ!」
――これは、現代日本にダンジョンが出現して間もない頃の物語。
カクヨムにて先行連載中です!
(https://kakuyomu.jp/works/16818023211703153243)
異世界で名を馳せた英雄「一条 拓斗(いちじょう たくと)」は、現代日本に帰還したはいいが、異世界で鍛えた魔力も身体能力も失われていた。
残ったのは魔物退治の経験や、魔法に関する知識、異世界言語能力など現代日本で役に立たないものばかり。
一般人として生活するようになった拓斗だったが、持てる能力を一切活かせない日々は苦痛だった。
そんな折、現代日本に迷宮と魔物が出現。それらは拓斗が異世界で散々見てきたものだった。
そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。
異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。
やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。
さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。
そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた
ぐうのすけ
ファンタジー
カクヨムで先行投稿中。
遊戯遊太(25)は会社帰りにふらっとゲームセンターに入った。昔遊んだユーフォーキャッチャーを見つめながらつぶやく。
「遊んで暮らしたい」その瞬間に頭に声が響き時間が止まる。
「異世界転生に興味はありますか?」
こうして遊太は異世界転生を選択する。
異世界に転生すると最弱と言われるジョブ、遊び人に転生していた。
「最弱なんだから努力は必要だよな!」
こうして雄太は修行を開始するのだが……
ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる