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第2章 友情の証〔三成実の視点〕
08 第3話 三成実のチカラ
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あたしは、上杉三成実。上杉電器商会の一人娘なの。町の小さな電器屋さんなんだけど、おじいちゃんが作った大事なお店なの。
おじいちゃんは、とっても機械が好きで、小さい頃からいろんな発明をしてたって聞いたわ。だから、この電器屋も町で最初におじいちゃんが作ったらしいの。
あたしは、そんなおじいちゃんが大好きだった。小さい頃は、いっつもおじいちゃんと遊んでたんだって。
でも、優しいおじいちゃんの顔は覚えているけど、あんまり遊んだ記憶は残ってないの。だって、いっつもおじいちゃんと一緒にいたのは、好きな機械に触れるからだったんだもん。
そうなの、あたしもおじいちゃんと同じで、小さい頃からいろんな機械に触るのが好きだったわ。
お母さんには、よく笑われたな。「あなたに機械を持たせると、すぐに壊されちゃうわ」って。
「なあ、お前、三成実は大丈夫か? もう丸1日も寝たままだぞ」
「平気よ、あなた。どうせ、機械に夢中になって寝てないんだから、今まとめて寝てるだけよ。小さい頃、よくあったじゃない」
「うん、まあな。よくおやじと一緒に機械に夢中になってたっけ」
「おじいちゃんに似たのかしらのねえ。おじいちゃんも機械に詳しけど、ミーちゃんも凄かったわ」
「そう言えば、お前、いつも笑ってたなあ」
「だって、仕方無いじゃない。ミーちゃんが、何でも分解するのよ。でも、組み立て直すと違う機械になるんだもん。目覚まし時計を分解して、録音機を作っちゃったりしてたわよね」
「そうだったな。そして、目覚まし時計にお前の声を入れて、ベルの代わりにお母さんに起こしてもらうんだとか言ってたなあ」
「掃除機を分解した時は、ホントびっくりしちゃった。組み立て直した掃除機は、何でも吸い込むのよ。でも、吸い込んだゴミは、中できちんと分別されて保存されてるの。捨てるのが楽だったわ」
「そんなこともあったなあ。こんな可愛い寝顔なのに、やることは凄いんだから、俺も驚くよ。きっと、何にでも興味をもって、とことん追求する気持ちを大切にした、母さんのお陰だと思うよ」
「何言ってんですか。あなただって、好きな電器屋に一生懸命じゃない。だからミーちゃんだって、NASAの研究室に誘われたのに、断ってあなたの電器屋さんに就職したんじゃない。ミーちゃんはあなたの電器屋さんの方が楽しいって言ってたわよ。大学の教授が、もったいないって言ってたけど、ミーちゃんには関係ないことみたいね」
「俺は、別にどこへ就職しても構わない、好きなようにしなさいって言ったんだぞ」
「そうよ、ミーちゃんは、好きなようにしたの。きちんと自分で選んで就職したのよ」
「そうなのかなあ。……ところで、こんなに眠りっぱなしで大丈夫なのか?」
「大丈夫よ、もうすぐできるわ……」
「……クン、クン……お、これは三成実の大好きなカレーだな」
「この匂いで起きない訳ないじゃない」
あたしは、夢の中に居たかもしれない。あの優しいおじいちゃんの顔が見えた。……それから、なんだか懐かしい匂いがしたの。
お腹が空いたような感じ……。
体に力が入るわ、手足を思いっきり伸ばしたくなる……。
「……ん!……あ! ああ~ああ、んんんーん…………」
思いっきり大きな伸びをして、あたしはソファーから起き上った。
「いい匂い……」
甘いカレーの匂いがした。
「ん? 母さん、カレーなの?」
「お腹空いたでしょ」
「うん……もうペコペコ」
「じゃあ、早く顔洗ってきなさい。目が覚めるわよ!」
「うん!」
あたしは、重たい体をゆっくりと持ち上げ、洗面所に向かった。何だか、体はとても疲れているような感じだけど、気持ちはとても晴れ晴れとして爽やかだったの。
(つづく)
おじいちゃんは、とっても機械が好きで、小さい頃からいろんな発明をしてたって聞いたわ。だから、この電器屋も町で最初におじいちゃんが作ったらしいの。
あたしは、そんなおじいちゃんが大好きだった。小さい頃は、いっつもおじいちゃんと遊んでたんだって。
でも、優しいおじいちゃんの顔は覚えているけど、あんまり遊んだ記憶は残ってないの。だって、いっつもおじいちゃんと一緒にいたのは、好きな機械に触れるからだったんだもん。
そうなの、あたしもおじいちゃんと同じで、小さい頃からいろんな機械に触るのが好きだったわ。
お母さんには、よく笑われたな。「あなたに機械を持たせると、すぐに壊されちゃうわ」って。
「なあ、お前、三成実は大丈夫か? もう丸1日も寝たままだぞ」
「平気よ、あなた。どうせ、機械に夢中になって寝てないんだから、今まとめて寝てるだけよ。小さい頃、よくあったじゃない」
「うん、まあな。よくおやじと一緒に機械に夢中になってたっけ」
「おじいちゃんに似たのかしらのねえ。おじいちゃんも機械に詳しけど、ミーちゃんも凄かったわ」
「そう言えば、お前、いつも笑ってたなあ」
「だって、仕方無いじゃない。ミーちゃんが、何でも分解するのよ。でも、組み立て直すと違う機械になるんだもん。目覚まし時計を分解して、録音機を作っちゃったりしてたわよね」
「そうだったな。そして、目覚まし時計にお前の声を入れて、ベルの代わりにお母さんに起こしてもらうんだとか言ってたなあ」
「掃除機を分解した時は、ホントびっくりしちゃった。組み立て直した掃除機は、何でも吸い込むのよ。でも、吸い込んだゴミは、中できちんと分別されて保存されてるの。捨てるのが楽だったわ」
「そんなこともあったなあ。こんな可愛い寝顔なのに、やることは凄いんだから、俺も驚くよ。きっと、何にでも興味をもって、とことん追求する気持ちを大切にした、母さんのお陰だと思うよ」
「何言ってんですか。あなただって、好きな電器屋に一生懸命じゃない。だからミーちゃんだって、NASAの研究室に誘われたのに、断ってあなたの電器屋さんに就職したんじゃない。ミーちゃんはあなたの電器屋さんの方が楽しいって言ってたわよ。大学の教授が、もったいないって言ってたけど、ミーちゃんには関係ないことみたいね」
「俺は、別にどこへ就職しても構わない、好きなようにしなさいって言ったんだぞ」
「そうよ、ミーちゃんは、好きなようにしたの。きちんと自分で選んで就職したのよ」
「そうなのかなあ。……ところで、こんなに眠りっぱなしで大丈夫なのか?」
「大丈夫よ、もうすぐできるわ……」
「……クン、クン……お、これは三成実の大好きなカレーだな」
「この匂いで起きない訳ないじゃない」
あたしは、夢の中に居たかもしれない。あの優しいおじいちゃんの顔が見えた。……それから、なんだか懐かしい匂いがしたの。
お腹が空いたような感じ……。
体に力が入るわ、手足を思いっきり伸ばしたくなる……。
「……ん!……あ! ああ~ああ、んんんーん…………」
思いっきり大きな伸びをして、あたしはソファーから起き上った。
「いい匂い……」
甘いカレーの匂いがした。
「ん? 母さん、カレーなの?」
「お腹空いたでしょ」
「うん……もうペコペコ」
「じゃあ、早く顔洗ってきなさい。目が覚めるわよ!」
「うん!」
あたしは、重たい体をゆっくりと持ち上げ、洗面所に向かった。何だか、体はとても疲れているような感じだけど、気持ちはとても晴れ晴れとして爽やかだったの。
(つづく)
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