みょんちゃんが奏でる虹色のメロディー ~皆で紡ぐ、楽しい学校と素敵な町並み~

根 九里尾

文字の大きさ
8 / 98
第2章 友情の証〔三成実の視点〕

08 第3話 三成実のチカラ

しおりを挟む
 あたしは、上杉三成実うえすぎ みなみ。上杉電器商会の一人娘なの。町の小さな電器屋さんなんだけど、おじいちゃんが作った大事なお店なの。
 おじいちゃんは、とっても機械が好きで、小さい頃からいろんな発明をしてたって聞いたわ。だから、この電器屋も町で最初におじいちゃんが作ったらしいの。

 あたしは、そんなおじいちゃんが大好きだった。小さい頃は、いっつもおじいちゃんと遊んでたんだって。
 でも、優しいおじいちゃんの顔は覚えているけど、あんまり遊んだ記憶は残ってないの。だって、いっつもおじいちゃんと一緒にいたのは、好きな機械に触れるからだったんだもん。


 そうなの、あたしもおじいちゃんと同じで、小さい頃からいろんな機械に触るのが好きだったわ。
 お母さんには、よく笑われたな。「あなたに機械を持たせると、すぐに壊されちゃうわ」って。










「なあ、お前、三成実は大丈夫か? もう丸1日も寝たままだぞ」

「平気よ、あなた。どうせ、機械に夢中になって寝てないんだから、今まとめて寝てるだけよ。小さい頃、よくあったじゃない」
「うん、まあな。よくおやじと一緒に機械に夢中になってたっけ」

「おじいちゃんに似たのかしらのねえ。おじいちゃんも機械に詳しけど、ミーちゃんも凄かったわ」
「そう言えば、お前、いつも笑ってたなあ」

「だって、仕方無いじゃない。ミーちゃんが、何でも分解するのよ。でも、組み立て直すと違う機械になるんだもん。目覚まし時計を分解して、録音機を作っちゃったりしてたわよね」
「そうだったな。そして、目覚まし時計にお前の声を入れて、ベルの代わりにお母さんに起こしてもらうんだとか言ってたなあ」


「掃除機を分解した時は、ホントびっくりしちゃった。組み立て直した掃除機は、何でも吸い込むのよ。でも、吸い込んだゴミは、中できちんと分別されて保存されてるの。捨てるのが楽だったわ」
「そんなこともあったなあ。こんな可愛い寝顔なのに、やることは凄いんだから、俺も驚くよ。きっと、何にでも興味をもって、とことん追求する気持ちを大切にした、母さんのお陰だと思うよ」

「何言ってんですか。あなただって、好きな電器屋に一生懸命じゃない。だからミーちゃんだって、NASAの研究室に誘われたのに、断ってあなたの電器屋さんに就職したんじゃない。ミーちゃんはあなたの電器屋さんの方が楽しいって言ってたわよ。大学の教授が、もったいないって言ってたけど、ミーちゃんには関係ないことみたいね」

「俺は、別にどこへ就職しても構わない、好きなようにしなさいって言ったんだぞ」
「そうよ、ミーちゃんは、好きなようにしたの。きちんと自分で選んで就職したのよ」

「そうなのかなあ。……ところで、こんなに眠りっぱなしで大丈夫なのか?」
 

「大丈夫よ、もうすぐできるわ……」
「……クン、クン……お、これは三成実の大好きなカレーだな」
「この匂いで起きない訳ないじゃない」








 あたしは、夢の中に居たかもしれない。あの優しいおじいちゃんの顔が見えた。……それから、なんだか懐かしい匂いがしたの。

 お腹が空いたような感じ……。

 体に力が入るわ、手足を思いっきり伸ばしたくなる……。

「……ん!……あ! ああ~ああ、んんんーん…………」
 
 思いっきり大きな伸びをして、あたしはソファーから起き上った。

「いい匂い……」

 甘いカレーの匂いがした。

「ん? 母さん、カレーなの?」
「お腹空いたでしょ」
「うん……もうペコペコ」
「じゃあ、早く顔洗ってきなさい。目が覚めるわよ!」

「うん!」

 あたしは、重たい体をゆっくりと持ち上げ、洗面所に向かった。何だか、体はとても疲れているような感じだけど、気持ちはとても晴れ晴れとして爽やかだったの。



(つづく)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

アガルタ・クライシス ―接点―

来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。 九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。 同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。 不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。 古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

処理中です...