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第4章 未来へと吹く風〔北野先生の視点〕
15 第1話 謎が待ってる?
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====主な登場人物====
◆北野 大地(きたの だいち)男 5年3組担任 23歳(新米先生)
◆上杉 三成実(うえすぎ みなみ)女 23歳(上杉電器商会)
◆岡崎 志津奈(おかざき しずな)女 5年3組(岡崎医院)
◆中村 太郎(なかむら たろう)男 5年3組(八百屋)
==============
虹ヶ丘小学校は、今年で開校101年目になる。4月には、あのウィルスによって学校閉鎖を余儀なくされたが、ようやく世間も落ち着きを見せ、夏休みを終えることができた。
僕は、5年3組担任の北野大地。ようやく普通の夏休みを過ごし、今日から2学期が始まろうとしている。また、みんなに会えるんだ。
「えー、みなさん、今日から2学期です。また、元気に勉強しよう。それに、夏休みの自由研究も楽しみですね」
うちの学校は、宿題が無い代わりに、自分で課題を見つけて、いろんなことを調べてまとめることが、夏休みの課題なんだ。だから、一人一人の個性がすごく発揮できる場といってもいいかもしれない。
「まかせてよ。先生!」
「見て、びっくりの研究ができたんだよーー」
「日本一の発見だぞーー」
・・・
・・・
・・・
5年3組の子達は、みんな、自分の自由研究に自信をもち、夏休みを有意義に過ごしていたことがわかるんだ。
「あのー北野先生……」
「うん? どうしたんだ? 太郎、志津奈、2人でなんて、珍しいな……」
「えーっと、自由研究のことで……放課後ちょっと、相談したいことがあるんですが、いいですか?」
「どこか、直したいのかな?……君達は、共同研究したのかな?……帰りの会が終わったら見てあげるよ……」
「「はい、お願いします!」」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「……さあ、みんな帰ったぞ。どこを直すのかな?」
「……先生……これ……持ってますよね?」
彼らは、1本の鉛筆を僕に見せた。
「……何のことだい?」
その鉛筆が何を表しているのか、僕にはさっぱり分からなかった。それよりも、不思議に思ったのは、いつもは優しい笑顔を見せる志津奈と太郎が、ニコリともせず、少しきつい口調で自分に迫って来ていることだった。
何か、あったのか? 自分には心あたりは無いが……。
「な、何のことかな……?」
僕は、少しドキドキしてしまった。
「私、見たんです。……先生のペンケースに、これと同じものを」
志津奈は、真面目な顔で僕のペンケースを指差した。
「あーなーーんだ、これか~~。こめんな~。すっかり忘れてたよ。拾ったものは、きちんと届けなくっちゃだめだよな。ごめんな~、この鉛筆、君達のものなのかい?」
あの鉛筆、そうあの夜ただ一度光った鉛筆を僕は自分のペンケースに入れていたんだ。僕はただの落とし物だと思って、そのうち学級のみんなにも聞いてみようと思っていたんだ。
「別にいいんです。……そんなことじゃありません」
志津奈は、まだ表情を崩さず、ゆっくりと話を続けた。
「それに、その三角軸の鉛筆は、北野先生のものだから、届ける必要はないんです」
と、はっきりと断言した。
「え?……だって、これは、道路に…………」
僕は、びっくりした。え? この鉛筆が自分のもの?
「先生、それを正しく持ってみてください」
かまわず、志津奈は、鉛筆を手に取って渡した。
僕は、言われるままに、親指と人差し指で挟み、クルリンパと回し、正しい持ち方で鉛筆を手にした。すると、その三角軸の鉛筆から緑の光が、飛び出して来た。そう、あの夜と同じ色の光だった。
「先生、ちょっと貸してください」
今度は、その光輝く鉛筆を志津奈が自分の手に持ち替えた。すると、まぶしかったあの光が、すーっと消えてしまったのだ。
「先生、この現象は、すべての人に当てはまるんです。この三角軸の鉛筆は、自分のものでないと正しく光らないんです。私と太郎君は、このことを調べるのに、夏休みの半分を使いました。………これが、私達の“夏休みの自由研究”なんです」
志津奈と太郎は、最後まで真面目な顔で締めくくった。
「へーそうなんだ。よく調べたな………………!!!!!ってててて……おい! おい!おい!……なんだって!!! と、いうことは、他にもこの鉛筆を持っている人がいるということかい? 誰なんだい? この鉛筆は何なんだい? 君達は、何を知っているんだい?」
2人は、ここで、ようやくニッコリ笑ってくれた。
「先生、今度の日曜日、上杉電器商会に来て下いね! そこで、自由研究の続きをしますからね! 気になるでしょ? ただし、他の人にはヒミツですよ。しゃべったら、この鉛筆のことは教えてあげないですからね!! うふっ」
あの志津奈が、いつものお茶目な笑顔で笑った。でも、話の内容はまるで想像がつかないもので、僕はまともな返事すらできなかったんだ。
僕は、何がなんだかわからないまま、約束だけさせられた。ただ、何となく好奇心が沸き上がって来るのを感じてしまった。
(つづく)
◆北野 大地(きたの だいち)男 5年3組担任 23歳(新米先生)
◆上杉 三成実(うえすぎ みなみ)女 23歳(上杉電器商会)
◆岡崎 志津奈(おかざき しずな)女 5年3組(岡崎医院)
◆中村 太郎(なかむら たろう)男 5年3組(八百屋)
==============
虹ヶ丘小学校は、今年で開校101年目になる。4月には、あのウィルスによって学校閉鎖を余儀なくされたが、ようやく世間も落ち着きを見せ、夏休みを終えることができた。
僕は、5年3組担任の北野大地。ようやく普通の夏休みを過ごし、今日から2学期が始まろうとしている。また、みんなに会えるんだ。
「えー、みなさん、今日から2学期です。また、元気に勉強しよう。それに、夏休みの自由研究も楽しみですね」
うちの学校は、宿題が無い代わりに、自分で課題を見つけて、いろんなことを調べてまとめることが、夏休みの課題なんだ。だから、一人一人の個性がすごく発揮できる場といってもいいかもしれない。
「まかせてよ。先生!」
「見て、びっくりの研究ができたんだよーー」
「日本一の発見だぞーー」
・・・
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・・・
5年3組の子達は、みんな、自分の自由研究に自信をもち、夏休みを有意義に過ごしていたことがわかるんだ。
「あのー北野先生……」
「うん? どうしたんだ? 太郎、志津奈、2人でなんて、珍しいな……」
「えーっと、自由研究のことで……放課後ちょっと、相談したいことがあるんですが、いいですか?」
「どこか、直したいのかな?……君達は、共同研究したのかな?……帰りの会が終わったら見てあげるよ……」
「「はい、お願いします!」」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「……さあ、みんな帰ったぞ。どこを直すのかな?」
「……先生……これ……持ってますよね?」
彼らは、1本の鉛筆を僕に見せた。
「……何のことだい?」
その鉛筆が何を表しているのか、僕にはさっぱり分からなかった。それよりも、不思議に思ったのは、いつもは優しい笑顔を見せる志津奈と太郎が、ニコリともせず、少しきつい口調で自分に迫って来ていることだった。
何か、あったのか? 自分には心あたりは無いが……。
「な、何のことかな……?」
僕は、少しドキドキしてしまった。
「私、見たんです。……先生のペンケースに、これと同じものを」
志津奈は、真面目な顔で僕のペンケースを指差した。
「あーなーーんだ、これか~~。こめんな~。すっかり忘れてたよ。拾ったものは、きちんと届けなくっちゃだめだよな。ごめんな~、この鉛筆、君達のものなのかい?」
あの鉛筆、そうあの夜ただ一度光った鉛筆を僕は自分のペンケースに入れていたんだ。僕はただの落とし物だと思って、そのうち学級のみんなにも聞いてみようと思っていたんだ。
「別にいいんです。……そんなことじゃありません」
志津奈は、まだ表情を崩さず、ゆっくりと話を続けた。
「それに、その三角軸の鉛筆は、北野先生のものだから、届ける必要はないんです」
と、はっきりと断言した。
「え?……だって、これは、道路に…………」
僕は、びっくりした。え? この鉛筆が自分のもの?
「先生、それを正しく持ってみてください」
かまわず、志津奈は、鉛筆を手に取って渡した。
僕は、言われるままに、親指と人差し指で挟み、クルリンパと回し、正しい持ち方で鉛筆を手にした。すると、その三角軸の鉛筆から緑の光が、飛び出して来た。そう、あの夜と同じ色の光だった。
「先生、ちょっと貸してください」
今度は、その光輝く鉛筆を志津奈が自分の手に持ち替えた。すると、まぶしかったあの光が、すーっと消えてしまったのだ。
「先生、この現象は、すべての人に当てはまるんです。この三角軸の鉛筆は、自分のものでないと正しく光らないんです。私と太郎君は、このことを調べるのに、夏休みの半分を使いました。………これが、私達の“夏休みの自由研究”なんです」
志津奈と太郎は、最後まで真面目な顔で締めくくった。
「へーそうなんだ。よく調べたな………………!!!!!ってててて……おい! おい!おい!……なんだって!!! と、いうことは、他にもこの鉛筆を持っている人がいるということかい? 誰なんだい? この鉛筆は何なんだい? 君達は、何を知っているんだい?」
2人は、ここで、ようやくニッコリ笑ってくれた。
「先生、今度の日曜日、上杉電器商会に来て下いね! そこで、自由研究の続きをしますからね! 気になるでしょ? ただし、他の人にはヒミツですよ。しゃべったら、この鉛筆のことは教えてあげないですからね!! うふっ」
あの志津奈が、いつものお茶目な笑顔で笑った。でも、話の内容はまるで想像がつかないもので、僕はまともな返事すらできなかったんだ。
僕は、何がなんだかわからないまま、約束だけさせられた。ただ、何となく好奇心が沸き上がって来るのを感じてしまった。
(つづく)
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