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第5章 ありふれた日常の変化
47 第5章第10話 南中子の決意!
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*******5年前の上杉家*******
「……おねえーーーちゃーーーん……おねえーーーちゃーーーん………」
その日、南中子は病院のベッドに縋り付いて泣いていた。救急車で運ばれた布礼愛は、すでに心臓も止まっていたのだ。
家族は、警察から連絡を受け、急いで病院に駆け付けたが、そこにはベッドに横たわる布礼愛がいた。
とても安らかな寝顔に見えたが、すでに冷たくなっていた。
「どうしてーー? どうするの? ……ねえ! おねえちゃーん? ……ねえってばーー!」
泣きながら冷たくなった姉の手を握り、問い詰める南中子だったが、小学校6年生の彼女にはそれ位しか掛ける言葉が見つからなかった。
両親も目にいっぱい涙を溜めていたが、静かに布礼愛の寝顔を見つめるだけだった。
母は、それでも南中子をしっかりと抱きしめ、姉に縋り付く妹を支えていたのだった。
「ナッチャン? ナッチャン!……そろそろお姉ちゃんを休ませてあげましょう? きっと、いっぱい研究して疲れているのよ。……ねえ、ゆっくり……静かに……う、ウッ……ウウッ……」
「なあ、南中子……布礼愛を安心させてあげよう……なあ……僕達ができるのは、それだけだよ……」
父親も優しく南中子に声を掛け、2人を後ろから抱きしめたのだった。
****************
南中子は、その日、泣きながら一晩中考えた。『自分が何をすれば、お姉ちゃんは安心するんだろう?』と……。
「そうか! わかった! ……やるよ、お姉ちゃん! ……わたし、やるからね!」
南中子は、それから人が変わったように勉強に集中した。それまでも、自分で勉強はしていたが、必ず難しい勉強になると姉が助けてくれた。
でも、これからは全部自分でやらなければならないと思うと、必死さは違ってきた。
クールな南中子になったのは、その頃からだった。使う言葉も変えた。いつも力強く、自分の考えをしっかり表現するようになった。
友達は作らず、いつも姉の研究を追い駆けるような勉強をしていた。体も鍛えた。どんなことにも負けない体と心を目指したのだ。
*******1年前の南中子******
そして、とうとう念願の虹ノ森高校に入学した。姉の研究室があったあの高校に通えることになったのだ。
ところが………
「え? ……どうして? ……無いの? ……先生、この学校には地球温暖研究室があったはずなのに! なぜなんですか?」
入学式の日、南中子は担任の先生に問い詰めた。
「んー。僕は知らないなあ~。そう言えば、ずっと昔はそんな研究室があったって言ってた先生もいたけど、今じゃそんな研究をする部すら無いと思うよ……。あきらめて、テニス部にでも入ったら? 君、体も鍛えていそうだし、いい選手になるんじゃないかな?」
南中子は、歯を食いしばって担任の顔を睨んで吐き捨てるように言った。
「わたしは、1人でもやりますから!」
(つづく)
「……おねえーーーちゃーーーん……おねえーーーちゃーーーん………」
その日、南中子は病院のベッドに縋り付いて泣いていた。救急車で運ばれた布礼愛は、すでに心臓も止まっていたのだ。
家族は、警察から連絡を受け、急いで病院に駆け付けたが、そこにはベッドに横たわる布礼愛がいた。
とても安らかな寝顔に見えたが、すでに冷たくなっていた。
「どうしてーー? どうするの? ……ねえ! おねえちゃーん? ……ねえってばーー!」
泣きながら冷たくなった姉の手を握り、問い詰める南中子だったが、小学校6年生の彼女にはそれ位しか掛ける言葉が見つからなかった。
両親も目にいっぱい涙を溜めていたが、静かに布礼愛の寝顔を見つめるだけだった。
母は、それでも南中子をしっかりと抱きしめ、姉に縋り付く妹を支えていたのだった。
「ナッチャン? ナッチャン!……そろそろお姉ちゃんを休ませてあげましょう? きっと、いっぱい研究して疲れているのよ。……ねえ、ゆっくり……静かに……う、ウッ……ウウッ……」
「なあ、南中子……布礼愛を安心させてあげよう……なあ……僕達ができるのは、それだけだよ……」
父親も優しく南中子に声を掛け、2人を後ろから抱きしめたのだった。
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南中子は、その日、泣きながら一晩中考えた。『自分が何をすれば、お姉ちゃんは安心するんだろう?』と……。
「そうか! わかった! ……やるよ、お姉ちゃん! ……わたし、やるからね!」
南中子は、それから人が変わったように勉強に集中した。それまでも、自分で勉強はしていたが、必ず難しい勉強になると姉が助けてくれた。
でも、これからは全部自分でやらなければならないと思うと、必死さは違ってきた。
クールな南中子になったのは、その頃からだった。使う言葉も変えた。いつも力強く、自分の考えをしっかり表現するようになった。
友達は作らず、いつも姉の研究を追い駆けるような勉強をしていた。体も鍛えた。どんなことにも負けない体と心を目指したのだ。
*******1年前の南中子******
そして、とうとう念願の虹ノ森高校に入学した。姉の研究室があったあの高校に通えることになったのだ。
ところが………
「え? ……どうして? ……無いの? ……先生、この学校には地球温暖研究室があったはずなのに! なぜなんですか?」
入学式の日、南中子は担任の先生に問い詰めた。
「んー。僕は知らないなあ~。そう言えば、ずっと昔はそんな研究室があったって言ってた先生もいたけど、今じゃそんな研究をする部すら無いと思うよ……。あきらめて、テニス部にでも入ったら? 君、体も鍛えていそうだし、いい選手になるんじゃないかな?」
南中子は、歯を食いしばって担任の顔を睨んで吐き捨てるように言った。
「わたしは、1人でもやりますから!」
(つづく)
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