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第5章 ありふれた日常の変化
64 第5章第27話 特別限定新作水着?
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「痛って~よ! マナ……::>_<::……」
「ウッサイわよ! アッツ! こんど変なこと想像したら、電撃だからね!」
「え? マナ? いつから鬼娘になったの?」
「何、言っての? あたしは、レベル5なのよ! この10円玉が見えないの?」
「ひぇええーーお許しをーーー」
「う、うう、オッホン……あのーお客様? そろそろ、話し掛けてもよろしいでしょうか?」
ちょっと困った顔で、アッツとマナの会話に割って入ったのは、店長さんだった。
「あ、ああ、あはははは……だ、大丈夫っす」
「それでは、今回、『特別限定チラシ』をお持ちのお客様におススメする商品をご覧にいれます。どうぞ、ご自由に試着していただいてかまいません。なお、このビップルームは貸し切りでございますので、他のお客様はいらっしゃいませんから、ゆっくりお楽しみください」
「アッツ? 何よ、これ? あたし達ビップなの? そんなにお金持ってないわよ! すっごく高いんじゃないの?」
小さい声で真夏美が、熱太郎に詰め寄ると、脇から店長さんが口を挟んだ。
「あ! お客様、どうかご予算の方は、お気になさらないでください。お買い上げは、お一人様1品までは完全に無料になっております」
「え? え? む、む、無料ですって?」
「マナ、マナ、そんなにびっくりしなくていいからさ」
「何よ、アッツは知ってたの?」
「だって、オレは無料になるから、早起きして開店に間に合う様に並んだんだぜ!」
「へーーー。そういうところは、褒めてつかわす!」
「へへへーーーえ!」
「えっと、う、う、オッホン! あのですね、うちの店が完全水着販売に切り替えて、今年で50年になるんです。それを記念しての50名様限定の特別感謝祭なんです」
「そっか、人類が日常も水着で生活するようになって、もう50年にもなるんですね……」
「オレなんか、マナが水着でいるのが普通なんだけど、昔の人はスカートとかいう物を履いてたり、ブラウスというものを着てたりしたんだってな。この間、町の資料館に行ったら、展示したあったよ。なんかとっても、ドキドキしたさ~」
「あたしも見たわ! あんな服、とっても恥ずかしいって思ったのを覚えてる」
「えー、それでは、今回、本社上げて復刻いたしました、新しい水着をどうぞご覧ください!」
ビップルームの奥のカーテンが、勢いく良く開かれると、そこには様々な水……??……水着????……。いや、昔の人が来ていた洋服がずらーーっと収納されていた。見本の何着かは、マネキンが身に付けるようにして展示してあった。
「うわあああああーーーひょおほほほーーー!!」
アッツは、大喜びだったが、マナは口を開けたまま、表情も固まってしまった。
「いかかがですか? お客様? 選んでいただければ、お着替えは手伝わせていただきますから、どうぞご心配なく!」
「……………………」
マナは、まだ、動けないようだった。
「じゃあ、オレが選んであげるね! まず、このスカートっていうの? これにしよっかな~。上は、ブラウス? このピンクのヒラヒラが付いてるのいいかな? じゃ、お願いしまーーす!」
「はい、承知いたしました。さあ、お客様、こちらへ」
「う、うわ、わわわわ…………ああああああ~」
真夏美は動揺したままだったが、店長は気にせず試着室へ連れて行ってしまった。ビップルームなだけあって、試着室も四畳半くらいの広さがあった。
「さ、出来上がりましたよ。こちらに!」
店長は、試着室のカーテンを開けた。
そこには、薄い緑のフレアスカートに、これまた薄いピンクのレース付きのブラウスを身に纏った岡崎真夏美が居た。
「ま、ま、マナ……ポッ!……」
「な、何よ! あ、アッツ。そんなに真っ赤になって! か、風邪でも引いたの?」
「お、お、お前だって、……そ、そのシャツより顔が赤いんだけど!」
「あら~お客様。とーーってもお似合いでございますよ~。本社が開発しました、撥水性100%の薄い生地でできた洋服ですから、理論上は水着になります。昔ながらの形状を維持しながら、現代のミスト社会で着用できるものです。他にもいろいろありますよ。…………あ! もちろん男性用のポロシャツやスラックスもありますので、どうぞご試着を」
「ほら! アッツも着てみなさいよ!」
「あ、ああ、着てやるよ~覚えてろ!」
昔は、ただの洋服だったのだが、現代ではこの洋服こそが、人前で着るには、とっても恥ずかしい思いをするようになってしまったのだった。
アッツもマナも1着ずつ無料で購入したものの、家に帰ったらすぐに箪笥の1番奥にしまって、それ以降身に付けることはなかったのである。
(第5章 完 ・物語はつづく)
「ウッサイわよ! アッツ! こんど変なこと想像したら、電撃だからね!」
「え? マナ? いつから鬼娘になったの?」
「何、言っての? あたしは、レベル5なのよ! この10円玉が見えないの?」
「ひぇええーーお許しをーーー」
「う、うう、オッホン……あのーお客様? そろそろ、話し掛けてもよろしいでしょうか?」
ちょっと困った顔で、アッツとマナの会話に割って入ったのは、店長さんだった。
「あ、ああ、あはははは……だ、大丈夫っす」
「それでは、今回、『特別限定チラシ』をお持ちのお客様におススメする商品をご覧にいれます。どうぞ、ご自由に試着していただいてかまいません。なお、このビップルームは貸し切りでございますので、他のお客様はいらっしゃいませんから、ゆっくりお楽しみください」
「アッツ? 何よ、これ? あたし達ビップなの? そんなにお金持ってないわよ! すっごく高いんじゃないの?」
小さい声で真夏美が、熱太郎に詰め寄ると、脇から店長さんが口を挟んだ。
「あ! お客様、どうかご予算の方は、お気になさらないでください。お買い上げは、お一人様1品までは完全に無料になっております」
「え? え? む、む、無料ですって?」
「マナ、マナ、そんなにびっくりしなくていいからさ」
「何よ、アッツは知ってたの?」
「だって、オレは無料になるから、早起きして開店に間に合う様に並んだんだぜ!」
「へーーー。そういうところは、褒めてつかわす!」
「へへへーーーえ!」
「えっと、う、う、オッホン! あのですね、うちの店が完全水着販売に切り替えて、今年で50年になるんです。それを記念しての50名様限定の特別感謝祭なんです」
「そっか、人類が日常も水着で生活するようになって、もう50年にもなるんですね……」
「オレなんか、マナが水着でいるのが普通なんだけど、昔の人はスカートとかいう物を履いてたり、ブラウスというものを着てたりしたんだってな。この間、町の資料館に行ったら、展示したあったよ。なんかとっても、ドキドキしたさ~」
「あたしも見たわ! あんな服、とっても恥ずかしいって思ったのを覚えてる」
「えー、それでは、今回、本社上げて復刻いたしました、新しい水着をどうぞご覧ください!」
ビップルームの奥のカーテンが、勢いく良く開かれると、そこには様々な水……??……水着????……。いや、昔の人が来ていた洋服がずらーーっと収納されていた。見本の何着かは、マネキンが身に付けるようにして展示してあった。
「うわあああああーーーひょおほほほーーー!!」
アッツは、大喜びだったが、マナは口を開けたまま、表情も固まってしまった。
「いかかがですか? お客様? 選んでいただければ、お着替えは手伝わせていただきますから、どうぞご心配なく!」
「……………………」
マナは、まだ、動けないようだった。
「じゃあ、オレが選んであげるね! まず、このスカートっていうの? これにしよっかな~。上は、ブラウス? このピンクのヒラヒラが付いてるのいいかな? じゃ、お願いしまーーす!」
「はい、承知いたしました。さあ、お客様、こちらへ」
「う、うわ、わわわわ…………ああああああ~」
真夏美は動揺したままだったが、店長は気にせず試着室へ連れて行ってしまった。ビップルームなだけあって、試着室も四畳半くらいの広さがあった。
「さ、出来上がりましたよ。こちらに!」
店長は、試着室のカーテンを開けた。
そこには、薄い緑のフレアスカートに、これまた薄いピンクのレース付きのブラウスを身に纏った岡崎真夏美が居た。
「ま、ま、マナ……ポッ!……」
「な、何よ! あ、アッツ。そんなに真っ赤になって! か、風邪でも引いたの?」
「お、お、お前だって、……そ、そのシャツより顔が赤いんだけど!」
「あら~お客様。とーーってもお似合いでございますよ~。本社が開発しました、撥水性100%の薄い生地でできた洋服ですから、理論上は水着になります。昔ながらの形状を維持しながら、現代のミスト社会で着用できるものです。他にもいろいろありますよ。…………あ! もちろん男性用のポロシャツやスラックスもありますので、どうぞご試着を」
「ほら! アッツも着てみなさいよ!」
「あ、ああ、着てやるよ~覚えてろ!」
昔は、ただの洋服だったのだが、現代ではこの洋服こそが、人前で着るには、とっても恥ずかしい思いをするようになってしまったのだった。
アッツもマナも1着ずつ無料で購入したものの、家に帰ったらすぐに箪笥の1番奥にしまって、それ以降身に付けることはなかったのである。
(第5章 完 ・物語はつづく)
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