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第6章 紡ぐ繋がりの中で
74 第6章第9話 涙の意味は?
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「だって、ウチ知ってるもん! ウチの記憶は、フーちゃんの記憶だもん!」
「……湖路奈……僕は……確かにお前は、彼女の記憶を受け継いでいるけど。……湖路奈は、湖路奈だ! 姿形は同じでも、お前は彼女とは違うんだ!」
「……ゴメン、夏野所長……分かってるの事です! だから、ウチに可愛い猫耳付けてくれたんでしょの事ですよね!」
「……だって、そのままだったら……お前が……あいつに見えて……う、う、うううううう……」
「所長、ゴメンってば……泣かないで……」
夏野所長は、いつの間にか頭を撫でられながら、湖路奈の膝の上で眠ってしまった。 今回の物品移動で、一番疲れたのは、夏野所長だったのかもしれない。
コン コン コン! 「失礼しまあああす!」
「ああ、むっちゃんセンセ!……あ、シー!」
「ん? 所長? 寝ちゃったの?」
「うん、物品移動で、ウチに付いて移動してたから、とっても疲れたの事ですよ」
「そう。しばらく、休ませてあげましょう。ところで、湖路奈ちゃん。あなたは、大丈夫なの?」
「え? 何がですの事ですか? ウチは、アンドロイドだから、平気な事です!」
「うん、体は平気よね。でも、気持ちは大丈夫? 寂しくない?」
「寂しい……って、何? ウチに心は無いの事ですよ」
「嘘! そんなこと無いでしょ! いい? 我慢しなくていいわよ! 寂しくなったら、言うのよ! きっとよ!」
「むっちゃんセンセ……」
ググググ ガッコン ガッコン ガガガガガ ガッコン………………
「え? 何、この音の事ですか?」
「うん、校長先生が、夏野所長の冷却装置内蔵の服飾製造工場をこの校舎の5階に増設したのよ」
「あの工場も移転したの事ですね」
「そうよ。夏野所長は、あの服飾工場で生産されている制服や大人用の水着の売り上げが、温暖化阻止のシステム作りの資金につながるからって、校長先生に頼み込んだの」
「そうなんだ……」
「でもね、わたしには分かるのよ、夏野所長の考えが。彼はね、あの工場が湖路奈さんの負担になっているって分かってるの。だから、もっと全自動で稼働し、管理もAiに任せられる最新式の工場を作りたかったの。そうすれば、湖路奈さんが楽になるからって」
「え? 所長が? どうしての事ですか?」
「決まってるじゃない! 夏野所長は、あなたのことが、大切だからよ!」
「そんなことないの事です! 所長は、ウチのことを通して彼女を見ているの事です!」
「そんなことないでしょ。湖路奈ちゃん! 彼女のことを見ているんだったら、あなたに猫耳なんか付けないでしょ!」
「あ! この猫耳……所長が付けてくれたんだよ! そう言えば、さっきも……」
ポタ
ポタ
ポタ
「湖路奈ちゃん? 泣いてるの?」
「え? ええ? ……涙? ……今まで、嘘泣きはしたことあるけど、涙なんか出たこと無い……のにの事……です………」
胸山先生は、優しく静かに湖路奈の頭を撫でた。
(つづく)
「……湖路奈……僕は……確かにお前は、彼女の記憶を受け継いでいるけど。……湖路奈は、湖路奈だ! 姿形は同じでも、お前は彼女とは違うんだ!」
「……ゴメン、夏野所長……分かってるの事です! だから、ウチに可愛い猫耳付けてくれたんでしょの事ですよね!」
「……だって、そのままだったら……お前が……あいつに見えて……う、う、うううううう……」
「所長、ゴメンってば……泣かないで……」
夏野所長は、いつの間にか頭を撫でられながら、湖路奈の膝の上で眠ってしまった。 今回の物品移動で、一番疲れたのは、夏野所長だったのかもしれない。
コン コン コン! 「失礼しまあああす!」
「ああ、むっちゃんセンセ!……あ、シー!」
「ん? 所長? 寝ちゃったの?」
「うん、物品移動で、ウチに付いて移動してたから、とっても疲れたの事ですよ」
「そう。しばらく、休ませてあげましょう。ところで、湖路奈ちゃん。あなたは、大丈夫なの?」
「え? 何がですの事ですか? ウチは、アンドロイドだから、平気な事です!」
「うん、体は平気よね。でも、気持ちは大丈夫? 寂しくない?」
「寂しい……って、何? ウチに心は無いの事ですよ」
「嘘! そんなこと無いでしょ! いい? 我慢しなくていいわよ! 寂しくなったら、言うのよ! きっとよ!」
「むっちゃんセンセ……」
ググググ ガッコン ガッコン ガガガガガ ガッコン………………
「え? 何、この音の事ですか?」
「うん、校長先生が、夏野所長の冷却装置内蔵の服飾製造工場をこの校舎の5階に増設したのよ」
「あの工場も移転したの事ですね」
「そうよ。夏野所長は、あの服飾工場で生産されている制服や大人用の水着の売り上げが、温暖化阻止のシステム作りの資金につながるからって、校長先生に頼み込んだの」
「そうなんだ……」
「でもね、わたしには分かるのよ、夏野所長の考えが。彼はね、あの工場が湖路奈さんの負担になっているって分かってるの。だから、もっと全自動で稼働し、管理もAiに任せられる最新式の工場を作りたかったの。そうすれば、湖路奈さんが楽になるからって」
「え? 所長が? どうしての事ですか?」
「決まってるじゃない! 夏野所長は、あなたのことが、大切だからよ!」
「そんなことないの事です! 所長は、ウチのことを通して彼女を見ているの事です!」
「そんなことないでしょ。湖路奈ちゃん! 彼女のことを見ているんだったら、あなたに猫耳なんか付けないでしょ!」
「あ! この猫耳……所長が付けてくれたんだよ! そう言えば、さっきも……」
ポタ
ポタ
ポタ
「湖路奈ちゃん? 泣いてるの?」
「え? ええ? ……涙? ……今まで、嘘泣きはしたことあるけど、涙なんか出たこと無い……のにの事……です………」
胸山先生は、優しく静かに湖路奈の頭を撫でた。
(つづく)
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