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第7章 涼しい風を吹かせるために
95 第7章第10話 最終目的地点!
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………………プツッ………………
あれ? 湖路奈ちゃんのスイッチが切れてしまった? 夏野室長もミー先輩も、泣いちゃってるし。……ねえ、みんなどうしちゃったの?
あたしは、恐る恐るミー先輩の傍に行き、後ろからそっと肩に手を置いて尋ねてみた。
「ねえ、ミー先輩?……何があったの? 大丈夫?」
「う、うん。……マナちゃん……。あのね、あのね、お姉ちゃんが……ここに……」
ミー先輩は、そう言うとしっかり手を握って抱えている湖路奈ちゃんを見つめてるの。あたしは、何が何だか訳が分からず、傍にいる夏野室長の背中を軽く突いた。
「室長! 泣いてても分からないの! 何があったのか、あたし達にも教えてよ!」
すると、夏野室長は、真っ赤になった目をまだ擦りながら、さっきから布礼愛さんと話していた中身を教えてくれた。
湖路奈ちゃんの手は、指紋センサーになっていて、あらかじめ決められた人に、大事な研究データを引き継ぐことになっていたんだって!
「そ、それで、研究データは? うっ! ううっ! 引き継げたんですか?」
なぜか、半泣きになっているアッツが、あたしの手を握ってきた。
「ア、アッツ? 何やっての? あたしの手は、指紋認証じゃないわよ!」
「だってさ、だってさ。オレ、マナの手なんて、普段から触ってないからさー。マナだって、手を握って欲しいって、思ってんじゃないかなあって。……うっ…うっ……」
「まったく、あんたはすぐ影響されるんだから……ほら」
あたしは、右手でアッツの頭を撫でながら左手を差し出した。するとアッツは、半べそをかきながら、あたしの左手を大事そうに両手で包んできた。
周りをみると、厚着校長先生はシーセンセの手を、剛毛教頭先生は真黒事務長の手を同じように、大事そうに握っていた。
「あれ? みんなも、何やってんのよ……もう……」
暫くして、夏野室長は、湖路奈ちゃんをミー先輩に託して、自分はサーバーが受け取ったデータを確認するために、壁の計器盤を見ながら、サーバーのモニター画面を操作し出した。
夏野室長は、まだ枯れていない涙を拭きながら、懸命に操作に集中しようとしていることが、見ていても分かった。
湖路奈ちゃんは、未だ目を閉じたままミー先輩に抱きかかえられて、床に横たわっていた。ミー先輩は、自分の膝に湖路奈ちゃんを乗せ、彼女の手をしっかり両手で握り締めたままだった。
それは、また布礼愛さんが、現れてくれるのを祈るようにも見て取れた。
「みんな、聞いてくれ! 今、データ解析が終わったよ。……布礼愛の研究によれば、この10個の氷の結晶から抽出できる冷却エナジーは、ここの地点にセットすればいいことが分かったんだ!」
夏野室長はそう言って、大ホールの巨大な液晶パネルに映し出された世界地図を指さしたの。そこには、世界各地に散らばった10個の赤い印が、眩くも点灯していたわ!
(つづく)
あれ? 湖路奈ちゃんのスイッチが切れてしまった? 夏野室長もミー先輩も、泣いちゃってるし。……ねえ、みんなどうしちゃったの?
あたしは、恐る恐るミー先輩の傍に行き、後ろからそっと肩に手を置いて尋ねてみた。
「ねえ、ミー先輩?……何があったの? 大丈夫?」
「う、うん。……マナちゃん……。あのね、あのね、お姉ちゃんが……ここに……」
ミー先輩は、そう言うとしっかり手を握って抱えている湖路奈ちゃんを見つめてるの。あたしは、何が何だか訳が分からず、傍にいる夏野室長の背中を軽く突いた。
「室長! 泣いてても分からないの! 何があったのか、あたし達にも教えてよ!」
すると、夏野室長は、真っ赤になった目をまだ擦りながら、さっきから布礼愛さんと話していた中身を教えてくれた。
湖路奈ちゃんの手は、指紋センサーになっていて、あらかじめ決められた人に、大事な研究データを引き継ぐことになっていたんだって!
「そ、それで、研究データは? うっ! ううっ! 引き継げたんですか?」
なぜか、半泣きになっているアッツが、あたしの手を握ってきた。
「ア、アッツ? 何やっての? あたしの手は、指紋認証じゃないわよ!」
「だってさ、だってさ。オレ、マナの手なんて、普段から触ってないからさー。マナだって、手を握って欲しいって、思ってんじゃないかなあって。……うっ…うっ……」
「まったく、あんたはすぐ影響されるんだから……ほら」
あたしは、右手でアッツの頭を撫でながら左手を差し出した。するとアッツは、半べそをかきながら、あたしの左手を大事そうに両手で包んできた。
周りをみると、厚着校長先生はシーセンセの手を、剛毛教頭先生は真黒事務長の手を同じように、大事そうに握っていた。
「あれ? みんなも、何やってんのよ……もう……」
暫くして、夏野室長は、湖路奈ちゃんをミー先輩に託して、自分はサーバーが受け取ったデータを確認するために、壁の計器盤を見ながら、サーバーのモニター画面を操作し出した。
夏野室長は、まだ枯れていない涙を拭きながら、懸命に操作に集中しようとしていることが、見ていても分かった。
湖路奈ちゃんは、未だ目を閉じたままミー先輩に抱きかかえられて、床に横たわっていた。ミー先輩は、自分の膝に湖路奈ちゃんを乗せ、彼女の手をしっかり両手で握り締めたままだった。
それは、また布礼愛さんが、現れてくれるのを祈るようにも見て取れた。
「みんな、聞いてくれ! 今、データ解析が終わったよ。……布礼愛の研究によれば、この10個の氷の結晶から抽出できる冷却エナジーは、ここの地点にセットすればいいことが分かったんだ!」
夏野室長はそう言って、大ホールの巨大な液晶パネルに映し出された世界地図を指さしたの。そこには、世界各地に散らばった10個の赤い印が、眩くも点灯していたわ!
(つづく)
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