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第7章 涼しい風を吹かせるために
101 第7章第16話 2重記憶データ
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いよいよその日が来たわ! 今日は、みんな朝からソワソワしてんのよ。あたしなんか、アッツが起こしに来る前に起きちゃったんだから!
今から、出発前の最終確認が始まるわ! 夏野室長も、気合が入るわよね。
「いいか、みんな! 今日が分かれ目だ! 地球の未来は、みんなに掛かっている! 気を引き締めてやってくれ。訓練も十分行った。君達は、もう一流の乗組員であり、パイロットだ! 各自必要な物を準備して、30分後に第1艦橋に集合だ!」
今は、朝の7時30分。朝食を済ませて集まったので、みんなは緊張の中にもエネルギーは充実しているみたい。
アッツの冗談も好調だし、ミー先輩も思いの外血色のいい顔をしている。何かいいことがあったのかな?
相変わらず校長先生とシーセンセは、イチャイチャしてる。
教頭先生と事務長さんは、一緒にタブレットで動画を見ている。ひょっとして、あの動画気に入ったのかな?
そう言えば、夏野室長は、湖路奈ちゃんを連れて、どっかへ行ったな? また、秘密道具でも作ったのかな?
************
「湖路奈、例の物は準備できたかな?」
「もちろんよ、ナッチーの言う通りに作ったから大丈夫よ!」
「ああ、ありがとう!…………………………、ちょっと、いいか?………………」
「え?……あ!……ナッチー、どうしたの?……あたしの手なんか握って?」
「う、ううん……なあ……お前は……誰だ?」
「…………………………」
「布礼愛じゃないのか?」
「…………………………」
「布礼愛なんだろ?」
「イタタタタタ……ナッチーってば、そんなに手を握ったら、痛いって!」
「だって……手を握ると……」
「言ったじゃん、あの時。指紋認証は、1回コッキリって!……だから、ウチは湖路奈なの……湖・路・奈よ!……分かった?」
「……やっぱり、そうだよな…………ゴメン。湖路奈……僕はきっぱり気持ちを切り替えるよ! ちゃんと、これからは湖路奈として、一緒にやって行こう!」
「うん、ありがとナッチー! ウチも頑張るよ!」
「じゃあ、僕は先行ってるから、遅れるなよ!」
「……ふーっ!……まったくね!……そうそう!…………………」
ガチャッ………
「だれ?」
「ごめんなさい、湖路奈ちゃん!」
「なんだ、ミナちゃんじゃない。どうしたの? 準備はできた?」
「………………………………………ねえ………………」
「何? どうしたの?」
「……お姉ちゃん……でしょ?……ねえ、そうでしょ?……お姉ちゃん!」
「何言ってんの? ウチは、湖路奈よ……」
「ううん……私は、分かるの! ……あなたは、お姉ちゃんよ!」
「……………………………………………………………」
「ねえ、どうして黙っているの?……お姉ちゃん! わ、わ、わたし……うううっ…」
『フーちゃん、やっぱ、ミナちゃんは騙せないニャ……』
『そうね、仕方ないわね。………ミナ、ミナ……泣かないで、お願い……』
「……グスッ……やっぱりお姉ちゃんなのね!」
『ウフッ……分かっちゃうのね、さすが私の妹ね。……どんなに上手に嘘をついても、湖路奈ちゃんには成れないか!』
『いいや、そんなことは無いニャ。だって、室長なんかケロッと騙されてるじゃないニャ。あんなに名前を呼んでるのに、ちっとも気が付かないんだからニャ!』
『そうよね、昔はずーっと〔ナッチー〕って呼んでたから、違和感ないのよね!』
「え? え? え? ……湖路奈ちゃんもいるの?」
『まあね!……いい! このことは、ナッチーには、絶対内緒よ! 分かった?』
「あ、ああ……は、はい…………でも、どうして? お姉ちゃんだって、言えばいいじゃない?」
『ダメよ、そんなこと言ったら、あの人は昔の記憶に縛られるわ! だって、私はもう居ないのよ……これからは、湖路奈ちゃんと仲良くやって欲しいじゃない!』
『ウチも、室長と仲良くしたいニャ……ウチのことを見て欲しいのニャ』
『私はね、ただの記憶データなのよ。……でもね、私もちょっとだけ思い出したいの! それで、湖路奈ちゃんにお願いしたの』
『ウチもフーちゃんの気持ちが分かるだニャ!……だからね……ちょっとだけ協力することにしたのニャ!』
「そっかー……分かったわ。私も協力します! 頑張りましょ!」
『ありがとうね、ミナコ…………………』
*************
「遅くなりましたーー」
「よし、これで、全員揃ったな! それじゃ、出発準備だ!」
あれ? ミー先輩が遅れるなんて? ……それに、なんかスッゴイ嬉しそう。
(つづく)
今から、出発前の最終確認が始まるわ! 夏野室長も、気合が入るわよね。
「いいか、みんな! 今日が分かれ目だ! 地球の未来は、みんなに掛かっている! 気を引き締めてやってくれ。訓練も十分行った。君達は、もう一流の乗組員であり、パイロットだ! 各自必要な物を準備して、30分後に第1艦橋に集合だ!」
今は、朝の7時30分。朝食を済ませて集まったので、みんなは緊張の中にもエネルギーは充実しているみたい。
アッツの冗談も好調だし、ミー先輩も思いの外血色のいい顔をしている。何かいいことがあったのかな?
相変わらず校長先生とシーセンセは、イチャイチャしてる。
教頭先生と事務長さんは、一緒にタブレットで動画を見ている。ひょっとして、あの動画気に入ったのかな?
そう言えば、夏野室長は、湖路奈ちゃんを連れて、どっかへ行ったな? また、秘密道具でも作ったのかな?
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「湖路奈、例の物は準備できたかな?」
「もちろんよ、ナッチーの言う通りに作ったから大丈夫よ!」
「ああ、ありがとう!…………………………、ちょっと、いいか?………………」
「え?……あ!……ナッチー、どうしたの?……あたしの手なんか握って?」
「う、ううん……なあ……お前は……誰だ?」
「…………………………」
「布礼愛じゃないのか?」
「…………………………」
「布礼愛なんだろ?」
「イタタタタタ……ナッチーってば、そんなに手を握ったら、痛いって!」
「だって……手を握ると……」
「言ったじゃん、あの時。指紋認証は、1回コッキリって!……だから、ウチは湖路奈なの……湖・路・奈よ!……分かった?」
「……やっぱり、そうだよな…………ゴメン。湖路奈……僕はきっぱり気持ちを切り替えるよ! ちゃんと、これからは湖路奈として、一緒にやって行こう!」
「うん、ありがとナッチー! ウチも頑張るよ!」
「じゃあ、僕は先行ってるから、遅れるなよ!」
「……ふーっ!……まったくね!……そうそう!…………………」
ガチャッ………
「だれ?」
「ごめんなさい、湖路奈ちゃん!」
「なんだ、ミナちゃんじゃない。どうしたの? 準備はできた?」
「………………………………………ねえ………………」
「何? どうしたの?」
「……お姉ちゃん……でしょ?……ねえ、そうでしょ?……お姉ちゃん!」
「何言ってんの? ウチは、湖路奈よ……」
「ううん……私は、分かるの! ……あなたは、お姉ちゃんよ!」
「……………………………………………………………」
「ねえ、どうして黙っているの?……お姉ちゃん! わ、わ、わたし……うううっ…」
『フーちゃん、やっぱ、ミナちゃんは騙せないニャ……』
『そうね、仕方ないわね。………ミナ、ミナ……泣かないで、お願い……』
「……グスッ……やっぱりお姉ちゃんなのね!」
『ウフッ……分かっちゃうのね、さすが私の妹ね。……どんなに上手に嘘をついても、湖路奈ちゃんには成れないか!』
『いいや、そんなことは無いニャ。だって、室長なんかケロッと騙されてるじゃないニャ。あんなに名前を呼んでるのに、ちっとも気が付かないんだからニャ!』
『そうよね、昔はずーっと〔ナッチー〕って呼んでたから、違和感ないのよね!』
「え? え? え? ……湖路奈ちゃんもいるの?」
『まあね!……いい! このことは、ナッチーには、絶対内緒よ! 分かった?』
「あ、ああ……は、はい…………でも、どうして? お姉ちゃんだって、言えばいいじゃない?」
『ダメよ、そんなこと言ったら、あの人は昔の記憶に縛られるわ! だって、私はもう居ないのよ……これからは、湖路奈ちゃんと仲良くやって欲しいじゃない!』
『ウチも、室長と仲良くしたいニャ……ウチのことを見て欲しいのニャ』
『私はね、ただの記憶データなのよ。……でもね、私もちょっとだけ思い出したいの! それで、湖路奈ちゃんにお願いしたの』
『ウチもフーちゃんの気持ちが分かるだニャ!……だからね……ちょっとだけ協力することにしたのニャ!』
「そっかー……分かったわ。私も協力します! 頑張りましょ!」
『ありがとうね、ミナコ…………………』
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「遅くなりましたーー」
「よし、これで、全員揃ったな! それじゃ、出発準備だ!」
あれ? ミー先輩が遅れるなんて? ……それに、なんかスッゴイ嬉しそう。
(つづく)
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