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18 必勝!エルフ流 学力向上マル秘対策 6(待つ力)
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※この物語は、基本直人の視点で進めますが、教室内では直人はいませんので、エルフィーナの視点になります。
「みんなの願いが叶ったわよ」
私は、教室で子ども達に他の学級へ行って勉強を教えることが認められたことを伝えたの。
「エル先生、本当! ぼく達、他の学年の子に勉強を教えてもいいの?」
「素田教頭先生も、田中校長先生も許してくれたわ。それにね、1組のみんなもあなた達の考えに賛成してくれるって!」
「本当! じゃあ、1組も一緒にやってくれるのかな?」
嬉しそうに尋ねた滝川由香さんは、確か1組にも友達がいたわね。
「もちろん、1組のみんなもやるわよ。でもね、私からお願いが一つあるの。この取組はね、自分で決めてちょうだいね。やる時も自分で責任をもってお願い。決して人を無理に誘ったり、自分も無理してやったりしないでね。それだけは、お願い。後の約束はみんなで決めてちょうだい、いい?」
そして、協力をしてくれる学年と学級を伝えた。後は、子ども達同士でいろいろな約束ごとを話し合って決めてくれればいいと思ったの。
「勉強だけじゃなく、いろいろなことを教えに行くことにしようよ」
「そうだね、例えば、掃除の仕方とか、黒板の字のきれいな消し方なんてのもあるよな……」
「でもさ、私がいつも思うのは、お節介は嫌なのよ……」
「どういうことだよ、静奈」
「うーん、うちのお母さんね、何でも教えたがるのよ、私が勉強してる時でも、すぐ答えを教えるし、工作を作ってても、すぐ手を出してくるの……」
「ありがたいんじゃないのか?」
ああ男子なのよね。勝君は、手伝ってもらうことが嫌だという女の子の気持ちが、不思議なのかしら。
「そうじゃないの。もう少し自分で頑張りたいときに、先にやっちゃうのよ、お母さんがね。それが嫌なの。もうちょっと放っておいてって、思うのよ」
「ふーん、そんなものなのかなあ」
学級のみんなの様子を見ると、そういう女子の気持ちがわかるという男子もたくさんいるみたい。
「ねえ、何でもかんでも手伝うのは、相手の気持ちを無視しているのと同じで、ダメだということよね。じゃあどうしたらいいと思う」
私は、子ども達にちょっと助け船を出してみたの。
それを受けて、あちこちで、いろんな意見も出たし、話し合いも行われたが、決定的ないい案は浮かばないようね。
そんな時、美穂ちゃんが、突然大きな声で、叫び出したの。
「ねえ! 見て! 見て! 私ね、エル先生の顔が描けたのよ……今度は、エル先生にお帽子をかぶせたいなあ、エル先生って何色のどんな帽子持ってるの? 教えてよ」
「あ、みんな、ごめんね。今ね、美穂ちゃんは、絵を描いていたんだ。気にしなくていいからね」
担当の山田先生が、子ども達に説明してくれたわ。
美穂ちゃんは、話し合いなどが苦手なの。だから、いつもそういう時は、1人で絵を描いたり、本を読んだりしていたし、そのことはみんなも知っているわ。
ところが、勝君が、急に立ち上がって、美穂ちゃんのところに行ったと思ったら、
「美穂ちゃん、すごいぞ! わかったぞ! みんな美穂ちゃんが教えてくれたじゃないか! ”見て、見て、見て”って言ってくれたんだ。美穂ちゃんは、自分が何かしているときは、黙ってよく見ていて欲しいんだよ。そして、わからなくなったら、ちゃんと”教えて”って言ってくれるじゃないか!」と、クラスのみんなに説明してくれたの。
すると、勉強が得意の進太君が
「と、いうことは、何かを教えに行った先では、まず、相手がやっていることをじっと見て、困っていることがあったら、話をしながら教えてあげるのが一番いいということなんだね」
と、解説をしてくれたの。
「おおお、……それ、それ、……おれは、そう思うんだ」
得意げに、勝君は、ちょっと誇らしげに胸を張ってわ。
「そうだわ、始めから、私達が何かを教えてやうろうなんて、えらそうなことを考えて、他の教室へ行っても、絶対うまくいくわけないわよね」
「ええ、私が、お母さんに感じたように、きっと嫌な感じを持つだけよ」
など、多くの女子も賛成している。
「なあ、そういえば、エル先生って、最初からおれ達に何も無理に教えなかったよな。おれ達が、あんなに意地悪して無視したりしても、本当におれ達がしてほしいことだけしてくれたもんな…………花村先生のこととか」
教室に居たみんは、あの時の私を思い出してくれたのね。
なんだか私は嬉しくって、自分でも言っちゃった!
「あなた達、とってもいいところに気が付いたわね。人に教えるって、相手の気持ちがすごく大切なのよね……大事に考えてあげてね……後は何かある?」
「あと、もう一つだけ」
勝君が、手を挙げて胸を張ってみんなに提案しの。
「必ず、準備をしっかりして行こう。誰かに、何かを教えに行くからには、こちらの準備は大切だと思うんだ。自分の筆記用具とか、資料があったら、ちゃんと持ってくことはしような…………ね、エル先生!」
あら、あの子ったら!
「そうね、準備は、大事よね!」
私は、思わず、勝君の方を見て、ニッコリ微笑んじゃった。
勝君は、今朝のことは誰にも言ってないので、内緒のような気がしてるのかしら?
ホント、可愛いわね!
「あのう……エル先生……」
普段から大人しい博君が、ゆっくり手を挙げてるわ。
「他のクラスに勉強を教えに行くのは、楽しそうなんだけど…………自分達の勉強ってどうすればいいのかな?……それに、今度のテストは?」
「……そうね? みんなは、どうしたい?」
「私ね、自分の勉強は、教科書を自分でやるわ……そしてわからなくなったら……誰か教えて?」
「1組の小池が算数よくできるんだぜ。俺はあいつに教えてもらおうかな?」
「そうね……さっきも言ったけど、無理をしなくていいのよ。自分の授業の内容は時間割を見ればわかるわよね、ゆとりがある時だけ他の教室へ行けばいいわよ。今は、自分で考えて、自由にしていいわよ。もちろん、行かなくてもいいわよ。誰かが言ってたけど、授業だけじゃないわよね、いろんな時間があるからそれも考えたらどうかしら? ……テストはね、大丈夫よ。普段の実力が出せればそれでいいじゃない、特別なことは必要ないって、1組の平野先生もおっしゃってたわよ」
「うん! そうだね、わかったよ、エル先生」
やっぱりみんなも不安はあるのね。でも、大丈夫よ。自分を信じて、私を信じてくれれば………。
ここから2週間が、新しい学校生活のスタートよ! みんな頑張ってね。
(つづく)
「みんなの願いが叶ったわよ」
私は、教室で子ども達に他の学級へ行って勉強を教えることが認められたことを伝えたの。
「エル先生、本当! ぼく達、他の学年の子に勉強を教えてもいいの?」
「素田教頭先生も、田中校長先生も許してくれたわ。それにね、1組のみんなもあなた達の考えに賛成してくれるって!」
「本当! じゃあ、1組も一緒にやってくれるのかな?」
嬉しそうに尋ねた滝川由香さんは、確か1組にも友達がいたわね。
「もちろん、1組のみんなもやるわよ。でもね、私からお願いが一つあるの。この取組はね、自分で決めてちょうだいね。やる時も自分で責任をもってお願い。決して人を無理に誘ったり、自分も無理してやったりしないでね。それだけは、お願い。後の約束はみんなで決めてちょうだい、いい?」
そして、協力をしてくれる学年と学級を伝えた。後は、子ども達同士でいろいろな約束ごとを話し合って決めてくれればいいと思ったの。
「勉強だけじゃなく、いろいろなことを教えに行くことにしようよ」
「そうだね、例えば、掃除の仕方とか、黒板の字のきれいな消し方なんてのもあるよな……」
「でもさ、私がいつも思うのは、お節介は嫌なのよ……」
「どういうことだよ、静奈」
「うーん、うちのお母さんね、何でも教えたがるのよ、私が勉強してる時でも、すぐ答えを教えるし、工作を作ってても、すぐ手を出してくるの……」
「ありがたいんじゃないのか?」
ああ男子なのよね。勝君は、手伝ってもらうことが嫌だという女の子の気持ちが、不思議なのかしら。
「そうじゃないの。もう少し自分で頑張りたいときに、先にやっちゃうのよ、お母さんがね。それが嫌なの。もうちょっと放っておいてって、思うのよ」
「ふーん、そんなものなのかなあ」
学級のみんなの様子を見ると、そういう女子の気持ちがわかるという男子もたくさんいるみたい。
「ねえ、何でもかんでも手伝うのは、相手の気持ちを無視しているのと同じで、ダメだということよね。じゃあどうしたらいいと思う」
私は、子ども達にちょっと助け船を出してみたの。
それを受けて、あちこちで、いろんな意見も出たし、話し合いも行われたが、決定的ないい案は浮かばないようね。
そんな時、美穂ちゃんが、突然大きな声で、叫び出したの。
「ねえ! 見て! 見て! 私ね、エル先生の顔が描けたのよ……今度は、エル先生にお帽子をかぶせたいなあ、エル先生って何色のどんな帽子持ってるの? 教えてよ」
「あ、みんな、ごめんね。今ね、美穂ちゃんは、絵を描いていたんだ。気にしなくていいからね」
担当の山田先生が、子ども達に説明してくれたわ。
美穂ちゃんは、話し合いなどが苦手なの。だから、いつもそういう時は、1人で絵を描いたり、本を読んだりしていたし、そのことはみんなも知っているわ。
ところが、勝君が、急に立ち上がって、美穂ちゃんのところに行ったと思ったら、
「美穂ちゃん、すごいぞ! わかったぞ! みんな美穂ちゃんが教えてくれたじゃないか! ”見て、見て、見て”って言ってくれたんだ。美穂ちゃんは、自分が何かしているときは、黙ってよく見ていて欲しいんだよ。そして、わからなくなったら、ちゃんと”教えて”って言ってくれるじゃないか!」と、クラスのみんなに説明してくれたの。
すると、勉強が得意の進太君が
「と、いうことは、何かを教えに行った先では、まず、相手がやっていることをじっと見て、困っていることがあったら、話をしながら教えてあげるのが一番いいということなんだね」
と、解説をしてくれたの。
「おおお、……それ、それ、……おれは、そう思うんだ」
得意げに、勝君は、ちょっと誇らしげに胸を張ってわ。
「そうだわ、始めから、私達が何かを教えてやうろうなんて、えらそうなことを考えて、他の教室へ行っても、絶対うまくいくわけないわよね」
「ええ、私が、お母さんに感じたように、きっと嫌な感じを持つだけよ」
など、多くの女子も賛成している。
「なあ、そういえば、エル先生って、最初からおれ達に何も無理に教えなかったよな。おれ達が、あんなに意地悪して無視したりしても、本当におれ達がしてほしいことだけしてくれたもんな…………花村先生のこととか」
教室に居たみんは、あの時の私を思い出してくれたのね。
なんだか私は嬉しくって、自分でも言っちゃった!
「あなた達、とってもいいところに気が付いたわね。人に教えるって、相手の気持ちがすごく大切なのよね……大事に考えてあげてね……後は何かある?」
「あと、もう一つだけ」
勝君が、手を挙げて胸を張ってみんなに提案しの。
「必ず、準備をしっかりして行こう。誰かに、何かを教えに行くからには、こちらの準備は大切だと思うんだ。自分の筆記用具とか、資料があったら、ちゃんと持ってくことはしような…………ね、エル先生!」
あら、あの子ったら!
「そうね、準備は、大事よね!」
私は、思わず、勝君の方を見て、ニッコリ微笑んじゃった。
勝君は、今朝のことは誰にも言ってないので、内緒のような気がしてるのかしら?
ホント、可愛いわね!
「あのう……エル先生……」
普段から大人しい博君が、ゆっくり手を挙げてるわ。
「他のクラスに勉強を教えに行くのは、楽しそうなんだけど…………自分達の勉強ってどうすればいいのかな?……それに、今度のテストは?」
「……そうね? みんなは、どうしたい?」
「私ね、自分の勉強は、教科書を自分でやるわ……そしてわからなくなったら……誰か教えて?」
「1組の小池が算数よくできるんだぜ。俺はあいつに教えてもらおうかな?」
「そうね……さっきも言ったけど、無理をしなくていいのよ。自分の授業の内容は時間割を見ればわかるわよね、ゆとりがある時だけ他の教室へ行けばいいわよ。今は、自分で考えて、自由にしていいわよ。もちろん、行かなくてもいいわよ。誰かが言ってたけど、授業だけじゃないわよね、いろんな時間があるからそれも考えたらどうかしら? ……テストはね、大丈夫よ。普段の実力が出せればそれでいいじゃない、特別なことは必要ないって、1組の平野先生もおっしゃってたわよ」
「うん! そうだね、わかったよ、エル先生」
やっぱりみんなも不安はあるのね。でも、大丈夫よ。自分を信じて、私を信じてくれれば………。
ここから2週間が、新しい学校生活のスタートよ! みんな頑張ってね。
(つづく)
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