悪役令嬢のビフォーアフター

すけさん

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シオンの焦り

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◇◆シオンside◇◆



涙を流すカナを見て心が痛くなった。
どうして俺達はこんな風になってしまったのだろう・・・



立ち去った後、直ぐにカナを追いかけたが見失ってしまう。


途方に暮れながらトボトボ歩いていると、ふとカナと一緒に密会していた男の姿を見つける。


思わず、壁に隠れて盗み見してしまう。


カナとはどんな関係なんだ・・・
まさか本当にあの2人には何か特別な関係があるのだろうか・・・・



見失わないように奴の後をつけると裏庭のでかい樹木の前で立ち止まる。
いきなり上を見上げながら独り言を喋っている姿に


アイツは何してんだ!?


すると何かが上から落ちてくる

落下物を奴が受け止めると、抱き合う形でゴロゴロと転がっていく。


思わず駆け出して助けようと一歩前に進むが、目の前の光景に固まってしまった。


どうして奴の腕の中にカナが居るんだ??


助けただけなのに2人に漂う甘い空気を敏感に感じてしまう。


俺のカナに触れるな!!
俺のカナから離れろ!!



怒りに任せて2人の前に仁王立ちで腕を組みながら立つと、呆気に取られているカナ


そんなカナの腕を強引に掴み奴から引き離すように連れ出す。



「あの、シオン・・・・痛いんだけど」


乱暴にグイっと引き寄せて壁に押さえ付ける。


「あの男はカナの何なんだ!?」


至近距離のカナに言い放つと怯える姿に我に返る


拘束していた腕を緩めると安心したのかその場に崩れ落ちるカナの姿に・・・


俺は何をしてるんだ!?


震えているカナをギュっと優しく抱き締める。



「ごめん、怖がらせて・・・・」



気がついたら俺も泣いていた。


「ルキ様とは本当に何もないわ!
私を信じてほしい!
周りの声に惑わされないでほしい!
私もシオンを信じるわ!
あの噂はきっとレイラ様が絡んでいるんでしょ?
お願いだから彼女の口車に乗らないでほしい」


必死に訴えるカナに心が動かされる。


そうだ!!
カナの言う通りだ!
俺の一番大事なのはカナとの未来しかない。



「約束する。カナだけを信じる!」


お互いやっと心が通じたようで抱き締める力が強くなる。


「大好きだよ!シオン」


「俺もカナを愛してる・・・」



そう、やっとカナと思いが通じ合ったんだ・・・・



ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー


「シオン様、どうしてですか?」


俺の服を掴みながら涙ながらに訴えるレイラ



「これ以上カナを悲しませたくない。
レイラとはこの際、ハッキリと距離を取りたい。」


俺の言葉にその場に崩れ落ちるレイラ



「ふざけないでよ!!
何でヒロインの私がフラれなきゃいけないのよ!!
あり得ないわ!!
だって私とシオンは結ばれる運命なんだから!!
悪役令嬢のあの女はシオンに断罪されるのよ!!」


目が血走って般若のようなレイラの形相にたじろぐ


いきなり目の前で自分の洋服をビリビリと破き始める。


何をしてるんだ?


「ここで私が悲鳴を上げればシオン様は窮地に陥りますわ!!
私を襲ったと言えばカナ様がどう思うかしら?
本当にあの女を信じてますの?
シオン様の選択は私をここで抱くか、カナ様を信じて私を襲った犯人となるかのどちらか選んで下さい!!」


俺は・・・・・・


何故この時にカナを選ばなかったのだろうか・・・・
カナなら俺の身の潔白を信じてくれただろうに・・・



愚かな俺は一瞬、カナではなく世間体を気にしてしまったんだ。



気がついたらレイラを抱き寄せていた。



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