20 / 26
19:遅延性②
しおりを挟むノトスを勢いのまま抱き上げて、寝室まで連れていきベッドの上に降ろす。
『ギシ……』
「無理してないか?」
「そっちこそ……」
ゆっくりと覆いかぶさって首筋に口付けを落としながら、シュルリとシルクのネクタイを解いて床に放り投げる。
『プツ……プツ……』
「(丁寧過ぎて、焦ったい……)」
ノトスのプツリプツリとシャツのボタンが一つずつ外されていく。下から這い上がってくる期待感にノトスは無意識に腰を浮かせて胸を突き出しデュラを誘う。
露わになった胸に舌を這わせると、舌の感触と自分の痴態を見下ろす視線の両方から責め立てられる羞恥心がより一層快感となって全身を駆け巡った。
片方の突起を舌で弄りながら、もう片方を指で摘む。
「はぁッ、あぁぁ!」
「気持ち良さそうだな」
「ん…………ちゃんと、きもちいぃ……」
「……そうか」
反応に気を良くしたデュラはベルトを外して下着をズラせば、淫らに勃ち上がっている性器が開放感でピクリと揺れる。
「私が来る前に、ココで慰めていたのか……柔らかい」
「は、やく……ほしぃ」
「ああ、優しくする」
ノトスの腰を掴んで尻を持ち上げる。
物欲しそうに強請る後孔に、亀頭をグッと押し付けてゆっくりと挿入していく。
「ぅあ……あ、あああ」
「ぐッ……はぁ……」
太い幹が前立腺を擦り上げながらじわじわと進んでくる感触に身悶える。デュラも中を暴くたびにヒクヒクと纏わりついてくる肉壁からの刺激に吐息が漏れた。
「は、ぁ……はぁ……」
亀頭が奥の窄まりをコツリと突き当たり、そのままグイッと中を押し上げていく。
「はぅ、ぅぅ、ん」
「はぁ……全部、入った。痛いか?」
「だいじょ、ぶッ……」
『グチュッグチュ』
「あッ、あぁ! あ、ひっ、おぐッ!」
淫猥な音を立てて前後する動きに合わせて時折ゴリュッと強く突かれる。
欲しかった暴力的な質量の刺突に、待ち侘びていたノトスの脳が快感で溶かされていく。
シーツを掴み、足先でグシャグシャに皺を作りながら押し寄せてくる感覚に耐える。
「中が、痙攣してるぞ……イき、そうか?」
「ひぐっ! イ、きそ、ふぅ……んッ!?」
「?」
「やば……デュラ、俺は大丈夫だから……そのまま、動いて、くれ」
「大丈夫って……ノトス?」
何か異常を感じとったノトスが身を硬らせて震える。
そして、その震えも中の痙攣さえもが急にピタリと止まった。
『グチュ、ズプン、ズプ、グチュ』
動いているのは、デュラ一人。
ノトスは伏せ目がちなまま、喘ぎも無く、一切の反応が無くなった。
「ノトス、ノトス? ノトス?」
『パン、パン、パチュン』
名前を呼んでも返事は無い。
ノトスの異変に胸が騒つくも、動きを止められない。
「っ、呼吸が」
肺が上下しておらず、呼吸が止まっている。胸に耳を当てると、心音さえ聞こえない。
「ノトス!!」
揺さぶりながら、気道を確保して息を吹き込む。
「(何故急に!? ノトスは何か知っていた風だったが……まさか、何か媚薬に付与したのか?)」
人工呼吸を続けながら、腰の動きを止めずに原因を探る。
舌を差し入れてみても、やはり反応がない。
けれど、身体はずっと熱いまま。
呼吸は止まっているのに、肉筒がギュウギュウと締め付けてくる矛盾した感覚がデュラを混乱させる。
「あ、くぅ……んん、んんっ、ふッ」
あらゆる手を尽くしても反応を示さないノトスにデュラは焦りを感じながら動き続ける。
「ぐぅ、う!」
『ビュク、ビュルル』
「はっ、はーっ、すまない……ノトス」
最奥の窪みを穿ち、絶頂へ登り詰めたデュラは精を注ぎ込む。
奥に擦り付けながら全て出し切るように自然と腰を振ってしまう。
『ピクッ』
「!」
「……ん、でゅら」
「あ、ああ、ノトス! 良かった!」
『ガバッ』
やっとノトスが反応を返してくれた。
それに安堵したデュラはノトスを抱きしめる。
「すまん、時間停止の魔法が今効いたみたいだ」
「……ああ」
時空間の魔法書を持っていった事を思い出したデュラが先程のノトスの様子に合点がいった様子。
「良かった……本当に」
「心配かけて、ごめ──ッ!」
「ノトス?」
「ぅ……あっ! ま、て! 知らな、コレは、知らなぃ!」
「ッ!!?」
ノトスの時間が再開して間も無く、尋常ではない衝撃が全身を駆け巡り、身体が弓形に仰け反った。
『ビク! ビク! ビクビクゥ!!』
「やめッ!! い、あぁあ!!」
未知の刺激にノトスが堪らず叫ぶ。
「(一気にきてる! 止まってた分が一気に!!)」
停止中に蓄積された快感が一気に肉体へ反映された。
何度も突き上げられた刺激が一つの大きな波となり、ノトスを襲う。
「──~~ッッ!!」
声にならない声を発し、デュラにしがみつきながらなんとか意識を保つ。
「あっ! ひッあぁっ!! まて、まってくれ、はぁっ、イって、るぅッッ! いってぇ、あぁああ!!」
人工呼吸の感覚に息が詰まり、舌を掬われる感触に喉を晒し、デュラの動きの全てが快楽へ直結している。
「ひぃッ、うぁ、んんんん!」
「……ッ、ノトス」
頭を振り乱して悶えるノトスを宥めるように抱きしめるデュラも、絶頂を繰り返す肉壁の締め付けに耐える。
二人にとって長い長い一瞬が過ぎ去り、ノトスは余韻に全身を震わせて、デュラの肩に顔を埋める。
「はぁ……ッ、ぁ……」
「……ノトス、落ち着けそうか?」
「……はぁ、ふぅ……うん」
ずるりと中から自身を抜き、ノトスの頭を撫でながら呼吸が整うのを待つ。
「はぁ……はぁ……あー、こんな、蓄積効果、あるのかよ」
「魔法書には書いてなかったのか?」
「ああ…………悪い、みっともないとこ見せたな」
「確かに驚いたが………………正直、ノトスが乱れる姿に若干の興奮は覚えた」
「馬鹿正直なムッツリめ……あっ」
ノトスの腹筋に吐き出された精液をツツーっと筋に沿ってデュラの指がなぞる。
「いっぱい出たな」
「言うなって……デュラ、身体起こしてくれ」
「ん? ああ」
腰の抜けたノトスの身体ごと起き上がり、ベッドの上に座り込んだ形になる。
そして、密着した状態でノトスはノロノロと腕を動かして、勃ったままのデュラの性器に指を絡めた。
「う、ぁ」
「ガチガチ……お前もちゃんと抜いてないんじゃないか?」
「いや、ただお前に興奮しただけで、不摂生ではない」
「…………ちょっとは憚れよ」
クチュクチュと音を立てながら、弱い部分を重点的に責める。
「くッ、ぁ……ノトス」
「……んっ」
デュラからの口付けを拒否する事なく受け入れる。
少しカサついた唇の柔らかな感触が心地よくて、目を細める。
「はっ……ふッ」
『クチュクチュ』
「はぁ、んッ……ぷぁ」
デュラの唇を舌先で促せば、肉厚な舌が侵入してくる。
お互いに舌を絡ませ合うと、優しく緩やかな気持ち良さにノトスから安堵の吐息が漏れる。
唾液を交換しながら舌を絡め合っていくうちに、段々と脳が蕩けていく。
「んん、んっ……ふぁ」
『ビキッ』
ノトスの艶っぽい様子に興奮したデュラの性器がビクリと震え、限界を報せる。
手の動きを速めて、亀頭をグリッと弄る。
「んッ! ノトス……ッ」
『ビュク、ドピュ』
口を離した二人が見下ろせば、白い液体がノトスの手を汚していた。
「ふぅ……ん、手を、煩わせてしまったな」
「迷惑かけたのは俺の方だから……中断させて悪かった」
「ノトスが楽になったなら、私はなんだっていいさ」
情事の名残りを綺麗に拭き取りながら、デュラにサポートされながらシャワーを浴びて、着替える。
「“洗浄”」
デュラの服を魔法で綺麗にすると、家に来た時以上に綺麗になってしまった。
「私はそろそろお暇するが、本当にもう大丈夫か?」
「大丈夫。お陰様でスッキリした。よく眠れそうだ」
「……そうか」
ノトスはスッキリした様子だが、デュラは何か不安気にノトスを見つめていた。
その視線の意図を汲み取ったノトスは肩をすくめながら、口を開ける。
「デュラ」
「?」
「もうあの事は、特に気にしてない。今日の事もトラウマにはならないから、そんな顔しないでくれ」
「……ああ、わかった。では、また何かあれば伺わせてもらう」
「はいはい。じゃあな」
ひらひらと手を振って玄関までデュラを見送った。
「はぁ~……疲れた……」
ベッドまでフラフラになりながらも辿り着いたノトスは、綺麗にした布団にポフッと沈み込む。
「(……今日は、もう休んじまおう)」
遅延性の改良点を悶々と考えながら、ノトスは眠りに落ちて行った。
0
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
寂しいを分け与えた
こじらせた処女
BL
いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。
昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる