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7・強くなる手段が極端過ぎる例
B級に上がって、中級者向けの討伐依頼も受けられるようになったが、俺は相変わらず雑務とセックスに勤しんでいた。
まぁ、雑務の幅も広がってより高報酬な依頼を受けられている。
薬草採取に、素材の納品。
そして、ゴブリン。
ゴブリンは繁殖力が高く、何処にでも湧いて出てくる。それ故に、冒険者が定期的に駆除しなければならない。
ゴブリンは他種族の雌でも同種族を孕ませる事ができる為、女性冒険者はゴブリン討伐に向かうにはA級からという規則がある程、過去に酷い被害もあったらしい。
ゴブリン討伐依頼が張り出されているのを見て、俺は依頼を受けるのではなくいち早く場所を特定してゴブリンの巣へ向かった。
『ジュンイチロー、毎度言うが危険な綱渡りは程々にした方がいい』
「だって人より数値良いんだもん」
巣の外で見張りをしている一匹のゴブリンが居た。
ゴブリンは緑色の小太りで禿頭の長っぱなおじさんだ。
スッと近付いて力任せに首根っこを掴んで持ち上げる。
「グギャ!?」
「チビなのに、俺より立派なもん持ってるよな」
驚くゴブリンの汚い腰布の下に手を差し込み、通常時は慎ましい大きさのそれを掌で揉む。
「ぐ、ぐぎぎ……」
ゴブリンが暴れるが、力の差が歴然なので、抵抗虚しくすぐに勃起してしまう。
俺の手には余るほどの大きさになった。やはり膨張率が凄い。
『スル』
「ギャ!?」
「君は出すだけで良い」
ズボンと下着をズラして、ゴブリンを手放す。
四つん這いになって尻を見せれば、考える思考が下半身に移ったゴブリンは容易く俺の腰にしがみついた。
『ズパン!』
「んああ!」
「ク、キャァ??」
『ビュルルルルン』
「んんっ! やっぱ……量が多いな、魔物って」
人間と同じような快感の得かたをしているだけあって、ゴブリンも俺のナカでは長くは持たない。けれど、繁殖力に恥じない持続力がある。
俺の腹のナカで脈打つゴブリンの性器は、射精しても萎える気配が無かった。
『ズプッ! グチュン、グポ』
「ふっ、ん……あ! あぅ!!」
「ギィ……ギィ……!!」
後ろから犯されながら、片手間に自分のモノをしごく。
何度も絶頂しながらも動きを止めずに突きまくってくる。
「ああっ! イく、イくイく……う、ぁああ! お、おっきぃ、また、出てる」
『ブピュ、ドプッドプン!!』
「ギャゥ……ゥウ……イイイイ!」
ゴブリンが声を発すると、巣穴から他のゴブリンがぞろぞろと出てきた。
俺とゴブリンの交わる様子を見て、敵対者ではなく性的な獲物だと認識したようだ。
「(まだ小さな巣だからな。仲間をもっと増やしたいはずだ)」
その繁殖力を利用させてもらっている。
モモは物陰からゴブリンに犯される俺を、呆れたように眺めていた。
娼館よりもずっと乱暴で早いペースで抱かれる。
長い襟足を結った髪束を掴まれて引っ張られ、胸が反り上がった。
『ビュクク……ビュルン』
「ん、んんん~……!!」
確実に孕ませる意志を持って奥に捩じ込み、種付けする。
俺の身体が壊れないように、ゆっくり休ませてくれるなんて事はしない。
『パチュッパチュン! グポッ、ジュボォ……!!』
「んあ、あああ! あ、ああ……あ……」
ガクガクと俺が身を震わせ絶頂しても、ゴブリンは構わずにピストンを繰り返す。
そして中出しされた精液が掻き混ぜられる音が森に響く。
不衛生なゴブリンとのセックスは、性病に罹る危険性も高い。けど、肉体性感度(高)のおかげで、感度不良を起こす要因である性の病魔は全て跳ね除けられるとモモが教えてくれた。
「ギャッ、ギィ!! 」
「あ、ああ……んんんん! やば、またイく、イク」
『バッチュ、バッヂュン!』
「ぁあ、あ、あ……あ、あッ!!」
全員が俺を回し終わるまで、休む事なく犯され続けた。
終わった頃には、日が暮れ始めていた。
「ん、んん……」
『ズルッ』
俺を犯し尽くして満足したゴブリン達が、俺を巣に持ち帰ろうと足を掴んだところでモモが動いた。
『バシュン!』
「ギャイ!?」
俺の足を掴んだゴブリンの頭が吹っ飛んだ。
ビシャリと鮮血が夕陽に照らされる地面に舞い散る。ゴロリと首が転がり、一瞬の出来事にゴブリン達が呆気に取られている隙にモモが触手で俺を回収して、素早くその場を離れた。
「はぁ……はぁ……」
『体力が残り50をきっている。搾精が無ければ死ぬところだったぞ。ゴブリンの精はHPではなく、MP特化だからな』
「うん……危ないってわかってるけど……すごいんだよ、コレ」
名:ハラノ ジュンイチロー
LV:15
HP:48/100(+0/7029)
MP:0(+3458)
ATK:5(+1822)
EDF:5(+1822)
スキル:搾精超強化Lv2、肉体性感度(高)
体力は魔力と違って時間が経てば自動回復する。
だからこんな無謀な事も出来ている。
「モモ……いつもありがとう」
『…………』
ゴブリン後はいつもモモは不機嫌になる。
心配してくれているんだろうな。
毎度死にかけてるし。
触手で俺を担いで家まで帰ると、モモは魔法で沸かしたお湯をぶっかけてくる。
『やはり魔物はダメだ。人間と私だけにしろ』
「ええー」
タオルで俺の身体を入念に拭いながらモモはそう言う。
綺麗になるとベッドに押し倒されて、口の中に触手を突っ込まれた。
「んんぐ……」
『舐めろ』
「ん、んぐ、んむ……んん!」
『良い子だ』
じゅぷ、ちゅぽっと音を立ててモモの触手に舌を這わせて、奉仕するように頭を動かす。
「ふっ、ん、んぐ……」
『ん、出すぞ……』
『ピュル……ドクドク』
「んん!」
喉の奥に直接熱い液体を流し込まれ、ゴクゴクと飲み干す。
「ふっ、んん……」
『コレで応急処置だ』
「ありがとう」
モモの精はHPに特化しているので、疲れや傷によく効く。
「……だいぶ強くなったと思うけど、魔王と戦うにはまだまだなんだな」
『……本当に戦うのか?』
「ああ」
『死ぬかもしれないのに……』
「死にそうになったら逃げるよ。一回で倒せるとは限らないし」
モモが触手で俺の頭を撫でる。
「モモ?」
『…………』
「どうした? 悲しそうな顔して」
『なんでわかるんだ』
「勘……なんだか、触り方がぎこちないっていうか」
頭にある触手に触れてみると柔らかいはずなのに、少し硬くなっていた。
『ジュンイチローが他の奴と交わっているのを見ると、なんだか気分が悪い』
「嫌って事か?」
『……恐らく』
モモは俺が他の誰かセックスをしている事に嫉妬しているらしい。しかも無意識で。
物知りで、俺よりずっとしっかりしてるモモの意外な一面にニヤけてしまう。
肉兎を抱き寄せて、頬を寄せる。
「モモ、大丈夫だよ。大丈夫。モモが一番好きだし、大切だ」
『!』
触手の張り詰めが解けて、いつも通りふにゃっとした弾力になった。
安心したようだ。
けれど、モモが嫉妬するならゴブリンはもう辞めよう。
バイトだけでは、数値はあまり上がらない。
やはり、純粋にレベルを上げるか。基礎を少しでも上げよう。
戦闘経験がほぼ皆無だから、指導員のゴドーさんに教えてもらおう。
※※※
「指導料一回、銀貨一枚って高くないですか?」
「文句言うな。そんだけ価値あんだよ」
銀貨一枚は日本の金銭価値観だと一万と同じだ。貧乏性な俺には銀貨一枚は高い。
しっかりやらなければ損だ。
まずは午前中にゴドーさんと走り込み、柔軟、筋トレをする。
「ふぅ、おめぇ結構体力あるな。身体も柔らかい。筋肉もまぁまぁある」
「無駄に雑務はしてませんから」
ふふんっと胸を張る。苦笑いされた。
午後からはゴドーさんと打ち込みをして、稽古を受ける。
『バキ』
「あ~」
『ベキィ』
「ああ~~」
「……はぁ、お前の太刀筋は一撃一撃が重い。魔法で強化された木刀が折れるぐらいだ」
「すみません」
攻撃力が四桁超えてるんで。
殴り合いとかしたら、確実に俺が勝つだろう。しかし、それは人間相手の話だ。
「刀より、こっちの方がいいかもな」
「わ! これって……」
「戦斧。体力馬鹿向けの破壊特化の武器だ」
「お……おお!」
手渡された大きな刃を持つ斧の武器は、木刀よりずっしりと重かった。
けれど、片手でも両手でも扱える。
「この武器でやってみるか」
「はい!」
「素振り三百回」
「え」
「え、じゃねぇよ。早く振れ」
俺は斧を構えて振るった。ヒュンッと空気を切る音が鳴って、ゴドーさんの言うように体力が無いとダメだ。刀とは違い、遠心力で振り回される。コレを制御しなければならない。
必死になって斧を振り続けた。
「ふっ……ふっ」
「よし。終わり。リーチはわかったな。今度はその武器に慣れる事。次は俺の投げる薪を斧で切れ」
「はい!」
『ビュン』
軽く投げられるのかと思ったら、思いっきり投げられた。
びっくりしたが、先程の素振りが身体に染み込んだのか、すぐに動けた。
『スパン』
乾いた音を立てて、薪が割れた。斧の重量に腕の力が合わさると、簡単に切れる。
「お、おお!」
「どんどん行くぞ」
その後、夕方になるまでひたすら練習して、夕飯を食べてから再びゴドーさんに特訓をお願いした。
「ふん! ふん!」
「銀貨の元をしっかり取りやがって……けど、こんだけ振り回して息切れもない。いつの間にそんな鍛えたんだ?」
「コレでも、俺はすごい頑張ってるんですよ」
バトルアックスを手に俺はそう答える。
すると、ゴドーさんが俺の頬に触れて、スリスリと優しく擦ってきた。
「う、ゴドーさん?」
「肌が荒れてる。しっかり食って、ちゃんと寝ろよ? 強くなりたいなら、体調管理は気を付けろ」
「はい」
最近焦ってたからな。
ちょっと一息は必要かもしてない。
バトルアックスをギルドに返してから家へ帰ると、モモが大きくなっていた。
「あ、ただいま。大きくなってどうしたんだ?」
『……体調が悪い』
「え!!」
『苦しい』
「ど、どどうしよ! どんな風に苦しい?」
モモが体調不良を訴えてきた。こんな事は初めてだ。
ベッドの上で背を丸めるように内側へ丸まっているモモ。
大きくなってしまっていて運べない。
『胸が締め付けられる……呼吸がし辛い』
「そんな……肺の病気? いや、心臓?」
どうしよう! どうしよう! どうしよう!!
昨日も今朝も変わった様子は無かった。変な物も食べてない。
魔物の病気なんて何も知らない。誰に診てもらえばいいのかわからない。
何も……何も出来ない……
「モモ、モモ……モモ、死なないでくれ」
『…………』
「モモが死んだら、俺ダメになっちまうから……頼む、どうしたらいいか、教えてくれ。なんでもするから。モモぉ」
『……ジュンイチローの情け無い顔見ていたら、楽になってきた』
「は??」
シュルシュルと小さくなったモモがシーツの上でコロッと転がりながら起き上がる。
『先程まで痛かったのに、お前が帰ってきたら徐々に治まった』
「そう? グス……良かった。モモが死ぬんじゃないかと思って、俺……めちゃくちゃ怖かった」
モモの柔らかい身体を撫でるとすり寄ってくる。
『ジュンイチロー、お前の事を思うと……体の内側が握り潰されているように痛む』
「ああ、心配し過ぎだな。モモは優しいから、俺を心配するあまりストレス感じてるんだきっと。さっきの俺も、モモが死ぬかもって思ったら胸が締め付けられて息がうまく出来なかった」
思っている以上に俺達はお互いが大事な存在になっていたらしい。
『……お前を失いたくない』
「うん。俺も」
俺はその晩ずっと、小さなモモを抱きしめて眠った。
まぁ、雑務の幅も広がってより高報酬な依頼を受けられている。
薬草採取に、素材の納品。
そして、ゴブリン。
ゴブリンは繁殖力が高く、何処にでも湧いて出てくる。それ故に、冒険者が定期的に駆除しなければならない。
ゴブリンは他種族の雌でも同種族を孕ませる事ができる為、女性冒険者はゴブリン討伐に向かうにはA級からという規則がある程、過去に酷い被害もあったらしい。
ゴブリン討伐依頼が張り出されているのを見て、俺は依頼を受けるのではなくいち早く場所を特定してゴブリンの巣へ向かった。
『ジュンイチロー、毎度言うが危険な綱渡りは程々にした方がいい』
「だって人より数値良いんだもん」
巣の外で見張りをしている一匹のゴブリンが居た。
ゴブリンは緑色の小太りで禿頭の長っぱなおじさんだ。
スッと近付いて力任せに首根っこを掴んで持ち上げる。
「グギャ!?」
「チビなのに、俺より立派なもん持ってるよな」
驚くゴブリンの汚い腰布の下に手を差し込み、通常時は慎ましい大きさのそれを掌で揉む。
「ぐ、ぐぎぎ……」
ゴブリンが暴れるが、力の差が歴然なので、抵抗虚しくすぐに勃起してしまう。
俺の手には余るほどの大きさになった。やはり膨張率が凄い。
『スル』
「ギャ!?」
「君は出すだけで良い」
ズボンと下着をズラして、ゴブリンを手放す。
四つん這いになって尻を見せれば、考える思考が下半身に移ったゴブリンは容易く俺の腰にしがみついた。
『ズパン!』
「んああ!」
「ク、キャァ??」
『ビュルルルルン』
「んんっ! やっぱ……量が多いな、魔物って」
人間と同じような快感の得かたをしているだけあって、ゴブリンも俺のナカでは長くは持たない。けれど、繁殖力に恥じない持続力がある。
俺の腹のナカで脈打つゴブリンの性器は、射精しても萎える気配が無かった。
『ズプッ! グチュン、グポ』
「ふっ、ん……あ! あぅ!!」
「ギィ……ギィ……!!」
後ろから犯されながら、片手間に自分のモノをしごく。
何度も絶頂しながらも動きを止めずに突きまくってくる。
「ああっ! イく、イくイく……う、ぁああ! お、おっきぃ、また、出てる」
『ブピュ、ドプッドプン!!』
「ギャゥ……ゥウ……イイイイ!」
ゴブリンが声を発すると、巣穴から他のゴブリンがぞろぞろと出てきた。
俺とゴブリンの交わる様子を見て、敵対者ではなく性的な獲物だと認識したようだ。
「(まだ小さな巣だからな。仲間をもっと増やしたいはずだ)」
その繁殖力を利用させてもらっている。
モモは物陰からゴブリンに犯される俺を、呆れたように眺めていた。
娼館よりもずっと乱暴で早いペースで抱かれる。
長い襟足を結った髪束を掴まれて引っ張られ、胸が反り上がった。
『ビュクク……ビュルン』
「ん、んんん~……!!」
確実に孕ませる意志を持って奥に捩じ込み、種付けする。
俺の身体が壊れないように、ゆっくり休ませてくれるなんて事はしない。
『パチュッパチュン! グポッ、ジュボォ……!!』
「んあ、あああ! あ、ああ……あ……」
ガクガクと俺が身を震わせ絶頂しても、ゴブリンは構わずにピストンを繰り返す。
そして中出しされた精液が掻き混ぜられる音が森に響く。
不衛生なゴブリンとのセックスは、性病に罹る危険性も高い。けど、肉体性感度(高)のおかげで、感度不良を起こす要因である性の病魔は全て跳ね除けられるとモモが教えてくれた。
「ギャッ、ギィ!! 」
「あ、ああ……んんんん! やば、またイく、イク」
『バッチュ、バッヂュン!』
「ぁあ、あ、あ……あ、あッ!!」
全員が俺を回し終わるまで、休む事なく犯され続けた。
終わった頃には、日が暮れ始めていた。
「ん、んん……」
『ズルッ』
俺を犯し尽くして満足したゴブリン達が、俺を巣に持ち帰ろうと足を掴んだところでモモが動いた。
『バシュン!』
「ギャイ!?」
俺の足を掴んだゴブリンの頭が吹っ飛んだ。
ビシャリと鮮血が夕陽に照らされる地面に舞い散る。ゴロリと首が転がり、一瞬の出来事にゴブリン達が呆気に取られている隙にモモが触手で俺を回収して、素早くその場を離れた。
「はぁ……はぁ……」
『体力が残り50をきっている。搾精が無ければ死ぬところだったぞ。ゴブリンの精はHPではなく、MP特化だからな』
「うん……危ないってわかってるけど……すごいんだよ、コレ」
名:ハラノ ジュンイチロー
LV:15
HP:48/100(+0/7029)
MP:0(+3458)
ATK:5(+1822)
EDF:5(+1822)
スキル:搾精超強化Lv2、肉体性感度(高)
体力は魔力と違って時間が経てば自動回復する。
だからこんな無謀な事も出来ている。
「モモ……いつもありがとう」
『…………』
ゴブリン後はいつもモモは不機嫌になる。
心配してくれているんだろうな。
毎度死にかけてるし。
触手で俺を担いで家まで帰ると、モモは魔法で沸かしたお湯をぶっかけてくる。
『やはり魔物はダメだ。人間と私だけにしろ』
「ええー」
タオルで俺の身体を入念に拭いながらモモはそう言う。
綺麗になるとベッドに押し倒されて、口の中に触手を突っ込まれた。
「んんぐ……」
『舐めろ』
「ん、んぐ、んむ……んん!」
『良い子だ』
じゅぷ、ちゅぽっと音を立ててモモの触手に舌を這わせて、奉仕するように頭を動かす。
「ふっ、ん、んぐ……」
『ん、出すぞ……』
『ピュル……ドクドク』
「んん!」
喉の奥に直接熱い液体を流し込まれ、ゴクゴクと飲み干す。
「ふっ、んん……」
『コレで応急処置だ』
「ありがとう」
モモの精はHPに特化しているので、疲れや傷によく効く。
「……だいぶ強くなったと思うけど、魔王と戦うにはまだまだなんだな」
『……本当に戦うのか?』
「ああ」
『死ぬかもしれないのに……』
「死にそうになったら逃げるよ。一回で倒せるとは限らないし」
モモが触手で俺の頭を撫でる。
「モモ?」
『…………』
「どうした? 悲しそうな顔して」
『なんでわかるんだ』
「勘……なんだか、触り方がぎこちないっていうか」
頭にある触手に触れてみると柔らかいはずなのに、少し硬くなっていた。
『ジュンイチローが他の奴と交わっているのを見ると、なんだか気分が悪い』
「嫌って事か?」
『……恐らく』
モモは俺が他の誰かセックスをしている事に嫉妬しているらしい。しかも無意識で。
物知りで、俺よりずっとしっかりしてるモモの意外な一面にニヤけてしまう。
肉兎を抱き寄せて、頬を寄せる。
「モモ、大丈夫だよ。大丈夫。モモが一番好きだし、大切だ」
『!』
触手の張り詰めが解けて、いつも通りふにゃっとした弾力になった。
安心したようだ。
けれど、モモが嫉妬するならゴブリンはもう辞めよう。
バイトだけでは、数値はあまり上がらない。
やはり、純粋にレベルを上げるか。基礎を少しでも上げよう。
戦闘経験がほぼ皆無だから、指導員のゴドーさんに教えてもらおう。
※※※
「指導料一回、銀貨一枚って高くないですか?」
「文句言うな。そんだけ価値あんだよ」
銀貨一枚は日本の金銭価値観だと一万と同じだ。貧乏性な俺には銀貨一枚は高い。
しっかりやらなければ損だ。
まずは午前中にゴドーさんと走り込み、柔軟、筋トレをする。
「ふぅ、おめぇ結構体力あるな。身体も柔らかい。筋肉もまぁまぁある」
「無駄に雑務はしてませんから」
ふふんっと胸を張る。苦笑いされた。
午後からはゴドーさんと打ち込みをして、稽古を受ける。
『バキ』
「あ~」
『ベキィ』
「ああ~~」
「……はぁ、お前の太刀筋は一撃一撃が重い。魔法で強化された木刀が折れるぐらいだ」
「すみません」
攻撃力が四桁超えてるんで。
殴り合いとかしたら、確実に俺が勝つだろう。しかし、それは人間相手の話だ。
「刀より、こっちの方がいいかもな」
「わ! これって……」
「戦斧。体力馬鹿向けの破壊特化の武器だ」
「お……おお!」
手渡された大きな刃を持つ斧の武器は、木刀よりずっしりと重かった。
けれど、片手でも両手でも扱える。
「この武器でやってみるか」
「はい!」
「素振り三百回」
「え」
「え、じゃねぇよ。早く振れ」
俺は斧を構えて振るった。ヒュンッと空気を切る音が鳴って、ゴドーさんの言うように体力が無いとダメだ。刀とは違い、遠心力で振り回される。コレを制御しなければならない。
必死になって斧を振り続けた。
「ふっ……ふっ」
「よし。終わり。リーチはわかったな。今度はその武器に慣れる事。次は俺の投げる薪を斧で切れ」
「はい!」
『ビュン』
軽く投げられるのかと思ったら、思いっきり投げられた。
びっくりしたが、先程の素振りが身体に染み込んだのか、すぐに動けた。
『スパン』
乾いた音を立てて、薪が割れた。斧の重量に腕の力が合わさると、簡単に切れる。
「お、おお!」
「どんどん行くぞ」
その後、夕方になるまでひたすら練習して、夕飯を食べてから再びゴドーさんに特訓をお願いした。
「ふん! ふん!」
「銀貨の元をしっかり取りやがって……けど、こんだけ振り回して息切れもない。いつの間にそんな鍛えたんだ?」
「コレでも、俺はすごい頑張ってるんですよ」
バトルアックスを手に俺はそう答える。
すると、ゴドーさんが俺の頬に触れて、スリスリと優しく擦ってきた。
「う、ゴドーさん?」
「肌が荒れてる。しっかり食って、ちゃんと寝ろよ? 強くなりたいなら、体調管理は気を付けろ」
「はい」
最近焦ってたからな。
ちょっと一息は必要かもしてない。
バトルアックスをギルドに返してから家へ帰ると、モモが大きくなっていた。
「あ、ただいま。大きくなってどうしたんだ?」
『……体調が悪い』
「え!!」
『苦しい』
「ど、どどうしよ! どんな風に苦しい?」
モモが体調不良を訴えてきた。こんな事は初めてだ。
ベッドの上で背を丸めるように内側へ丸まっているモモ。
大きくなってしまっていて運べない。
『胸が締め付けられる……呼吸がし辛い』
「そんな……肺の病気? いや、心臓?」
どうしよう! どうしよう! どうしよう!!
昨日も今朝も変わった様子は無かった。変な物も食べてない。
魔物の病気なんて何も知らない。誰に診てもらえばいいのかわからない。
何も……何も出来ない……
「モモ、モモ……モモ、死なないでくれ」
『…………』
「モモが死んだら、俺ダメになっちまうから……頼む、どうしたらいいか、教えてくれ。なんでもするから。モモぉ」
『……ジュンイチローの情け無い顔見ていたら、楽になってきた』
「は??」
シュルシュルと小さくなったモモがシーツの上でコロッと転がりながら起き上がる。
『先程まで痛かったのに、お前が帰ってきたら徐々に治まった』
「そう? グス……良かった。モモが死ぬんじゃないかと思って、俺……めちゃくちゃ怖かった」
モモの柔らかい身体を撫でるとすり寄ってくる。
『ジュンイチロー、お前の事を思うと……体の内側が握り潰されているように痛む』
「ああ、心配し過ぎだな。モモは優しいから、俺を心配するあまりストレス感じてるんだきっと。さっきの俺も、モモが死ぬかもって思ったら胸が締め付けられて息がうまく出来なかった」
思っている以上に俺達はお互いが大事な存在になっていたらしい。
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「うん。俺も」
俺はその晩ずっと、小さなモモを抱きしめて眠った。
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