癖の強いBL短編集

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壁の向こうから、失礼します。③

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注意※白々しい胸糞?

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『最近体調が良くないようだが、病院に行った方がいいんじゃないか?』
『大丈夫。ちょっと熱っぽい、だけだっ、から。あとしゃっく、りも、出やすくなってる』
『いつも無理をさせている所為かもしれないな。当分の間、夜は控えよう』
『っ……わか、た』

 水戸さん結構慣れてきたな。
 海老名さんの前でケツにローター三個咥え込んで前立腺ぶるぶるされてんのに吃逆しゃっくりで誤魔化してる。
 思った以上に狡賢い人だ。

『しないなら、いっぱいキスしてほしい』
『わかった』
『……んっ』

 そんで思った以上に年下彼氏に甘えただ。
 心配をかけたくないのか、はたまた恥ずかしいのか、性的な心霊現象を相談する気はないらしい。海老名さんが水戸さんが幽霊にいいように抱かれてるなんて知ったら、即刻引っ越してしまうだろう。
 俺的には有難いが、相談せずにいたら、バレた時に喧嘩へ発展してしまうかもしれない。

「(……はぁ……)」


 水戸さんが好きだ。けれど、水戸さんが好きなのは海老名さんだ。そんな事わかっている。レイプしておいて、恋仲になりたいと思う程図太くない。
 それから何より、二人を拗れさせて別れさせたいわけじゃない。ラブラブの二人だからこそ、こちらも遠慮なく興奮出来るんだ。
 
「(……うーん…………我ながらクズい)」

 ズルンとローターを一気に引き抜いて、甘イキする縦割れアナルの反応を動画に収めておく。
 この生活を続けていれば、いずれは水戸さんの限界がくる。引っ越される前にオカズの収集をしておいて損は無いだろう。

『~~ッ……』
『……キスだけですごい感じてるな』

 疼いてるのに抱いてもらえないとわかってるから、腰をもじもじと揺らめかせている。スライダーで距離を置いて発情している水戸さんの姿を盗撮する。
 このエロい水戸さんを見ても気遣いで我慢出来る海老名さん。だからこそ水戸さんの彼氏に相応しいと思い知らされる。
 我欲を抑制して、相手を尊重して、気遣える人間だ。

 俺は気遣いも我慢も出来ない。水戸さんの心を尊重なんてしていない。
 横で海老名さんが寝ているのを確認してから、水戸さんをめちゃくちゃに犯す。
 口を両手で押さえて、声を押し殺しながら、身体を仰け反らせている。
 見えないが、布切れの音とモノに伝わる腰の角度で容易にポーズが想像出来る。
 日頃からしてる妄想の賜物だ。

『グチョグチョ、グププ』
『ッ……ッん……~~~~ッッ』

 イってる。ああ、水戸さんが海老名さんの横で俺に犯されて、イってる。気持ち良くて蕩けた表情が目に浮かぶようだ。
 輪っかを床に置いて、腰をガツガツと打ち付ける。
 いつも手で持って動かしてたから、腰付きだけでやると、本当のセックスみたいだ。

『……ひさと?』
『!?』
『気分が悪いのか? 苦しそうだが』
『ごめ……起こしちゃっ、た?』

 海老名さんが起きてしまった。少しペースを緩めて様子を伺う。

『ちょっと……ん、気分が……すぐ、落ち着くから』
『そうか……』

 あ、コレは後ろから抱き締められてる感じだな。

『……何かあればすぐに言ってくれ』
『う、ん……ッ』

 眠かったのか、すぐに寝息が聞こえ始めた。
 そこを狙って、動きを再開する。
 めちゃくちゃ興奮する。愛しい水戸さんを心配して腕の中に収めてるのに、現在進行形で大事な大事な水戸さんが他の男に犯されてイかされてるのに。
 健気に快感による声も絶頂による震えも抑えめ込んで、ヘコヘコと腰を振っている水戸さん。
 なんて可哀想で可愛いだ。

『(やめて、お願い、海の前でこれ以上……イきたくない、のに)』
『グポッグパン、ズチュ、ゴチュ』
『(クる、すごいのクる……いや、嫌だ、中に出される。海の目の前で中出しされる)』
『ドビュルル! ゴプ!』
『ひぎ、ぃ……うぁ……!!』
『……ピュク』

 ガクンと腰が揺れて、トコロテン射精をしてしまったようだ。
 いやでも俺マジでクズだな……自覚しながらそっと水戸さんの中からズルリと肉棒を抜き取る。
 水戸さんはトイレへヨタヨタと入り、俺のものを泣きながら掻き出していた。白濁で汚れた下着をトイレットペーパーで拭って洗濯機に投げ入れていた。
 鼻をグズグズ鳴らしながら海老名さんの腕の中に戻る。胸に顔を埋めてか細く震えた声でポツポツと謝っていた。

『……ごめん、なさい……ごめん……ごめんなさい……』

 水戸さんは何も悪くないのに、寝落ちするまで海老名さんに謝り続けていた。
 流石に罪悪感を覚えたが、萎えたはずの愚息が元気になってしまった。
 けれど二回戦を始める程俺も鬼畜ではないので、録画した物を確認しながら抜いた。
 もう、海老名さんへの妬みもない。それを抱ける立場は自分で壊した。


 輪っかを手に入れて半年が経った日。
 水戸さんが挙動不審になり始めていた。
 外に出た時に一回だけ犯したらレジのお姉さんの前でイってしまった。マスクをしていて周りにはバレていなかっただろうが、遠距離に切り替えた俺には丸わかりの反応だった。
 その一回が結構堪えたらしく、必要最低限の外出に留めている。
 ゴミ捨ての時に挨拶はしてくれるが、俯いてそそくさと部屋に戻っていく。

「(……やり過ぎたか)」

 俺は朗らかな水戸さんが好きだ。
 笑顔のその裏でエッチが大好きなエロい水戸さんが好きだ。
 背に腹は変えられない。長く続けるには、ケアも必要だよな。
 次のゴミ出しの日に、俺はとある作戦を決行した。
 水戸さんが出て来たタイミングを見計らって、偶然を装い一緒にゴミ出しへ行く。

「水戸さん、おはようございます」
「っ、おはよ……」
「顔赤いですよ? 風邪ですか?」
「そう、かも……」

 ゆっくりとした歩みで廊下を進む水戸さん。

「大丈夫ですか? 良かったら、ゴミは俺が捨てときますよ?」
「ぅ、ううん。これぐらいは、大丈夫だから。あっりが、とぉ」

 うるうるとした瞳に見上げられ、人の良さに目頭が熱くなる。
 だって、今の水戸さんはディルドを奥まで咥えて歩いてるんだから、大丈夫なわけない。
 階段を降りる度にトチュンと奥を突かれる状態だ。

「無理しないでください。足元フラフラですよ」
「っ……はぁ……ごめん」
「ゴミ持ってくんで、部屋に戻ってゆっくりしてください」
「…………ごめん」

 しょげしょげと申し訳なさで泣きそうになってる水戸さんを抱き締めたい欲求にかられながらも、元気よくゴミを両手に持ってゴミ捨て場にボスッと置いて戻る。
 辛いだろうに、お礼を言う為に二階で待ってくれていた水戸さん。

「(貴方ならきっと待っててくれると思いました……)」

 ニヤけるのを抑えて、水戸さんの元へ向かうと相変わらず俯きがちだ。

「……本当に、ごめんなさい」
「そんな謝らないでください。貴重な隣人なんですから、助け合いましょ」
「……ありが──」
『カチ』
「ひっ!」
「水戸さん?」

 ポケットに入れておいた電動ディルドのリモコンのスイッチを入れる。
 その途端、目の前で水戸さんがズシャンと崩れ落ちてしまった。

「(なにこれ! なにこれなにこれ! いつもと全然違う……機械? すごい振動と畝りっ、ダメ、ダメダメ、人前なのに、こんなのすぐにイっちゃう)」
「立てますか? なんかガクガク震えてますけど、吐きそうですか?」

 ソッと背中を撫でると、敏感になっているのかビクビクっと腰をリズミカルに痙攣させて口に手を当てながら必死に頷く。
 俺の示した逃げ道にまんまと走り込んでくる。そりゃ、ケツにデカくてぶっといナニかが入って自分を責め立ててるなんて言えるわけない。

「えーっと、えーっと、とりあえず、トイレで出しましょう」

 水戸さんを抱え上げて、俺の部屋へ連れ込んだ。そしてトイレへ案内して背中を摩り続ける。
 隣の俺には見えてないと思って便器に手をついて膝立ちで腰をヘコヘコと振ってる。丸見えで、間抜け可愛い。

「あっ……ぅえ……ゴホ、ゴホ!」
「朝食食べてないんですか? 何も出てこない……水飲みます?」

 コクコクと頷くのを見てキッチに向かう為にトイレの扉を閉める。

『カチカチ』
『~~~~ッッ!?』

 振動レベルと動きを変化させて、静かに水戸さんのナカを蹂躙する。
 中で悶えてる音が聞こえるが、無視してコップを持ってトイレの扉を開ける。

『ビュク! ビュルル、ビチャ、ピチャ』
「ぁ、ああ、ごめんなさい! ごめんなさいぃ!」
「………………」
「みないれ、くださ、ぁ、あああ!」

 予想外の光景だった。
 下を脱ぎ去ってタンクに手をついてこちらにエアディルドを咥えて戦慄くアナルを見せつるように卑猥に腰を振って、派手に便器の中へ射精していた。
 力が入ってないようで便器を跨いだ足がガニ股になっているところがあまりにエロい。

「……あの……水戸さん?」
「ち、違うんです……コレには、わけが」
「ああ、はい。き、気分が悪いわけじゃなくて良かった……ああ、大丈夫ですよ。警察呼んだりはしませんから」
「ぃや、本当にコレは……ひぁ」

 必死言い訳をしようとしてるけど、ディルドに責められ続けてる反応が顕著に出て説得力が皆無だ。

「もし、隣人のトイレで腰振ってビュービュー射精しちゃうド変態な水戸さんでも、俺は貴方の言葉を信じたいです。わけがあるなら聞かせてください」

 水戸さんの肩を掴んでクルリと前を向かせてちゃんと便座に座らせる。
 ディルドで奥を無遠慮に突かれているのに、何も知らない隣人(原因)の目を見つめて事態を説明しなければならない。
 とんでもない醜態を晒した後の羞恥プレイに水戸さんは湯気が出そうなほど真っ赤になり、脱水を起こすのではないかと思うほどの汗をかいていた。

「水戸さん……ゆっくりでいいですよ……絶対、俺は貴方を責めたりしませんから」
「ぁ……その……し、信じられない、かも、しれないけど、お、ぉぉ、おお尻に、何か、入ってて」
「…………お尻に何か入ってて、気持ちいいんですか?」
「ふぇ?」
「射精するぐらいですし、快感はあるんですよね? え? 常日頃から?」

 俺の白々しい質問に、水戸さんはグッと口を噤むぎ、浅く頷いた。

「ええ……大変だったでしょう。そんな変な状態での生活……さっきのも急にですか? 外に出るのも嫌になりますね」
「っ!」

 自分の言葉を信じて、苦労と苦痛に理解と同情を示す俺に水戸さんの目が見開かれ、どんどん潤んでいき最後にはボロボロと大粒の涙が溢れ落ちていく。

「み、水戸さん!?」

 突然泣き出してしまった水戸さんに大慌てでハンカチを渡す。
 オロオロしていたら、嗚咽しながら喋ろうとしてくれたので耳を寄せる。

「は……ずかしい……」
「……え?」
「よく、わかんない……こん……なの、はしたないってわかってるのに、やっぱり気持ち良くて……うぐ」

 今までで一番弱々しく羞恥と苦悩をぶち撒ける涙声に、興奮しすぎて頭がチカチカする。
 
「幽霊なのか……病気なのか……わかんなぃ……今も、ずっと」
「今……どんな感じなんですか?」
「ココらへん、トントンされてる。振動しながら」

 下腹部を撫でて俺に説明をしてくれる。
 
「気持ちいいですか?」

 コクコクと目を瞑って頷く水戸さん。
 ああ、キスしてしまいたいけど、手を出しちゃダメだ。

「ええっと……気持ちいいなら今は一旦身を委ねてソレが去るのを待ちましょう。四六時中入ってるわけじゃないですよね?」
「いつもは……勝手に抜けるんだけど、今日は起きたら入ってて……」

 起きた時に入れたからな。
 震災対策の振動吸収シールで固定したディルドが棚の中で輪っかを穿っている状態だ。

「ひとまず水飲みます?」
「ぁ、うん」

 横に置いた水を取る動作の中でポケットに入ってるリモコンのスイッチを布の上から最大まで押し上げる。

「ーーーーッッ!! あ」
「はい、どうぞ」
『プシャ』

 声にならない声を上げて水戸さんが仰け反った瞬間、俺の差し出したコップと俺の顔にビシャビシャと勢いよく水がかかる。
 無味無臭、人肌の透明な水がぶっかけられた。

『プシャン! プシャアアン! ビシャ、ビシャ』
「やだやだ、止まんなぃ! ごめんなしゃっ、あああ!」

 水戸さんが俺の目の前で無様に潮吹き絶頂をしている。
 ディルドの動きに感じすぎて腰が下品にカクンカクンと前後に動くのがエロ過ぎる。
 俺に潮をぶっかけた事で水戸さんが謝罪を口から発しているが、その腰の動きは止められないみたいだ。
 潮を吹く陰茎を両手で押さえて、水飛沫を尿のようにジョロジョロと封水へ垂れ流す。

『ショロロロ、ビジョォオオオ』
「やらぁ……みにゃいれぇ……」

 俺に見られたまま恍惚とした表情で潮を漏らしている水戸さん。惨めで哀れだが、もう俺の掌の上でこんなにもぐちゃぐちゃになってくれるなんて……ああ、ああ……愛おしい。可愛過ぎる。

「水、替えてきますね」
「ごめんなさいっ、ごめんなさいぃ」
「平気平気。気にしないでください」

 水を入れ替えると言って、トイレから出てキッチンへ行き、棚の中に置いてある輪っかのスイッチを切った。えげつない動きをしている電動ディルドの本体部分がパッと現れた。ディルドの電源も切り、水をもう一度注ぎ、トイレへ戻った。

「はーっ……はーっ……ひっく」
「……水戸さん」
「ご、め、ごめんなさい……ごめんなさい……俺、なんて、事を……」
「水戸さんの所為じゃなくて、ナカに入ってる物の所為でしょ。自分ばかり責めないでください。はい、飲んでください」

 水戸さんの口にコップを押し付けて、水を飲ませる。
 あれだけ水分を外に出したのだから、乾きは必然だ。ゴクゴクと全て飲み干した水戸さんは、少し落ち着いた様子。

「今は入ってませんか?」
「うん……急に無くなった」
「良かったぁ……あーー、海老名さんはこの症状なんて言ってるんですか?」
「い……言ってない」
「は? 言ってないんですか?」

 ちょっと語気を強めて言えば、水戸さんの肩がビクッと跳ねる。自分でもダメな事だと気付いてるみたいだ。

「ダメですよ。そういうのは恋人にしっかり相談しないと」
「こ、ここ、恋人!?」
「いや、なんでバレないと思ってるんですか……ココは壁薄いんですよ。お尻が気持ちいい理由だって察し付きますよ」
「ーー~~ッッ……ご、ごめんなさい!! 本当に……迷惑ばっかり……あぁぁ!」
「いやいや、別にそれは良いんです。問題は相談してない現状です」

 水戸さんに海老名さんへ現状の相談を行うように言い聞かせる。
 それと、外に出てもそういう事が起きるなら、水戸自身にそういう幽霊が憑いてるのでは? と言っておいた。即日引っ越しを防ぐ為に。
 
「あと、俺に相談した事は言わない方が良いですよ。恋人より先に相談って……普通、怒りますから」
「う、うん。わかった……いろいろとありがとう」
「いいえ。いつも良くしてもらってるんで」

 本当にいつもお世話になってます。
 そして、トイレを掃除してから水戸さんを隣へ帰した。
 シャワー浴びて一発抜いてから、隠していたスマホを確認したら。

「(ばっちりだ。俺、才能あるかも)」

 跨り射精もぶっかけ潮吹きもばっちり撮れていた。
 余は満足じゃ。

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