【R18】乾き潤いワッハッハ!【BL】

7ズ

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番外編②

第一話・続く日々

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事故物件に住み憑いていた元幽霊の那月さんの訪問から一ヶ月が経った。
 怪奇現象はすっかり無くなり、少し寂しさを覚えながらも俺と盃の平穏な日々が続いている。

「あっ、ああ、ぅんんッーー!」
「盃……メスイキしやすくなったな」
「はぁ……はは、竹葉の、気持ちぃからっ!」

 今は、ベッドの上でSEXの最中だ。現在七ラウンド目。
 腰を打ち付ける度に、肌がぶつかり合う音と共に、甘い喘ぎ声が響く。
 身体が感覚を覚えたのか、感度が上がったからか理由は定かではないが、盃がメスイキに至る回数が増えてきている。
 今日は一段と、乱れて可愛いな……

「ああっ、たけはっ! またイく、イくッ!! あ、あああ!」
「盃、すげえ可愛い……」
「あ、うう……たけは、キスして……お願い、またくる、終わらなッ、い! んっ」

 絶頂を迎える直前、盃がキスを強請ってきた。
 唇を重ねると、俺に縋り付くように手足を絡めてくる。背中に爪を立てられたのかピリッとした痛みが走った。
 中が痙攣し、搾り取られるような締め付けに、我慢出来ずに射精してしまった。

「はぁ……はぁ……あ、ああ……ふぁ……っあ」
「……っ、盃、今日は」
「はぁ、もう一回……だけ」
「さっきもそれ言ってたろ……今日はコレで切り上げよう。メスイキもしてるし、無理しないでくれ」
「うー……」

 不満そうな顔をする盃。メスイキのフラッシュバック体質の盃は、不定期に押し寄せる快感の波に揉まれている。気持ちよさそうだが、辛そうだ。
 その快楽をSEXで上塗りしようとすればメスイキを誘発して悪循環になる。
 
「ぅ……はぁ……」
「…………」
『ごくり』

 事後にくったりとした盃の色気は凄まじい。喉が鳴ってしまうのは仕方ないと思う。
 
「風呂に入って飯にしよう」
「……うん」

 ムスッとしてる顔も可愛い。
 引っ越し先の風呂は広いが、男二人で湯船に浸かるには、やはり身体を密着させる必要がある。

「ふぅ……ぅ……んん」
「盃、大丈夫か?」
「あぅ、う……ヤバいかも」

 余韻に弄ばれる盃の身体を抱き寄せ、支えながら、俺はゆっくりと頭を撫でた。

「あ、ぐッ~~!」
『バシャ』


 フラッシュバックした快感に盃は身体を震わせ、俺の背に再び爪を立てて耐え凌ぐ。少しお湯が染みるが、コレは恋人特権だ。

「はーッ……ぅ、竹葉ぁ」

 甘えた声を出してすり寄ってくる盃が愛おしくて、このまま抱いてしまいたい衝動に駆られるが我慢。
 フッ……三ヶ月も我慢出来た俺にこの程度のお預けは屁でもない。勃ってるけど。

「立てるか?」
「うん。ありがとう」

 脱衣所で身体を拭き合い、パンツを履く。

「あ! 竹葉、ごめん!」
「ん?」
「背中……ジュ◯シッ◯・◯ニバー◯のポスターみたいにしちゃった」
「それ骨見えてないか!?」
「本当ごめん……手当するから、ソファー行こう」

 物騒な表現をされたが、少し出血した程度だ。
 消毒して、傷跡ケアテープを丁寧に貼られる。

「ああ、俺のせいで……竹葉、俺、どうしたら良い? 何かお詫びさせて」
「大袈裟だな。背中の傷はSEXの誉れだ」
「怪我は怪我だよ」

 盃の落ち込み様に、苦笑いしてしまう。
 大事にされている実感が湧く。別に痛いわけじゃない。
 気にしなくていいと言いたいが、盃の言うお詫びが気になる。

「お詫びって、何かしてくれるのか?」
「えっと……何でもする。マッサージでも、家事でも、SEXでも、それ以外でも……」

 なんでもいい……うーむ。魅力的な響きだ。だがなぁ……俺としては、もう十分すぎるくらい満たされてるんだよな。
 盃が居てくれるし。

「じゃあ、毎日、俺の為に味噌汁を作ってくれ」
「みそっ……」

 紅潮した顔を伏せて小さくなる盃を見て、自分の言ったセリフの意味を理解する。
 意図せずプロポーズをしてしまった。

「ま、待て! 今のは無し! 冗談……でもないけど、プロポーズはちゃんとしたいから、今の無し!」
「わ、わかった……」

 日本じゃ同性婚は出来ないが、コレからも共にあろうと言う誓いは誰にも阻まれる事のない行為だ。
 
「そうだ……盃、来月の三連休、旅行に行かない?」
「!」

 二人で遠出はした事がない。
 幸い、お互いに祝日もしっかり休める会社だ。
 日帰りでもいいし、泊まりでもいい。
 デートプランを二人で練るのもきっと楽しいはずだ。

「お詫びに、俺といっぱい思い出作ってくれよ」
「いや、お詫びになってないって。それはご褒美だよ」
お詫びごほうびだって」
「ご褒美on theお詫びなんよ!」
「◯ブじゃ」

 俺の言葉の意味をワンテンポ置いて理解した盃が吹き出した。
 笑いの絶えないリビングで、顔を見合わせて、俺は幸せを噛み締めた。
 こんな日をいつまでも続けたい。
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