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3章:エントの森
エントの森の夜
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どこに視線を向けても暗い緑が目に入る。下を見ればさらに暗い緑、赤、黒、茶が目に入る。体制を崩さないように注意しながら8人は山道を進む。
「なぁ、川で襲ってきたやつは追いかけてこんのか」
ダグザがすたすたと進む人間、エルフの背中に問いかける。先頭を歩いていたアルロは「おそらく」とだけ答えた。襲ってこない確証はない。しかし、襲うのであれば岸まで追いかけてきたことだろうと判断していた。
「なぜじゃ」
「あれはたぶん小人族だよ。小人族は基本縄張りを出てまで戦ったりしないんだ」
続くダグザの問いにカムロスが振り向き答える。カムロスはそのままダグザのほうに体を向け、後ろ向きに歩き続ける。
「小人族だと」
「そうだよ」
「小人族は好戦なやつだろ」
ゴヴニュの小さく低い声がつぶやかれた。その言葉をカムロスは否定した。
「好戦的じゃないよ。ただ気が立っているんだと思う」
カムロスは口元に手を添えて、鳥や木々から聞いたことを思い返す。
ー闇が近いよ
ー小さい人が慌ててるよ
ー小さい人が怖いよ
ー小さい人が歌ってくれないよ
「小人族はそもそも温厚で明るい種族なんだ」
「違う!」
ゴヴニュだけでなく、ダグザやドルドナまでもが大きな声で否定した。少ししか見えない肌を激昂の色に染めて。
ドワーフが否定するのは当然だった。太陽暦7世紀に小人族に襲われ、多くの同族と住処であった鉱山を追われていた。
きらめく鉱石を採掘し煌びやかで美しい装飾品を生み出し、富を手にしたドワーフ住まう山ヴォンダール山。
かつて、そう呼ばれた山にドワーフはいない。各地に飛び散り、細々と生活しているものが多い。その山にはドワーフの代わりに小人族が住み着いているといわれている。本来、温厚で愉快な種族である小人族の行動はいまだに謎が多い。ただはっきりしていることは、関わるべきではないということだ。
カムロスは大きな否定の叫びに眉をひそめ、体の向きに前に戻した。その様子にドワーフ3人は悪いことをしてしまった、と顔を見合わせた。しかし、偏屈ぞろいのドワーフが素直に詫びや訂正をできるはずもない。
「くっそ」
ドルドナが小さくそう、ぼやくと飛ぶように走りカムロスの横についた。何かを言いあう2人をダグザもゴヴニュも目を丸くして見ていた。
「仲が良いな、あの2人は」
後ろを歩くベレヌスに声をかけられ、目線を上げれば楽しそうな目で前を見る顔があった。ダグザも見る。カムロスに肩を組まれ、怒鳴るドルドナ。ならばと脇に抱えられ、さらに暴れる短い手足を笑い飛ばすカムロスがいる。
「ベレヌス、ドワーフとエルフが肩を寄せ合うなど考えもせん」
ダグザの心なしか疲れたような乾いた声にベレヌスは苦笑を浮かべた。おそらく、3人で旅をしている間にいろいろなことがあったのだろうことは想像がついた。
「ドルドナは頭が柔らかい」
ゴヴニュの言葉にダグザが大きく頷くのを見て、問題はこのゴヴニュではないかとベレヌスは察した。
(寡黙な男だとはわかっているが、かなり頭が固いドワーフの中のドワーフなのではないか)
ベレヌスは少し先を行く諦めたドルドナを脇に抱えたカムロスたちをみて、すぐ前のゴヴニュをみる。
ー燃える森の中、ゴヴニュが1人立っている
ーその手にあるのは
「ーやめろ!」
ベレヌスはかすんだ中に見えた景色から意識を戻した。足を止めていたのか、ダグザとゴヴニュとの距離があいていた。
進まなければと思うベレヌスの足は気持ちと反して動かない。視線はゴヴニュに固定されたままだ。ベレヌスは息を深く吸い込み、一度ため込むと肺を殻にするかのように息を吐きだした。
「なにしてるの? ベレヌス」
先の先にいるカムロスとミーミルが振り向きベレヌスを振り返った。ベレヌスはなんでもないと、手を挙げると軽快に7人の後ろへと急ぐ。
何を見たのかわからない。ただゴヴニュへの警戒心がこの時、ベレヌスの中にわずかに生まれた。仲間であるゴヴニュを警戒しなくてはならないことにベレヌスは悲しみと罪悪感を覚えた。
薄暗い森を8人は歩く。時折舞い散る木の葉にまみれ、目印なき森をひたすら歩いた。
一枚の地図とドンナトールの記憶を頼りに歩く8人。最初のほうは見慣れない植物や見慣れない生物に変化を感じていた。しかし、どんどんと同じものばかり見ているような気がしてくる。進めど進めど、あるのは緑のみ。気がおかしくなりそうな感覚を覚える。
「今日はここまでとするかの」
ドンナトールが腰に手を当てて大きな木を見上げる。根元に大きな穴をこさえた木は立派なものだ。その根元にダグザたちドワーフが尻餅着くように腰を下ろした。全体的に短い分、ほかの5人よりも疲労は大きい。
「今どのあたりですか」
ベレヌスはドンナトールが広げる地図を覗き込む。
「ここじゃ」
「明日つくか微妙ですね」
ドンナトールが指示した点は岸と目的地の丁度、中間。明日も同じ速度で進むことができれば、夕方につける。しかし、そのような確証はない。
「そうじゃの。しかしなるべく早く中央に向かい、森を抜けねば水が底をついてしまう」
「たしかに」
ベレヌスはドンナトールの心配の声に腰に下げた水筒を揺らした。今は大きく揺れと水量を感じるが明日には尽きるだろう。ベレヌスは、川はないのか、と地図に目を走らせる。川や湖等は中央よりも東側にあるようだった。
「なんとか明日、中央につきたいですね」
「ドワーフたちにはがんばってもらわねばの」
「ですね」
ブーツを脱ぎ捨てたドワーフたちは腕と足を大きく広げ敷物のように休んでいる。上を向く顔についている口から音が漏れるのも時間の問題だ、とベレヌスは思った。
「エントはいないのか」
アルロがあたりを見渡しながらベレヌスとドンナトールのもとに来た。ベレヌスは首を傾げてアルロを輪に招いた。
「いたじゃないか」
「いたのか!?」
「俺は3体しか気が付かなかったが」
ベレヌスはそう言いドンナトールに目を向ける。ドンナトールは来た道を思い出しながら指を折って数える。5本の指が折れ、また真っ直ぐに戻されていく。アルロはそんなにいたのかと、何度も折って、伸び手を繰り返すドンナトールの左手を見続けた。
「21かの」
「29だよ」
ドンナトールの答えの後に若い声が続いた。双子のエルフが大きな木の上から軽やかに舞い降りる。長く色素の薄い髪をなびかせながら降りる様は、まさにエルフ。
「そんなにいたのか」
「そうだよ。ベレヌスもまだまだだね」
「私なんかまったくわからなかった」
口をとがらせ不服そうなベレヌスの横で、アルロは肩を落とす。これでは危険すぎると、先行きが危ういと感じずにはいられない。肩を落とす隣の男にベレヌスはフォローを入れた。
「アルはエントを見たことないのだろう。見たことないものを見つけるなんて至難の業だ。エントはほとんど木と変わらない。気配もほとんどないんだ」
「ベレンはどうやって判断するんだ」
「顔がありそうな場所をみるんだ。少しでも幹に変化があればエントだ。あの木で言えば、あの苔の少し上あたりが顔になるな」
ベレヌスは巨木の大分上を指さした。アルロは指さす場所をみて、全体を確認する。下から3分の2の位置に顔があるのだろうと検討をつける。
「だったらあの木で言えば、鳥の巣穴の下くらいが顔なのか」
「そうだ」
アルロはなるほどと頷き、周りに生える木々を観察し始めた。その様子を面白くなさそうに見つめる目が4つあった。
「なんで僕に聞かないの」
「そうだよ」
双子がアルロに肩をかけもたれかかる。アルロはたたらを踏む。
「じゃあ、カムロスとミーミルはどうやって見分けるんだよ」
ベレヌスは双子を見る。双子は得意げにのたまった。
「見たらわかる」「勘」
ベレヌスとアルロは目を合わせてから揃ってため息をついた。身体能力と自然把握能力に長けたエルフの助言はあてにならない。
「さぁさぁ、今日は僕たちが不寝番だよ。早く寝ないとだめだよ」
いつの間にかアルロから離れた双子はベレヌスの頭にポンポンと手を載せて軽やかにどこかへ消えた。
「子供扱いしやがって」
組んだ腕をそのままにベレヌスは双子が消えた先を睨みつけた。
「エルフからしたら子供なのかもしれないぞ」
近寄りながらそういうアルロを恨めしい目で睨みつけた。
「じゃあアルも同じ目に合えばいい」
「私は大人だ」
まさかの返しにベレヌスはパッとアルロを見れば、意地悪な顔をしていた。その表情にベレヌスは顔をしかめる。
「俺が子供だと」
「私の方が年上だ」
片方の口角だけを器用に上げたアルロは双子と同様にベレヌスの頭に手を置いた。
「3歳だけだろ!」
ベレヌスは納得できないと拗ねたような声を出した。その声に巨木に歩くアルロは笑い声をあげて答えた。納得できない心を表すかのようにベレヌスは力強い歩みで、巨木もとに向かう。ドワーフたちはいびきを鳴らし、ドンナトールは鼻歌を鳴らし、アルロとベレヌスを迎えた。静かな森に聞こえる音は仲間の音。
しかし、本当は違う。
ーヤナ ケハイスル
ーキケンダ キケンダ
ードウスル ドウスル
木々が風に揺られざわめく音の中に、かすかに混じる音があった。その音を誰も気が付かない。エルフである双子さえも気が付かない。
月照らす深い森が不自然に動いている。
「なぁ、川で襲ってきたやつは追いかけてこんのか」
ダグザがすたすたと進む人間、エルフの背中に問いかける。先頭を歩いていたアルロは「おそらく」とだけ答えた。襲ってこない確証はない。しかし、襲うのであれば岸まで追いかけてきたことだろうと判断していた。
「なぜじゃ」
「あれはたぶん小人族だよ。小人族は基本縄張りを出てまで戦ったりしないんだ」
続くダグザの問いにカムロスが振り向き答える。カムロスはそのままダグザのほうに体を向け、後ろ向きに歩き続ける。
「小人族だと」
「そうだよ」
「小人族は好戦なやつだろ」
ゴヴニュの小さく低い声がつぶやかれた。その言葉をカムロスは否定した。
「好戦的じゃないよ。ただ気が立っているんだと思う」
カムロスは口元に手を添えて、鳥や木々から聞いたことを思い返す。
ー闇が近いよ
ー小さい人が慌ててるよ
ー小さい人が怖いよ
ー小さい人が歌ってくれないよ
「小人族はそもそも温厚で明るい種族なんだ」
「違う!」
ゴヴニュだけでなく、ダグザやドルドナまでもが大きな声で否定した。少ししか見えない肌を激昂の色に染めて。
ドワーフが否定するのは当然だった。太陽暦7世紀に小人族に襲われ、多くの同族と住処であった鉱山を追われていた。
きらめく鉱石を採掘し煌びやかで美しい装飾品を生み出し、富を手にしたドワーフ住まう山ヴォンダール山。
かつて、そう呼ばれた山にドワーフはいない。各地に飛び散り、細々と生活しているものが多い。その山にはドワーフの代わりに小人族が住み着いているといわれている。本来、温厚で愉快な種族である小人族の行動はいまだに謎が多い。ただはっきりしていることは、関わるべきではないということだ。
カムロスは大きな否定の叫びに眉をひそめ、体の向きに前に戻した。その様子にドワーフ3人は悪いことをしてしまった、と顔を見合わせた。しかし、偏屈ぞろいのドワーフが素直に詫びや訂正をできるはずもない。
「くっそ」
ドルドナが小さくそう、ぼやくと飛ぶように走りカムロスの横についた。何かを言いあう2人をダグザもゴヴニュも目を丸くして見ていた。
「仲が良いな、あの2人は」
後ろを歩くベレヌスに声をかけられ、目線を上げれば楽しそうな目で前を見る顔があった。ダグザも見る。カムロスに肩を組まれ、怒鳴るドルドナ。ならばと脇に抱えられ、さらに暴れる短い手足を笑い飛ばすカムロスがいる。
「ベレヌス、ドワーフとエルフが肩を寄せ合うなど考えもせん」
ダグザの心なしか疲れたような乾いた声にベレヌスは苦笑を浮かべた。おそらく、3人で旅をしている間にいろいろなことがあったのだろうことは想像がついた。
「ドルドナは頭が柔らかい」
ゴヴニュの言葉にダグザが大きく頷くのを見て、問題はこのゴヴニュではないかとベレヌスは察した。
(寡黙な男だとはわかっているが、かなり頭が固いドワーフの中のドワーフなのではないか)
ベレヌスは少し先を行く諦めたドルドナを脇に抱えたカムロスたちをみて、すぐ前のゴヴニュをみる。
ー燃える森の中、ゴヴニュが1人立っている
ーその手にあるのは
「ーやめろ!」
ベレヌスはかすんだ中に見えた景色から意識を戻した。足を止めていたのか、ダグザとゴヴニュとの距離があいていた。
進まなければと思うベレヌスの足は気持ちと反して動かない。視線はゴヴニュに固定されたままだ。ベレヌスは息を深く吸い込み、一度ため込むと肺を殻にするかのように息を吐きだした。
「なにしてるの? ベレヌス」
先の先にいるカムロスとミーミルが振り向きベレヌスを振り返った。ベレヌスはなんでもないと、手を挙げると軽快に7人の後ろへと急ぐ。
何を見たのかわからない。ただゴヴニュへの警戒心がこの時、ベレヌスの中にわずかに生まれた。仲間であるゴヴニュを警戒しなくてはならないことにベレヌスは悲しみと罪悪感を覚えた。
薄暗い森を8人は歩く。時折舞い散る木の葉にまみれ、目印なき森をひたすら歩いた。
一枚の地図とドンナトールの記憶を頼りに歩く8人。最初のほうは見慣れない植物や見慣れない生物に変化を感じていた。しかし、どんどんと同じものばかり見ているような気がしてくる。進めど進めど、あるのは緑のみ。気がおかしくなりそうな感覚を覚える。
「今日はここまでとするかの」
ドンナトールが腰に手を当てて大きな木を見上げる。根元に大きな穴をこさえた木は立派なものだ。その根元にダグザたちドワーフが尻餅着くように腰を下ろした。全体的に短い分、ほかの5人よりも疲労は大きい。
「今どのあたりですか」
ベレヌスはドンナトールが広げる地図を覗き込む。
「ここじゃ」
「明日つくか微妙ですね」
ドンナトールが指示した点は岸と目的地の丁度、中間。明日も同じ速度で進むことができれば、夕方につける。しかし、そのような確証はない。
「そうじゃの。しかしなるべく早く中央に向かい、森を抜けねば水が底をついてしまう」
「たしかに」
ベレヌスはドンナトールの心配の声に腰に下げた水筒を揺らした。今は大きく揺れと水量を感じるが明日には尽きるだろう。ベレヌスは、川はないのか、と地図に目を走らせる。川や湖等は中央よりも東側にあるようだった。
「なんとか明日、中央につきたいですね」
「ドワーフたちにはがんばってもらわねばの」
「ですね」
ブーツを脱ぎ捨てたドワーフたちは腕と足を大きく広げ敷物のように休んでいる。上を向く顔についている口から音が漏れるのも時間の問題だ、とベレヌスは思った。
「エントはいないのか」
アルロがあたりを見渡しながらベレヌスとドンナトールのもとに来た。ベレヌスは首を傾げてアルロを輪に招いた。
「いたじゃないか」
「いたのか!?」
「俺は3体しか気が付かなかったが」
ベレヌスはそう言いドンナトールに目を向ける。ドンナトールは来た道を思い出しながら指を折って数える。5本の指が折れ、また真っ直ぐに戻されていく。アルロはそんなにいたのかと、何度も折って、伸び手を繰り返すドンナトールの左手を見続けた。
「21かの」
「29だよ」
ドンナトールの答えの後に若い声が続いた。双子のエルフが大きな木の上から軽やかに舞い降りる。長く色素の薄い髪をなびかせながら降りる様は、まさにエルフ。
「そんなにいたのか」
「そうだよ。ベレヌスもまだまだだね」
「私なんかまったくわからなかった」
口をとがらせ不服そうなベレヌスの横で、アルロは肩を落とす。これでは危険すぎると、先行きが危ういと感じずにはいられない。肩を落とす隣の男にベレヌスはフォローを入れた。
「アルはエントを見たことないのだろう。見たことないものを見つけるなんて至難の業だ。エントはほとんど木と変わらない。気配もほとんどないんだ」
「ベレンはどうやって判断するんだ」
「顔がありそうな場所をみるんだ。少しでも幹に変化があればエントだ。あの木で言えば、あの苔の少し上あたりが顔になるな」
ベレヌスは巨木の大分上を指さした。アルロは指さす場所をみて、全体を確認する。下から3分の2の位置に顔があるのだろうと検討をつける。
「だったらあの木で言えば、鳥の巣穴の下くらいが顔なのか」
「そうだ」
アルロはなるほどと頷き、周りに生える木々を観察し始めた。その様子を面白くなさそうに見つめる目が4つあった。
「なんで僕に聞かないの」
「そうだよ」
双子がアルロに肩をかけもたれかかる。アルロはたたらを踏む。
「じゃあ、カムロスとミーミルはどうやって見分けるんだよ」
ベレヌスは双子を見る。双子は得意げにのたまった。
「見たらわかる」「勘」
ベレヌスとアルロは目を合わせてから揃ってため息をついた。身体能力と自然把握能力に長けたエルフの助言はあてにならない。
「さぁさぁ、今日は僕たちが不寝番だよ。早く寝ないとだめだよ」
いつの間にかアルロから離れた双子はベレヌスの頭にポンポンと手を載せて軽やかにどこかへ消えた。
「子供扱いしやがって」
組んだ腕をそのままにベレヌスは双子が消えた先を睨みつけた。
「エルフからしたら子供なのかもしれないぞ」
近寄りながらそういうアルロを恨めしい目で睨みつけた。
「じゃあアルも同じ目に合えばいい」
「私は大人だ」
まさかの返しにベレヌスはパッとアルロを見れば、意地悪な顔をしていた。その表情にベレヌスは顔をしかめる。
「俺が子供だと」
「私の方が年上だ」
片方の口角だけを器用に上げたアルロは双子と同様にベレヌスの頭に手を置いた。
「3歳だけだろ!」
ベレヌスは納得できないと拗ねたような声を出した。その声に巨木に歩くアルロは笑い声をあげて答えた。納得できない心を表すかのようにベレヌスは力強い歩みで、巨木もとに向かう。ドワーフたちはいびきを鳴らし、ドンナトールは鼻歌を鳴らし、アルロとベレヌスを迎えた。静かな森に聞こえる音は仲間の音。
しかし、本当は違う。
ーヤナ ケハイスル
ーキケンダ キケンダ
ードウスル ドウスル
木々が風に揺られざわめく音の中に、かすかに混じる音があった。その音を誰も気が付かない。エルフである双子さえも気が付かない。
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