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第一章:選ばれし者
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たいな...」
「気のせいでしょう。それより、鳥居の足元、ちゃんと拭きました?」
「あ、はい! 今から!」
ゴンゾウは慌てて鳥居の柱に近づいた。そして、柱の根元に奇妙な突起を見つけた。
「これ、なんだろ...」
好奇心に負けて、ポチッと押した。
次の瞬間、鳥居全体が光り始めた。
「え!? え!?」
鳥居の柱に、縦に線が入る。それがゆっくりと開き、中から階段が現れた。
「うわああああ!」
ゴンゾウは腰を抜かした。
八ツ橋が駆け寄ってきて、開いた入口を見て、深くため息をついた。
「...やっちゃいましたね」
「すみません! 俺、何を!?」
「説明します。ついてきてください」
----------
八ツ橋に連れられて階段を上ると、鳥居の内部は予想外の空間だった。
畳敷きの六畳間。床の間には掛け軸。中央には大きな文机と、筆が置かれている。
「ここ...何ですか...?」
「トリイムの操縦室です」
「トリイム?」
八ツ橋は掛け軸を指差した。そこには達筆で『京都防衛巨人 トリイム』と書かれている。
「平安神宮の大鳥居は、実は巨大ロボットなんです」
「...は?」
「明治時代、京都を守るために秘密裏に建造されました。普段は鳥居として佇んでいますが、京都に危機が迫ると変形し、戦います」
ゴンゾウは目を白黒させた。
「いや、そんな...アニメじゃないんだから...」
「本当です。そして、あなたはトリイムの隠し扉を開けた。つまり、トリイムに選ばれたということです」
「選ばれた?」
「100年に一度、トリイムは新しいパイロットを選びます。前任者は105歳で引退しました」
「俺、何もしてないですよ!? ただボタン押しただけで!?」
八ツ橋は真顔で言った。
「それが選ばれるということです」
「理不尽すぎる!」
----------
その日の夕方、ゴンゾウは社務所の裏手にある「整備室」に連れて行かれた。
中には、作業服を着た男が設計図とにらめっこしていた。
「鷹野さん、新しいパイロットです」
「おお!」
鷹野正行(32歳)が振り返った。元自衛隊の技術者で、現在はトリイムの専属整備士らしい。
「ついに来たか! 待ってたんだよ! 俺、新パイロットのために改良案まとめてあって!」
「あの、俺、やる気ないんですけど...」
「大丈夫大丈夫! 最初はみんなそう言うから!」
鷹野は興奮気味に図面を広げた。
「見てよこれ! トリイムV2の設計図! 腕部にブースター付けて、背中にミサイルポッド! あと、コックピットを洋室に!」
「最後のだけ賛成です」
「却下です」八ツ橋が即答した。「トリイムは和の心で動きます。畳は必須です」
「なんでだよ!
「気のせいでしょう。それより、鳥居の足元、ちゃんと拭きました?」
「あ、はい! 今から!」
ゴンゾウは慌てて鳥居の柱に近づいた。そして、柱の根元に奇妙な突起を見つけた。
「これ、なんだろ...」
好奇心に負けて、ポチッと押した。
次の瞬間、鳥居全体が光り始めた。
「え!? え!?」
鳥居の柱に、縦に線が入る。それがゆっくりと開き、中から階段が現れた。
「うわああああ!」
ゴンゾウは腰を抜かした。
八ツ橋が駆け寄ってきて、開いた入口を見て、深くため息をついた。
「...やっちゃいましたね」
「すみません! 俺、何を!?」
「説明します。ついてきてください」
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八ツ橋に連れられて階段を上ると、鳥居の内部は予想外の空間だった。
畳敷きの六畳間。床の間には掛け軸。中央には大きな文机と、筆が置かれている。
「ここ...何ですか...?」
「トリイムの操縦室です」
「トリイム?」
八ツ橋は掛け軸を指差した。そこには達筆で『京都防衛巨人 トリイム』と書かれている。
「平安神宮の大鳥居は、実は巨大ロボットなんです」
「...は?」
「明治時代、京都を守るために秘密裏に建造されました。普段は鳥居として佇んでいますが、京都に危機が迫ると変形し、戦います」
ゴンゾウは目を白黒させた。
「いや、そんな...アニメじゃないんだから...」
「本当です。そして、あなたはトリイムの隠し扉を開けた。つまり、トリイムに選ばれたということです」
「選ばれた?」
「100年に一度、トリイムは新しいパイロットを選びます。前任者は105歳で引退しました」
「俺、何もしてないですよ!? ただボタン押しただけで!?」
八ツ橋は真顔で言った。
「それが選ばれるということです」
「理不尽すぎる!」
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その日の夕方、ゴンゾウは社務所の裏手にある「整備室」に連れて行かれた。
中には、作業服を着た男が設計図とにらめっこしていた。
「鷹野さん、新しいパイロットです」
「おお!」
鷹野正行(32歳)が振り返った。元自衛隊の技術者で、現在はトリイムの専属整備士らしい。
「ついに来たか! 待ってたんだよ! 俺、新パイロットのために改良案まとめてあって!」
「あの、俺、やる気ないんですけど...」
「大丈夫大丈夫! 最初はみんなそう言うから!」
鷹野は興奮気味に図面を広げた。
「見てよこれ! トリイムV2の設計図! 腕部にブースター付けて、背中にミサイルポッド! あと、コックピットを洋室に!」
「最後のだけ賛成です」
「却下です」八ツ橋が即答した。「トリイムは和の心で動きます。畳は必須です」
「なんでだよ!
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