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詰みです、皆様。――攻略対象が全員悪役令嬢に夢中なので、ヒロインの私は「働かずにバッドエンド」を選ぼうと思います。
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乙女ゲームの超絶可愛いヒロインに転生したのに、ゲームが始まる前に詰んでいました。
攻略対象のくせに悪役令嬢に懐柔されてるお前らなんなの?
キラキラと星が流れる演出と共に現れた攻略対象三人。
王子! 富豪! 騎士!
この魔法学園のアイドルだ!
そして、真ん中に何故か悪役令嬢!
あーあ、やってらんねなぁ。
この乙女ゲームも、悪役令嬢に侵食されてんのか。
◆◇◆
「君が、この学園に転入してきた庶民か。せいぜい頑張るんだな」
あー、ハイハイ、強制出会イベントね。
耳を掻きながら王子の話を受け流す。
ゲームプレイ中も何回も聞いたから、毎回スキップしてる。
今更、リアルな王子が目の前にいるからって、悪役令嬢に流れた中古品には興味ないんだよ。
「なんだ! 庶民、その態度は! 私は、この国の王子だぞ!」
本当に攻略対象か? 王子。
ざまぁされながらやられてく婚約破棄王子みたいなセリフだ。
私は王子を放っておいて外に出る。
「王子にあんな態度を取るなんて、面白い女だ」
富豪、あんたのそのテンプレばっかの台詞は、つまんねえ男だと思ってたんだ。
無視して歩く。
「おーい! 照れてるんだね、雑種の子猫ちゃん!」
そこはテンプレでいいだろう!
いらんオリジナリティを混ぜるな!
……キュン!
私の、視線の先には最萌え騎士様!
真面目な貴方には辛辣な態度も取りにくいわ。
きっと忠誠心の強い貴方のことだから、王子様に付き合って悪役令嬢の側にいたのですよね!
「やっと二人きりになれましたね、令嬢……」
「き、騎士様……!」
って、お前もか!
悪役令嬢の『き、騎士様……!』なんて、何百回もやってますって、言い方に何ときめいてんだ!
揃いも揃って何なんだよ! お前ら!
お前らが、そう言う態度なら、私にも考えがありますわ。
◆◇◆
この物語にはバッドエンドがある。
主人公がバイトをしなかったりシミュレーション部分をサボってステータスが上がっていないと、この世界は終わる。
強制バッドエンドだ。
そんなに悪役令嬢ばかりチヤホヤしてると、私、働きませんよ。
◆◇◆
学園には行きます。
後は、寝るコマンド一択です。
Zzz…
「さすが、王子様。成績優秀ですわね」
たまにスキップ一択の強制イベント……ふわぁ~。
そんな私を見て青ざめる悪役令嬢が見えた。
そんなことより、眠い。
「ざまぁ……むにゃむにゃ」
放課後、庶民ヒロインはバイトです。
が、私は、働きません!
寮に帰って寝ます。
「待って下さい! 庶民」
声をかけてきたのは悪役令嬢だ。
青ざめた顔で慌てている。
私の狙いに、一日目で気づくなんてバカではないようね。
「なんですか、令嬢様」
ゲームのヒロインらしく上目使いで無害な様子で答える。
可愛過ぎる自分に震える。
攻略対象の前でやって、真っ赤にならせて「そう言う顔は俺の前だけにしろ……」って甘く囁かれたかった!
「さんざん毒付いていたのを見てましたの、可愛こぶっても今更もう遅いですわ」
まあ、それもそうね。
でも、
「なに? その口の聞き方」
私は悪役令嬢にニッコリと微笑みかける。
「も、申し訳ありません」
力関係を察して、慌てて謝る悪役令嬢。
だけど、まだまだ足りない。
縦ロールは謝罪を舐めてる奴の髪型だ。
「頭が高いですよ?」
「はいっ!」
土下座です。
悪役令嬢の縦ロールが砂に塗れて形を変える。
うん、気持ちいい!
「で、なんの用があるんだ?」
「はい、庶民様にはキチンと働いて頂きたいんです!」
「は!? 嫌だね。こっちは悪役令嬢を引き立てる為のヒロインやってんじゃないんだよ。中古王子たちにも興味はないし、バッドエンドで、もういいんだよ」
「そ、その気持ちはよく分かります! ただ、私を助けると思って!」
「一番助けたくない奴じゃん」
「まあ、確かに……」
私と悪役令嬢の利害が一致。
それでも、悪役令嬢は食い下がる。
「貴方がゲームをクリアしてくれないと、私はこの乙女ゲームの序盤のループから抜け出せないんです!」
「へぇ、ループしてるんだ、ざまぁ! いいじゃない攻略対象もいるし」
「あんな顔だけの甘い言葉しか吐けない男どもがなんの役に立ちまして!? だいたい、貴方もループしてるって事を忘れないで!」
「へ?」
「ゲーム開始時間まで、能天気なヒロインヅラで過ごしてんのに開始早々転生者の記憶が戻ってバッドエンドを選びやがって! こっちは迷惑してんだよ!」
「な! 嘘だろう!?」
騒ぎを聞きつけて、周りには人が集まっていた。
攻略対象も来る。
ざまぁ婚約破棄の小物王子に、つまんねえ男なのにオリジナリティはある富豪、私の心をもて遊んだ最推し騎士。
「誰でもいいから攻略しなさい! 庶民」
嫌だ、もうコイツらは攻略対象じゃない! お笑い芸人だ!
「令嬢、お前が私が攻略してもいいってくらい魅力的にアイツらを育てろよ」
「な、何言って……」
私は本気だ。
今のコイツには興味がないが、ちゃんと私のヒーローに調教されていたら溺愛されてやってもいい。
顔は好きだし、何より推し声優の声は大好きなんだ。
「次のループで終わらせろ」
私は令嬢を冷たく見下して命令する。
「わ、分かりました~!!」
悪役令嬢は更に深くおでこを地面に擦り付ける。
私は攻略対象の三人とギャラリーに向き直って言う。
「今回は、詰みです、皆様」
三バカには、次は私を、溺愛してもらいましょうか。
攻略対象のくせに悪役令嬢に懐柔されてるお前らなんなの?
キラキラと星が流れる演出と共に現れた攻略対象三人。
王子! 富豪! 騎士!
この魔法学園のアイドルだ!
そして、真ん中に何故か悪役令嬢!
あーあ、やってらんねなぁ。
この乙女ゲームも、悪役令嬢に侵食されてんのか。
◆◇◆
「君が、この学園に転入してきた庶民か。せいぜい頑張るんだな」
あー、ハイハイ、強制出会イベントね。
耳を掻きながら王子の話を受け流す。
ゲームプレイ中も何回も聞いたから、毎回スキップしてる。
今更、リアルな王子が目の前にいるからって、悪役令嬢に流れた中古品には興味ないんだよ。
「なんだ! 庶民、その態度は! 私は、この国の王子だぞ!」
本当に攻略対象か? 王子。
ざまぁされながらやられてく婚約破棄王子みたいなセリフだ。
私は王子を放っておいて外に出る。
「王子にあんな態度を取るなんて、面白い女だ」
富豪、あんたのそのテンプレばっかの台詞は、つまんねえ男だと思ってたんだ。
無視して歩く。
「おーい! 照れてるんだね、雑種の子猫ちゃん!」
そこはテンプレでいいだろう!
いらんオリジナリティを混ぜるな!
……キュン!
私の、視線の先には最萌え騎士様!
真面目な貴方には辛辣な態度も取りにくいわ。
きっと忠誠心の強い貴方のことだから、王子様に付き合って悪役令嬢の側にいたのですよね!
「やっと二人きりになれましたね、令嬢……」
「き、騎士様……!」
って、お前もか!
悪役令嬢の『き、騎士様……!』なんて、何百回もやってますって、言い方に何ときめいてんだ!
揃いも揃って何なんだよ! お前ら!
お前らが、そう言う態度なら、私にも考えがありますわ。
◆◇◆
この物語にはバッドエンドがある。
主人公がバイトをしなかったりシミュレーション部分をサボってステータスが上がっていないと、この世界は終わる。
強制バッドエンドだ。
そんなに悪役令嬢ばかりチヤホヤしてると、私、働きませんよ。
◆◇◆
学園には行きます。
後は、寝るコマンド一択です。
Zzz…
「さすが、王子様。成績優秀ですわね」
たまにスキップ一択の強制イベント……ふわぁ~。
そんな私を見て青ざめる悪役令嬢が見えた。
そんなことより、眠い。
「ざまぁ……むにゃむにゃ」
放課後、庶民ヒロインはバイトです。
が、私は、働きません!
寮に帰って寝ます。
「待って下さい! 庶民」
声をかけてきたのは悪役令嬢だ。
青ざめた顔で慌てている。
私の狙いに、一日目で気づくなんてバカではないようね。
「なんですか、令嬢様」
ゲームのヒロインらしく上目使いで無害な様子で答える。
可愛過ぎる自分に震える。
攻略対象の前でやって、真っ赤にならせて「そう言う顔は俺の前だけにしろ……」って甘く囁かれたかった!
「さんざん毒付いていたのを見てましたの、可愛こぶっても今更もう遅いですわ」
まあ、それもそうね。
でも、
「なに? その口の聞き方」
私は悪役令嬢にニッコリと微笑みかける。
「も、申し訳ありません」
力関係を察して、慌てて謝る悪役令嬢。
だけど、まだまだ足りない。
縦ロールは謝罪を舐めてる奴の髪型だ。
「頭が高いですよ?」
「はいっ!」
土下座です。
悪役令嬢の縦ロールが砂に塗れて形を変える。
うん、気持ちいい!
「で、なんの用があるんだ?」
「はい、庶民様にはキチンと働いて頂きたいんです!」
「は!? 嫌だね。こっちは悪役令嬢を引き立てる為のヒロインやってんじゃないんだよ。中古王子たちにも興味はないし、バッドエンドで、もういいんだよ」
「そ、その気持ちはよく分かります! ただ、私を助けると思って!」
「一番助けたくない奴じゃん」
「まあ、確かに……」
私と悪役令嬢の利害が一致。
それでも、悪役令嬢は食い下がる。
「貴方がゲームをクリアしてくれないと、私はこの乙女ゲームの序盤のループから抜け出せないんです!」
「へぇ、ループしてるんだ、ざまぁ! いいじゃない攻略対象もいるし」
「あんな顔だけの甘い言葉しか吐けない男どもがなんの役に立ちまして!? だいたい、貴方もループしてるって事を忘れないで!」
「へ?」
「ゲーム開始時間まで、能天気なヒロインヅラで過ごしてんのに開始早々転生者の記憶が戻ってバッドエンドを選びやがって! こっちは迷惑してんだよ!」
「な! 嘘だろう!?」
騒ぎを聞きつけて、周りには人が集まっていた。
攻略対象も来る。
ざまぁ婚約破棄の小物王子に、つまんねえ男なのにオリジナリティはある富豪、私の心をもて遊んだ最推し騎士。
「誰でもいいから攻略しなさい! 庶民」
嫌だ、もうコイツらは攻略対象じゃない! お笑い芸人だ!
「令嬢、お前が私が攻略してもいいってくらい魅力的にアイツらを育てろよ」
「な、何言って……」
私は本気だ。
今のコイツには興味がないが、ちゃんと私のヒーローに調教されていたら溺愛されてやってもいい。
顔は好きだし、何より推し声優の声は大好きなんだ。
「次のループで終わらせろ」
私は令嬢を冷たく見下して命令する。
「わ、分かりました~!!」
悪役令嬢は更に深くおでこを地面に擦り付ける。
私は攻略対象の三人とギャラリーに向き直って言う。
「今回は、詰みです、皆様」
三バカには、次は私を、溺愛してもらいましょうか。
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