男の娘レイヤー時雨-メス堕ち調教-

清盛

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アナザールート その84 毒杯

「だけどな・・・俺が時雨を愛してやるよ。」

えっ!?

男からかけられた思いもかけない言葉の不意打ちだった。

はっとして顔を上げると、そこには穏やかで優しい表情を浮かべた男の顔があった。

そして、僕はそっと抱き締められ、男が耳元で優しく囁く。

「時雨、初めて会った時のことを憶えているか?

お前はガタガタと震えながら、それでも俺たちと向かい合いって夕立を庇って真っ直ぐに立っていたっけなぁ。

人間はああいう時、泣きながら腰を抜かすか、媚びて卑屈に笑うか、ぜんぶ諦めて無表情な人形になるか・・・そんな風なもんだ。

だけどお前はそのどれでもなかった。
夕立を守ろうとして、最後まで俺たちに逆らい続けていた・・・」

僕を抱き締めたまま、語り続ける。

「俺はな・・・あの時そんなお前に心を奪われたんだよ。
お前の心も、身体も全部欲しいと思ったんだよ。

あの時も、今も・・・お前に酷いことをしているのはわかっている。

俺は男のお前をそんな風にしかお前を愛せない変態なんだ。
だけどな、時雨それでもな・・・」

そして一度言葉を区切り、そっと僕に優しいキスをする。

抱き締められて
肌が触れた部分が暖かいのが心良くて
優しい口調に安堵して
固く緊張した身体の力が少しずつ抜けて

僕は優しい抱擁にいつのまにか身体を預け、そのキスを受け入れていた。

「お前を愛してる。」

短くて、柔らかなキスの後、男はそう言った。

これは・・・毒だ。
僕の精神を侵食する、甘美で優しい毒だ。

目の前の男は僕の心をわざと粉々に砕き、
砕け散ったその欠片を暖かな手で拾い集めて、自分に都合の良い形に再構築しているのだ。

だけど、身体も心も限界まで疲弊し尽くした僕には、それを見抜く思考力はもう残っていなかった。

絶望と恥辱の煉獄の中を這いずり廻る僕に垂らされた、一本の希望の糸に縋り付く。

もうこの救いの糸以外、何も見えていなかった。

「僕を・・・好きに・・・なってくれるの?
愛してくれる・・・の
本当・・・に・・・?」

僕は恐る恐る、男に尋ねる。

上目遣いのその視線に
たどたどしく問いかけるその声に
僅かながら媚びが混じっていることに自分では気付けない。

「ああ、約束する。
お前をずっと愛して・・・大切に虐めてやるよ、死ぬまでずっとな。」

あ・・・虐めるという言葉に、僕のお腹の奥がキュンと疼いて小さなクリペニスが固くなってゆく。

僕はそれを隠そうともしないで、目の前の男の背中におずおずと手を回し、そっと抱き締める。

ああ、肌と肌の触れ合う部分が暖かい。

結局のところ、僕は、虐められて、調教されて、支配されることを求め続ける、どうしようもないマゾヒストで・・・変態なのだ。

ただ、愛し、愛される人でなければそれが受け入れられないのが僕が譲ることのできない“業“というものだった。

だけど、果てのない快感の拷問処刑に壊れた心は、目の前の加虐者への恋慕という刻印を刻まれることでその業をすり抜けていった。

「僕を愛して、虐めて・・・そして、僕に飽きる前に虐め殺して下さいね。
僕の・・・ご主人様。」

そうして、目の前に差し出された甘美な毒杯を飲み干して・・・僕はご主人様の本当の奴隷に、いや、愛奴に堕ちたのだ。
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