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一章・冒険者・ナナ
在りし日のまま
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「嬢ちゃん、剣を使うのか?」
自分の世界へ避難していると、隣の椅子に腰掛けていた屈強そうな男が話しかけてきた。
「あ…はい。
その、よろしくお願いします。」
相変わらず言葉がうまく出てこない、辛い。
「こちらこそよろしく頼む。
俺はダナンってんだ。
ちょっとその剣見せてくれねえか?」
「あ、ナナです。
どうぞ。」
ただでさえ不安な所、剣を渡すのは参ったがまぁその位の協調性は持たないとと思いダナンさんに剣を差し出した。
「こいつぁ……」
ダナンさんはスラリと剣を抜くとマジマジと見つめ始めた。
「嬢ちゃん、この剣今回初めて使うのか?」
私にはダナンさんの意図するところがわからなかった。
「?
いえ、もう10年使ってます。」
「この剣をか!?
そりゃ鯖読み過ぎだろ!
これほどの長物が痩せもせずこんな綺麗なまま10年持つなんて不可能だぜ。
って嬢ちゃんいくつだい?」
「18です。
ダナンさん、なぜこの剣を10年使っている事が不自然なんですか?」
理屈は分からないが、何故か私の言葉を否定されてしまったので少し戸惑ってしまった。
「なぜって…。
剣に限らず刃物は使えば刃こぼれするし、切れ味は鈍るだろう。
それを研磨して切れ味を戻すが、そんな事続けてたら刃は痩せちまう。
見たところ柄幅との差異もないし、何より10年振るうにはこの長物は耐久度が心許なすぎるぜ。
長くてそれに見合う幅を持った剣ならともかく、これは長さに対して細すぎる。
俺なら一回の戦いで折っちまうぜ。」
ダナンさんの話は分かりやすくて思わず普通に納得してしまった。
「確かに考えたことなかったですけど刃物の道理ですね。
でもこの剣は私が8歳の頃、武具屋なんてなかった私の村にたまたま来た行商さんから父が買ってくれた物なんです。」
私は田舎の父を思い出して少し寂しくなった。
物心ついた頃には既に私は父の短剣を抱いていた。
危ないからと何度も取り上げられたが、その度に大泣きし短剣を渡すことでのみ落ち着いたらしい。
そんな折村に行商さんが訪れ、彼の引く荷車にポツンと剣が置かれていた。
当時の私の身の丈を越すその剣に心を惹かれてしまった私は、父を拝み倒したのだ。
「ふーん…。」
ダナンさんはやや腑に落ちないという顔をしているものの、その刀身を感心するように眺めている。
「あの…剣を…。
そろそろいいですか?」
私は父のことを思い出したこともあって、少し心細くなってしまい、早く剣を抱きたくなった。
「ああ、悪い悪い。
こいつぁ嬢ちゃんばりの綺麗な剣だ。
オヤジさんはいい剣をくれたな。
今回の戦いでこれを振るう嬢ちゃんを是非見たくなったぜ。」
ダナンさんは剣を鞘に収めて、ニカっと笑いながら私に剣を返してくれた。
「ありがとうございます。」
私の小心は剣が帰ってきた事で正常な拍を刻むようになった。
自分の世界へ避難していると、隣の椅子に腰掛けていた屈強そうな男が話しかけてきた。
「あ…はい。
その、よろしくお願いします。」
相変わらず言葉がうまく出てこない、辛い。
「こちらこそよろしく頼む。
俺はダナンってんだ。
ちょっとその剣見せてくれねえか?」
「あ、ナナです。
どうぞ。」
ただでさえ不安な所、剣を渡すのは参ったがまぁその位の協調性は持たないとと思いダナンさんに剣を差し出した。
「こいつぁ……」
ダナンさんはスラリと剣を抜くとマジマジと見つめ始めた。
「嬢ちゃん、この剣今回初めて使うのか?」
私にはダナンさんの意図するところがわからなかった。
「?
いえ、もう10年使ってます。」
「この剣をか!?
そりゃ鯖読み過ぎだろ!
これほどの長物が痩せもせずこんな綺麗なまま10年持つなんて不可能だぜ。
って嬢ちゃんいくつだい?」
「18です。
ダナンさん、なぜこの剣を10年使っている事が不自然なんですか?」
理屈は分からないが、何故か私の言葉を否定されてしまったので少し戸惑ってしまった。
「なぜって…。
剣に限らず刃物は使えば刃こぼれするし、切れ味は鈍るだろう。
それを研磨して切れ味を戻すが、そんな事続けてたら刃は痩せちまう。
見たところ柄幅との差異もないし、何より10年振るうにはこの長物は耐久度が心許なすぎるぜ。
長くてそれに見合う幅を持った剣ならともかく、これは長さに対して細すぎる。
俺なら一回の戦いで折っちまうぜ。」
ダナンさんの話は分かりやすくて思わず普通に納得してしまった。
「確かに考えたことなかったですけど刃物の道理ですね。
でもこの剣は私が8歳の頃、武具屋なんてなかった私の村にたまたま来た行商さんから父が買ってくれた物なんです。」
私は田舎の父を思い出して少し寂しくなった。
物心ついた頃には既に私は父の短剣を抱いていた。
危ないからと何度も取り上げられたが、その度に大泣きし短剣を渡すことでのみ落ち着いたらしい。
そんな折村に行商さんが訪れ、彼の引く荷車にポツンと剣が置かれていた。
当時の私の身の丈を越すその剣に心を惹かれてしまった私は、父を拝み倒したのだ。
「ふーん…。」
ダナンさんはやや腑に落ちないという顔をしているものの、その刀身を感心するように眺めている。
「あの…剣を…。
そろそろいいですか?」
私は父のことを思い出したこともあって、少し心細くなってしまい、早く剣を抱きたくなった。
「ああ、悪い悪い。
こいつぁ嬢ちゃんばりの綺麗な剣だ。
オヤジさんはいい剣をくれたな。
今回の戦いでこれを振るう嬢ちゃんを是非見たくなったぜ。」
ダナンさんは剣を鞘に収めて、ニカっと笑いながら私に剣を返してくれた。
「ありがとうございます。」
私の小心は剣が帰ってきた事で正常な拍を刻むようになった。
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