当て馬悪役令息に転生したはずが何故か俺がヒロインに狙われています

ちか

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12話

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 オリジナルの造語が出て来るのでそう言うのが苦手な方はご注意ください。









 目が覚めたら、母様の顔がドアップだった。母様には慣れたとは言え、かなりびっくりした。

「よかった。目が覚めたのね」

 そう言いながら、抱きしめていいか確認して俺を抱きしめて頭を撫でた後、気遣って少し距離を取ってくれた。

「はい、母様……あの……」

 ここは一体どこで?あの後どうなったんだ?

「何も気にしなくて大丈夫よ。無事終わったわ」

「えっ終わった?」

「えぇ、あのお嬢さんにお詫びしてこちらに来て、お医者様に診てもらってお披露目のために用意されたこの控え室で少し休ませてもらっていたの」

 そう……なのか、ここはまだ王宮なのか。迷惑かけちゃったな……

「あの……ごめんなさい」

「?」

 母様は俺がなぜ謝ったのかわかっていないようで不思議そうに首を傾げた。

「あの、公爵家の人間なのに人前でパニックになって倒れてしまってごめんなさい。それとあの……彼女は怪我しませんでしたか?」

 そう、公爵家なのにこんな醜態を晒すなんて……それにあんなにパニックになってしまって何かが当たった気がする……もし怪我させてしまっていたら……

「あら?全然大丈夫よ。気にしないで。私もハインツもにはちっとも怒ってないわ。それに彼女も怪我なんてしてないわ。むしろあなたは今日はとても頑張ったわ。なのに……ディーがあんなに頑張ったのに。あの小娘のせいでせっかくの佳日にロカイの花が咲いてしまったわ。全く……」


 俺に向ける視線も言葉も優しいのに何だか母様から黒いモヤが漂っている……

 ちょっとだけコワイ……

「んんっ、とにかくあなたは何も悪くないわ。それに彼女には今ごろハインツが郷してくれているから問題ないわ。だからハインツが迎えにきたらもう帰りましょう」

 母様から出ている黒いモヤは怖いが、とりあえず大丈夫なようだ。父様が迎えに来たらもう帰っていいみたいだし。よかった。

 「疲れたでしょう。もう少し寝ていてもいいわよ。いざとなれば、ハインツに抱っこしてもらうから大丈夫よ」

 そう言って母様は笑っていた。その顔を見ていたらまだ疲労が抜けていない俺の瞼はまた重くなって来た。






 せっかくの佳日にロカイの花が咲くは、作者の造語です。ケチがつくや味噌がつくと言う慣用句をもとに縁起が悪い花言葉があるロカイ(アロエ昔の言い方)の花が咲いて、縁起が悪い、嫌なことがあったと言う意味で作中の国では使います。
 失敗したと言う意味の味噌がつくも、語源は火傷の治療に味噌を塗るということからきているらしいので、火傷治療のイメージからアロエの花にしました。
 何となく慣用句とかでも架空の日本ではない国のイメージを、異世界感を出したかったので。
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