つがいなんて冗談じゃない

ちか

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 う、うぅん……

 なんか眩しい……もう朝?

 あれ?寝ちゃったのか。いつ寝たんだっけ?

 …………っ!?

 ここっ!?うちじゃない?えっ?あっ?それに確か事故に巻き込まれたはずじゃ?助かった?夢?

 痛いところはないし体に傷あとは見当たらなかった。

 周りを見ても何もわからなかった。知らない場所だし、誘拐されたのかという恐怖しかなかった。

 お父さん、お母さん、お兄ちゃん……


 見渡す限りに人はいない。石造で出来た部屋のようで、なぜか窓もなかった。そのため、光が差し込むことはなく、薄暗い部屋だった。

 明かりは蛍光灯や電球でもなさそうで、等間隔に壁にランプ?のようなものがあった。

 あとは、金属で補強されているような、いつか見たファンタジー映画の魔法学校のような昔のヨーロッパのお城にありそうな木製の扉があるだけだった。


 そこを開けて外の様子を確認すべきか考えていたらガチャガチャと金属が当たるような音が扉の方から聞こえて来た。

 咄嗟に隠れようと思ったが、隠れられるような場所はどこにもなかった。

 私はただ冷たい石畳の上で身構えるしかなかった。

 そしてギィィと音を立てて扉が開いて誰かが入って来た。
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