つがいなんて冗談じゃない

ちか

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神子

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 扉を開けて入って来たのは、十人ほどの欧米系の彫りの深い顔立ちの男性達だった。みな一様になんだか難しい顔をしていた。

 海外の人の年齢は日本人の私からするとよくわからないが、三十代から五十代くらい人達かなと思った。同級生くらいの年齢の人は見当たらなかった。

 彼らの服装はそれこそ映画やアニメに出て来る貴族や兵士のような格好だった。

 そして何よりの違いは顔の横にではなく、頭の上にふさふさとした毛の生えた耳が生えていたことだ。

 コス……プ……レ?ではなさそう?コスプレなら顔の横の耳と頭の耳とで耳が四つもある何ちゃって獣人みたいになるはずだし……そもそも服の生地感が安っぽくないというか、昔父が自慢げに見せてくれたオーダーメイドのスーツみたいなしっかりした感じだし、なんか刺繍も立体的に見える。皆さんの顔もそんな感じじゃなさげだし、何より、あの年齢層のケモ耳レイヤーさんってわたしは見たことないし……

 緊張し過ぎて逆にそんな緊張感のないことさをつらつらと考えていたら鎧を着た兵士のような格好をした人物を先頭にこちらを警戒しながら近づいてきて、少し離れたところで貴族のような人たちは立ち止まった。

 そして、呆然と座り込んだままのわたしの前で皆が一斉に跪きこう言った。

「ようこそお越し下さいました。神子様」

「み……こ……様……?」

 えっ?何それ?

 戸惑っていると白を基調とした有名なゲームの僧侶の様な格好の人が他の人たちより一歩前に進み出て来た。

「この塔は神子様が身罷られると新たな神子様が召喚される塔なのです。この塔には窓もなく出入り口はあの扉しかなくまたあの扉は鍵がかけられ、鍵は一部の許されたものしか所持していないのです。なので、あなた様がここにおられることが神子様である証明なのです」

 そう説明された。しかし、一応確認のためと有名なお化け屋敷の魔女の顔が浮き出る様な水晶玉に触らせられた。

 なんだか妙な緊張感が漂よっていた。跪きながらもなんだか疑っている視線を感じる。

 水晶玉に触れるとじんわりと暖かく、次第に白い光を放ち、宙に舞った。その光は布の様にゆらゆらと揺れ、その端は虹色に煌めいていた。オーロラみたいな感じだった。

 光を見て皆が、「おおっ!」とかどよめいていた。ヒソヒソと「どうやら本物のようだ」とか聞こえて来た。そうしてようやくきつい視線が和らいだ。喜ぶ彼らを見るにどうやらこれで神子ということが確定した様だ。実感はないが……

 そんなことを考えて次はどうしたらいいか考えていたら

「神子様、ご到着早々、大変申し訳ありませんが、まずは王に謁見していただきたいと思います。ですのでご準備をお願いします。どうぞこちらへご案内いたします」

 断る隙もないし、もし抵抗したら殺されるかもしれない……

 そう思ったわたしはひとまず様子を見るために大人しく従った。

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