つがいなんて冗談じゃない

ちか

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出会い ギルフォードside

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 視察からの帰り道、神子様の再来の速達が届いた。

 先代の神子様が身罷られて百年。久方ぶりに新たに遣わされた神子様。
 一体神子様とはどのような方なのか。神子様に関しては言い伝えや文献からしか伺い知ることが出来ない。

 一抹の不安と期待を胸に城へと急ぐ。

 俺は恐れ多くも遅れてしまったが謁見の間に向かうにつれ今までに嗅いだことのないようなとても芳しいにおいがした。

 それは謁見の間に近づくにつれ次第に濃くなり、扉が開かれその匂いの正体がわかった。

 神子様は俺の番だったのだ。

 なんたる幸運か。

 この世に生まれて二十五年ようやく巡り会えた番が神子様だなんて。

 俺は番に会えた興奮を抑えきれず、その場で求婚してしまった。

 喜びと必ず幸せにしなくてはと言う思いでいっぱいで彼女がどんな表情をしていたかなんてこの時は気づきもしなかった。

 皆にも祝わられ少々浮かれながらひとまず彼女をこの城の客間へと送っていく。本来ならこのまま俺の屋敷へ連れ帰りたいが、準備が出来ていないので仕方がない。

 とても名残惜しかったが別れ際、額にキスをしただけで彼女は頬を赤く染めていた。彼女も俺との触れ合いを喜んでいるのだろう。そう思うとより別れ難く思えたが一刻も早く帰宅して彼女を迎え入れる準備をしなくてはと家路へと急いだ。

 屋敷へ帰宅後、急いで執事たちに番が見つかったこと、神子様のことを伝え屋敷の準備を整えさえた。夜も遅いが皆張り切って準備に取り掛かってくれた。

 俺は彼女へのドレスやアクセサリーなどのプレゼントの手配を指示した後、神子様の文献を洗い直すことにした。

 神子様とはどういうことを好まれるのか、どのようなことを喜ばれるのかを徹底的に調べた。

 文献にはかつて現れた神子様は勉強や働くことは神子様にはストレスであり、ドレスや宝石を好む方であったと書かれていた。

 確かに神子様には働かなくていいと古くから言われているな。


 それにドレスや宝石を神子様は好むのか。


 これも問題ないな。今回の神子様は私の番だ。ドレスやアクセサリーを贈らない訳がない。ひとまず手配も済ませたし。仕立て屋にも早く来てもらい、採寸しなくてはな。

 
 しかし……これはどうしたものか。

 神子様は交わりを好まれるとあり、常に見目麗しい男性を側におき、ご寵愛を授けていた……か。

 神子様に選ばれることは大変名誉なことであり、こぞってみなそのご寵愛を賜りたいと争ったという。

 確かに神子様からご寵愛を賜るなど誉れだ。けれど番の神子様が他の者に触れるなんて考えるだけでも嫌だな。

 俺一人で満足してもらえるだろうか?いや、番との交わり以上に幸福はないだろうから大丈夫だろう。

 だが初夜にはまだ時間が掛かるだろうな。婚姻の儀をし、兄上に宣言してもらったとはいえ、結婚式もまだだし、俺の手続きにも時間が掛かるだろう。神子様にそれまで交わりに関しては我慢させてしまうな……それに俺も。耐えられるだろうか。あのように可愛らしい番を前にして。

 フゥ、神子様に後できちんと説明し、謝罪しなくてはな。



 神子様が幸せを感じることでこの国は豊かになる。

 そして私は私の番を幸せにしたい。出来ることはなんでも叶えてあげなくては。
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