つがいなんて冗談じゃない

ちか

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悪口

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 先ほどの衝撃が抜けきらず、なんだかとても喉が渇いていた。だから厨房にお水がもらえないか使用人エリアに近づいたらとんでもない話が聞こえてきた。


「旦那様の番なのにろくに触らせもしないいんですって」

「えー何様なのよ」

「いやいや神子様でしょキャハハ」

「さっきヴァーノン公爵令嬢がいらっしゃってあの女にはっきり言ってくれてスカッとしちゃった」

「神子様なんて言って何にもしないくせにね~」

「馬車から降りるととき、ジェレミー卿のエスコートも無視したんですって」

「聞いた聞いた~謁見の際もカーテシーもしないで、立ったまま少し頭を下げただけなんですって」

「まぁ、なんてマナーのなってない方なのかしら」
 
「さすが神子様ね」

「あんたは新しく入ったから知らないだろうけどこの屋敷に来てたった数日で気に入らない使用人を、旦那様を誑かして大量に辞めさせたのよ」

「えー、信じられない。」

「えっじゃぁ、私たちが雇われた理由って」

「そう、屋敷から追い出された人の補充よ」

「あはは、じゃあ神子様に感謝しないと」

「とんだわがまま神子様よねー」

「まったくねあははは」

「それにメイドにも難癖つけて呼び止めてたんですってー」

「えー、私も気をつけなくちゃー」


 わたしは信じられなかった。わたしは外から見たらそんな女なんだと初めて知った。
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