つがいなんて冗談じゃない

ちか

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最悪の目覚め

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 そんな悪夢のような一夜が明け、目覚めると体が動かせなかった。背中に圧を感じて顔だけを後ろに向けると見たくもない顔があった。彼に抱きしめられた格好だった。

 妙なだるさはあるが、今までのような辛さは感じなかった。手や体を見ても透けているとこはない。どうやらわたしは帰れなかったようだった。

 どうにかこの男の腕から抜け出したくてともぞもぞしていたら男が起きたらしくもう少しお休みと寝ぼけながら言い、わたしの後頭部にキスをした。

 わたしは、さっさとこいつから離れてこの匂いをこのドロドロの体を一刻も早く洗い流したかった。

 だけど、がっちり抱えた腕は全く外れなかった。力尽きかけたその時ノック音が響いた。

「旦那様、そろそろお支度を致しませんと間に合いません。入ってもよろしいでしょうか」とドア越しに声がかかった。

「ん……はっミオ様!お体は?」

「えっと……大丈……夫です」

「よかった。顔色も良さそうですね」

「旦那様?」

「あぁそうだったな。大丈夫だ。入れ」

 彼は平然と言った。

 えっ?!

 わたしが驚いている間にさっさと執事を始め使用人がゾロゾロと入って来て

「旦那様、奥様おめでとうございます。このような形となりましたがお二人の初夜はしっかりと確認させていただきました。それでは最後の確認をさせていただきます」

 そう言ってベッドに近づいて来たかと思ったら布団が捲られ、シーツの血痕の確認をされた。

「はい。確認いたしました。改めておめでとうございます。またお体もよくなったようで何よりです。それではご入浴の準備が出来ておりますのでどうぞこちらへ」

 そう言ってわたしと彼はそれぞれの浴室へと案内され体を清められた。

 部屋に備え付けの浴室に行くだけでも辛かった。下半身の一部にはまだ中になにか入っているような感じだし、足には力が入らなかった。

 昨夜のあんなことにら比べたら同性に裸を見られることはもはやどうでも良くなっていた。自分の体を見たら身体中に赤い色が散っていた。腰にも手首にも赤い手形が付いていてそれを見るとあの恐怖が蘇ってお風呂に入っているのに寒くなった。

 なのにわたしの体を洗っていた使用人は「奥様は大変愛された夜をお過ごしでしたのですね。羨ましいです。本当にこの度はおめでとうございます」
 とにっこりと笑って言ったのだ。

 部屋に戻るとベッドは綺麗に整えられていた。だか、あのベッドには戻りたくなくてソファーに横になった。

 するとノック音がした。

「ミオ様、入ってもよろしいでしょうか?」

 あのような行為をされたが、無視も出来ず、重い体を引きづりながらドアを開けた。すると開けたと同時にいきなり抱きしめられた。

 無意識に体が強張った。けれど彼はそんなことには気づかなかった。

「本当によかった。ミオ様。ミオ様を助けられてよかった。あのような形ではありましたが素敵な夜をありがとうございました。ぜひ朝食も共に取りたかったのですが、もう仕事に向かわねばならず大変申し訳ありません。良い一日をお過ごし下さい」


 ってナニソレ
 フフッ


 そんな中、世間には王家からわたしという神子が現れ、その神子がメルヴィン公爵殿下の待ちに待った番だと国中に公表された。
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