つがいなんて冗談じゃない

ちか

文字の大きさ
25 / 39

どうすれば ギルフォードside

しおりを挟む
 「いや、嫌です、わたしの嫌がることはしなくていいって言っていたじゃないですか」

 拒否されてしまった。

 なぜだ?

 此度のことは神子様の命に関わるため、兄上や神官長、大臣たちを集めて話すことになった。

「消えてしまうということは、死んでしまうということか?」

「おそらくは」

「なんということだ!一大事ではないか」

「さっさと交われば良かろう」

「神子様が現れて三ヶ月まだ大した恩恵も表れてはいないではないか」

「神子様には早く我が国にその恩寵をもたらしていただなくてはならないというのに」

「神子様はお嫌なのですか?」

「文献にはかつての神子様は交わりを好まれるとあり、常に見目麗しい男性を側におき、ご寵愛を授けていたとされています。やはり今回の神子様も好まれるのでは?」

 ミオ様もそうなのだろうか?いや、でも断られてしまったし……

「いや、文献には神子様のお国ではあまりそういったことを公に女性は言ってはならない文化があるともありませんでしたかな?」

「そうだったか?」

「あぁ、そうだったかもしれません。それが原因でしょうか?」

 だからミオ様は断ったのだろうか?自分から交わりをして欲しいなんて言えなくて……

「そのため確か、という男性が好まれるという話もありませんでしたか?」

「オレサマ?」

「少し強引な男性のことらしいです」

「なら強引に進めても問題ないのでは?」

「幸いにも神子様にはメレヴィス公爵殿下という番がいらっしゃる。番と交わりたくない人などいないでしょう?番との交わり以上の幸福などありませんし」

「大変恐縮ですが、殿下が神子様のお好みではないのでしょうか?」

「あっ、それともやはり番のお一人しか交われないことがご不満なのでしょうか?」

「たくさんの方にご寵愛を施したいのだろうか?」

「となるとどうしましょうか?」

「まぁ最後まで致すのは番で、そうではない戯れならいくらでもしていいのではないか?」

「だが殿下の番なのだぞ。殿下の気持ちにもなってみてはいかがか」

「いやしかし、番の前に神子様なのだ。神子様が望むならしかたなかろう」

「それに神子様は番がわからないとの噂ではないか。神子様はやはり多くの方と交わりたいのでは?」

 嫌だ。俺の番だぞ。


「……なら、万一に備えて、神子様のお好み合う方をお探ししておきましょう」

「殿下、神子様、どのような方がお好みですか?」

「……よくわかりません」

「そうですか。まぁ取り敢えずこちらで検討しておきますね」

「それは万が一のためだ。まずは番のお前が行えば何も変わらない」

「そうです。あれほど、よくしているのだ。殿下の愛は伝わってないはずがないでしょう」

「番の殿下がなされるのです。不満などないでしょう。」

「それになにより、命の危機なんですから。多少強引でも問題ないでしょう。なんてものがあるようですし。きっと殿下に感謝されることでしょう」

「神子様は初めてのことに躊躇なさっているだけだろう」

「ギルフォード、神子様を救うためだ。初夜がこのようなことになり残念だが、命の危機だ。命を救い、なおかつ番との交わりは最高の幸せを与えるものなのだから神子様も最後にはよかったと思って下さる。番のお前リードすればいい話だ。早く帰って安心させてやれ」

「はい。わかりました。ミオ様を救うためにも私が迷っている場合ではありませんね」

 彼女を死なせたくない。ようやく出会えた番なのだから。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ただの新米騎士なのに、竜王陛下から妃として所望されています

柳葉うら
恋愛
北の砦で新米騎士をしているウェンディの相棒は美しい雄の黒竜のオブシディアン。 領主のアデルバートから譲り受けたその竜はウェンディを主人として認めておらず、背中に乗せてくれない。 しかしある日、砦に現れた刺客からオブシディアンを守ったウェンディは、武器に使われていた毒で生死を彷徨う。 幸にも目覚めたウェンディの前に現れたのは――竜王を名乗る美丈夫だった。 「命をかけ、勇気を振り絞って助けてくれたあなたを妃として迎える」 「お、畏れ多いので結構です!」 「それではあなたの忠実なしもべとして仕えよう」 「もっと重い提案がきた?!」 果たしてウェンディは竜王の求婚を断れるだろうか(※断れません。溺愛されて押されます)。 さくっとお読みいただけますと嬉しいです。

オマケなのに溺愛されてます

浅葱
恋愛
聖女召喚に巻き込まれ、異世界トリップしてしまった平凡OLが 異世界にて一目惚れされたり、溺愛されるお話

【完結】番が見ているのでさようなら

堀 和三盆
恋愛
 その視線に気が付いたのはいつ頃のことだっただろう。  焦がれるような。縋るような。睨みつけるような。  どこかから注がれる――番からのその視線。  俺は猫の獣人だ。  そして、その見た目の良さから獣人だけでなく人間からだってしょっちゅう告白をされる。いわゆるモテモテってやつだ。  だから女に困ったことはないし、生涯をたった一人に縛られるなんてバカみてえ。そんな風に思っていた。  なのに。  ある日、彼女の一人とのデート中にどこからかその視線を向けられた。正直、信じられなかった。急に体中が熱くなり、自分が興奮しているのが分かった。  しかし、感じるのは常に視線のみ。  コチラを見るだけで一向に姿を見せない番を無視し、俺は彼女達との逢瀬を楽しんだ――というよりは見せつけた。  ……そうすることで番からの視線に変化が起きるから。

番が見つけられなかったので諦めて婚約したら、番を見つけてしまった。←今ここ。

三谷朱花
恋愛
息が止まる。 フィオーレがその表現を理解したのは、今日が初めてだった。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

おばさんは、ひっそり暮らしたい

蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

眺めるだけならよいでしょうか?〜美醜逆転世界に飛ばされた私〜

蝋梅
恋愛
美醜逆転の世界に飛ばされた。普通ならウハウハである。だけど。 ✻読んで下さり、ありがとうございました。✻

処理中です...