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相談 ギルフォードside
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ミオ様がお倒れになって一週間。医師の診断でもう大丈夫と言われ一安心したが、あれミオ様は部屋に引きこもりがちになってしまった。
あの日以来、一緒にお茶を飲むこともなくなり、食事にもあまり現れなくなってしまった。
そうして彼女に触れるのをやめて同じく一週間。病み上がりだし、彼女に言われてしまったからかなり控えているが番に触れられない辛さに私の方が根をあげそうだ。そこで何かいい案がないか長年の友に相談してみることにした。
「先日、神子様がお倒れになってしまってそれからあまり神子様が触らないで欲しいって言うんだがなぜだと思う?俺はこんなにも彼女に触れたいのに」
「まだこちらに来たばかりで色々と戸惑いがあるんじゃないか?」
「いや、でもこちらに来てからもう三カ月ほど経つんじゃないか?」
「あぁもうそんなに経つのか?」
「それにしては神子様が来てから何か恩恵の兆しがあったとは聞いてないな」
「お前、ちゃんと神子様を幸せにしているのか?」
「あぁ、しっかりやっている。神子様には最高級のドレスも宝石もプレゼントしたし、食事も豪華にしているよ。」
「そっか、なら大丈夫なのか?」
「大丈夫じゃないのか?神子様といえど女性なんだから、ドレスや宝石をもらって嬉しくないはずないだろうしな」
「あぁそれに文献にもそのように書かれていたしな。しかも、俺としてはもっとあげたいんだが、どうも神子様は遠慮しているみたいでもういらないと言うんだ……」
「遠慮するってことは控えめな性格なのかな?」
「うーん、なにが問題なんだ?」
「どうやら彼女が元いた国ではあんまり恋人や夫婦でもむやみに触れ合わないらしいんだ。だから慣れていないって」
「そんな国あるのか?」
「聞いたことないな?」
「隣国でもそんな風習聞いたことないぞ」
「恋人や夫婦なら互いに触れ合いたいと思うのが普通じゃないのか?」
「なら、神子様が嘘をついていると?嘘をついてまで俺に触れたくないのか……」
「いやいや、落ち込むなって」
「番に触れられて嬉しくないなんてことないだろ」
「もしかしたらそうやってお前の気を引きたいのかもな」
「気を引く?」
「あえて本心とは逆のこと言ってかまって欲しいとか?」
「なら、まんまと成功ってわけだ。こうしてお前の気が引けてる」
「ははっそうだな」
「ならその触らないでってのも触って欲しいけどかまって欲しいからあえて逆を言ったとか?」
「あとは照れているだけじゃないか?」
「あぁ恥ずかしがってるだけとか?なんたってギルはいい見た目してるもんな」
「こいつは昔からキャーキャー言われてたもんなぁ」
「この顔が触れるたびに近づくんだそりゃドキドキするだろ」
「あぁきっとそうだよ、神子様はきっと照れているだけだ」
「だから思ってもないこと言っちまったんだ」
「きっと今頃言ったことを後悔してるだろ」
「お前が触ってくれなくなったって」
「だからそんな気にすんなって神子様は照れてるだけだって」
「そうか、なら変わらずに彼女に触れて大丈夫だろうか?」
「あぁ大丈夫だろう。むしろもっと触れてやったらどうだ?」
「そうだ。そうだ」
「嬉しさゆえの照れ隠しってやつだろ」
「いやよいやよも好きのうちってやつだ」
「ふぅ……今日みんなに相談出来てよかったよ。どうもわたしは女心というものがわかってなかったみたいだな」
「ははっ、いーってこった」
「またなんかあればいつでも言えよー」
「さぁ憂もなくなったことだし、今日はとことんのもじゃないか」
あの日以来、一緒にお茶を飲むこともなくなり、食事にもあまり現れなくなってしまった。
そうして彼女に触れるのをやめて同じく一週間。病み上がりだし、彼女に言われてしまったからかなり控えているが番に触れられない辛さに私の方が根をあげそうだ。そこで何かいい案がないか長年の友に相談してみることにした。
「先日、神子様がお倒れになってしまってそれからあまり神子様が触らないで欲しいって言うんだがなぜだと思う?俺はこんなにも彼女に触れたいのに」
「まだこちらに来たばかりで色々と戸惑いがあるんじゃないか?」
「いや、でもこちらに来てからもう三カ月ほど経つんじゃないか?」
「あぁもうそんなに経つのか?」
「それにしては神子様が来てから何か恩恵の兆しがあったとは聞いてないな」
「お前、ちゃんと神子様を幸せにしているのか?」
「あぁ、しっかりやっている。神子様には最高級のドレスも宝石もプレゼントしたし、食事も豪華にしているよ。」
「そっか、なら大丈夫なのか?」
「大丈夫じゃないのか?神子様といえど女性なんだから、ドレスや宝石をもらって嬉しくないはずないだろうしな」
「あぁそれに文献にもそのように書かれていたしな。しかも、俺としてはもっとあげたいんだが、どうも神子様は遠慮しているみたいでもういらないと言うんだ……」
「遠慮するってことは控えめな性格なのかな?」
「うーん、なにが問題なんだ?」
「どうやら彼女が元いた国ではあんまり恋人や夫婦でもむやみに触れ合わないらしいんだ。だから慣れていないって」
「そんな国あるのか?」
「聞いたことないな?」
「隣国でもそんな風習聞いたことないぞ」
「恋人や夫婦なら互いに触れ合いたいと思うのが普通じゃないのか?」
「なら、神子様が嘘をついていると?嘘をついてまで俺に触れたくないのか……」
「いやいや、落ち込むなって」
「番に触れられて嬉しくないなんてことないだろ」
「もしかしたらそうやってお前の気を引きたいのかもな」
「気を引く?」
「あえて本心とは逆のこと言ってかまって欲しいとか?」
「なら、まんまと成功ってわけだ。こうしてお前の気が引けてる」
「ははっそうだな」
「ならその触らないでってのも触って欲しいけどかまって欲しいからあえて逆を言ったとか?」
「あとは照れているだけじゃないか?」
「あぁ恥ずかしがってるだけとか?なんたってギルはいい見た目してるもんな」
「こいつは昔からキャーキャー言われてたもんなぁ」
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「あぁきっとそうだよ、神子様はきっと照れているだけだ」
「だから思ってもないこと言っちまったんだ」
「きっと今頃言ったことを後悔してるだろ」
「お前が触ってくれなくなったって」
「だからそんな気にすんなって神子様は照れてるだけだって」
「そうか、なら変わらずに彼女に触れて大丈夫だろうか?」
「あぁ大丈夫だろう。むしろもっと触れてやったらどうだ?」
「そうだ。そうだ」
「嬉しさゆえの照れ隠しってやつだろ」
「いやよいやよも好きのうちってやつだ」
「ふぅ……今日みんなに相談出来てよかったよ。どうもわたしは女心というものがわかってなかったみたいだな」
「ははっ、いーってこった」
「またなんかあればいつでも言えよー」
「さぁ憂もなくなったことだし、今日はとことんのもじゃないか」
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