つがいなんて冗談じゃない

ちか

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ヴァーノン公爵令嬢side

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 とうとう、殿下が番と初夜を迎えたらしい。きっと、私があの番に番のあり方を教えてあげたおかげよね。そして、なんとその番が何と伝説の神子様だと発表もあった。

 信じられなかった。あんな貧相な女が殿下の番というだけでも耐え難いのに、女性の憧れの伝説の神子様だなんて!

 ずるいわ!殿下の番であり、神子様だななんて!どちらか一方……いいえ、殿下の番の座を私に譲って欲しいわ!

 そんなことを考えていると、また殿下の番の話が私の耳に入ってきた。今度はただの触れ合いどころか、閨を拒んでいるらしいわ。しかも初夜は神子様であるあの女の命を救うためであったらしい。

 この私が直々に教えてあげたにも関わらず、またあの女……

 私はいてもたってもいられず、すぐ様先触を出し、あの女がいる殿下の屋敷を訪ねた。殿下が不在なのは残念だったが、今日の目的はあの女への忠告だ。


 ***


 前回同様、彼女にもわかりやすいようにはっきりと言ってあげたわ。
 どうせまたポカンと口を開けているのかしら?とまじまじと顔を見たら先日とは全く違う表情だった。硬い表情?いえ、無の表情だわ。どうしてそんな表情かおをしているの?だが今は女の表情なんて気にしている場合ではないわ。きっと反省しているということよね。


 私が代わればいい?何を言っているのかしらこの女。それに命の恩人である殿下に感謝がないのかと思い、言い返したら突然笑い出したわ。

 そしてこともあろうにあの女は殿下にしていただいた行為をだなんて宣った。えっ?私の聞き間違いよね?殿下とのしかも番である彼との最上の幸せの行為を強姦だなんて!なんて言い草なのかしら!

 そう思ってまた言い返したわ。そしたら更に訳のわからないことを言い始めとても気味が悪かった。もうこの女と話していることが怖かった。だから急いで帰ったわ。

 どうしてあんな気味の悪い女が殿下の番なのかしら?どうして私が番じゃないの?

 どうして?

 どうして?

 どうして?


 帰りの馬車の中でも、屋敷に帰ってからの自室でも答えのない問いを考え続けていた。

 それから数日間食欲も湧かず、自室に引き篭もるような生活を送っていた。するとある日、見覚えのない差出人からの手紙が届いた。

 それは私に希望の光を灯してくれた。
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