つがいなんて冗談じゃない

ちか

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図書館

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 教えてもらった図書館はすごく大きくて素敵なところだった。きっと歴史があるんだなぁと思った。元の世界にいた頃、いつか本で見た世界一美しい書店みたいだった。

 しばし図書館の様相に見惚れてしまったが、さっそくこの世界について調べようと思った。

 この世界、とくにこの国のことを知りたいのはもちろんだが、もう一つ確認したいことがあった。

 それは会話はどうにかなっているが果たして文字は読めるのかと言うことだ。

 それを確認するためにもここに来たかった。

 ドキドキしながらとりあえず近くにあった本の背表紙をじっと見た。すると一瞬読めない?と思った文字がぐにゃりと歪んだかと思うと、次の瞬間には日本語見えた。

 なんだか勉強せずに読めてしまうことはずるい気がして、少しの罪悪感を抱きつつも、文字が読めることにほっとした。

 そうしてまずはこの図書室のどこにどんな本があるのかを知るために全体を見て周ることにした。

 不安に駆られ衝動的に訪れたが、見ているだけでも気分転換にもなるし、とても楽しい。さっきまでのどうしたらいいかという不安を少しの間忘れることが出来た。こちらに来てから初めて楽しむことが出来た。

 しかし、当初の目的を思い出し、慌てて先ほど見つけたこの国の成り立ちや他国のことについて書かれた本を何冊か手に取って閲覧スペースに移動した。

 実際に読み始めると歴史書なのに世界が違いすぎて設定が細かいファンタジー小説やSF小説を読んでいるようで、自分の中に落とし込んで理解するのがなかなかに難しかった。

 文字は読めても単語の意味がわからないものが多かったのだ。
 そのため今度は辞書がないか一通り見て回ったが、それらしいものは見当たらなかった。だから何となくと文章の中で意味を推測しながら読み進めた。

 その中には国に不思議な少女が現れ、恵みをもたらし、のちに神子と呼ばれるようになったとの記述もあった。あぁ、それがわたしだと思われているのかと思った。他にも何か書いてあるかと思い、さらに本を探しに行こうと思ったが、カランカランとベルが鳴り響いた。音の発生源に顔を向けると、受付カウンターらしきところにいる人がハンドベルの様なものを鳴らしていた。何事?と思っていると、周りの人達が続々と本を片付けたり、出口に向かって行っていた。

 どうやら、終業時間のようだ。もうそんなに時間が経っていたのかと驚いた。窓の外を見るとうっすらと空が赤く染まっていた。屋敷をお昼頃に抜け出してからあっという間だった。

 わたしは慌てて本を戻し他の人達と同じように出口へと向かった。まだ色々調べたかったなと思いつつ渋々、後ろ髪を引かれる思いで図書室を後にした。

 
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