手違いで異世界に強制召喚されました!

ZOMBIE DEATH

文字の大きさ
22 / 28

第18話「感動したら感知スキル覚えてdisられた」

しおりを挟む
 
 僕がむずかしそうな顔をしていると、モンブランが話しかけて来た……

『どうしたの?難しそうな顔して?悩むなら全部にしちゃえば?そんなに難しくないし!でも、魔法が覚えられるかは適性があればだったかな?あれ……今すぐ必要なんだっけ?だったら覚えるのはどれも無理か!』


「まぁそれもあるんだけどね。まぁこの先へ行く方法はそのうちでも良いんだ。何と無く奥があるんだって思ったら……行きたくなっただけだし」

 僕はこの先の事を気にしつつも、モンブランに簡潔に説明した。

 まぁ、難しい顔してたのは……なんというか……

 モンブランが居たところには精霊が居なかったって話だ……だが、さっきは何処にでも居るって言ってたから、僕は色々と考えてしまった。


「どう言う理由であそこには居なかったのかな?ってさ……」


『ああ~!!あの辺りは既に魔の森に浸食されて、多くの木が魔物になってしまっていたのよ。意識が混濁して話もできない状況だったの……周囲の木を私が護るには力がたらなくて……』


 何処となく自分の所為にしているが、多分そうでは無いと思う……

 あの場所を自分の目で見た僕はそう言える自信があった。


『雨が降れば水の精霊がはしゃいで、風が吹けば風の精霊が踊るけど、魔の森は魔の領域だから……精霊が現れても、穢れに飲まれてそのうち言葉も交わせなくなっちゃうの……』


「木を護るように精霊も守ることはできなかったのかい?」


『精霊はあるがままを受け入れる話をしたじゃない?だから私が行う護る結界を受け入れないの……相手が受け入れないと私の守護の効果は無いわ……』


「でも、周りの木々は護れたんだろ?」


『ええ……護ったわ。でもね、穢れは土も水も光も穢すのよ。私が結界で護っても限度はあるわ……私が届く範囲でしか護れないの。伸ばした根で……枝で……葉で……彼等は結界の外の土や水、光から穢れを吸い上げてしまうのよ……樹木だけに』

モンブランは哀しそうな表情をして、その時を思い出す様に語っている……

『中に入ってしまった穢れは、あるがままを受け入れる私達には、もうどうしようも出来ないわ……。あそこの周辺の木々は既に意識が混濁している木と、穢れに蝕まれている樹木だけよ。長い年月で穢れを吸い込みすぎたの』

 モンブランはそう言って、聖樹と精霊の説明を続ける……

 聖樹は世界の因果をあるがままを受け入れる……力の限り周囲に守護の加護を張るのが聖樹たる由縁なのだから。

 そして周りの侵食が進んでも、自身は自分の結界で護られる……

 聖樹は存在意義の為、生きる者を護る加護を張る……それが聖樹の役目だと言う。


『私達が、いずれ廻って再度逢えることを願って……。矛盾してると言えば矛盾してるわよね。だからこそ聖樹は(気まぐれ)なんじゃ無いかしら?』


「もし、今モンブランが言った『あるがままを受け入れない場合』は、聖樹や精霊はどうなるんだい?」


『聖樹で無くなるわ……円環に戻れなくなるの。聖樹として生まれて聖樹として死ぬ……そしてまた聖樹として生まれ変わる。記憶を引き継ぎながら苗木から聖樹となる輪から弾き出されて、しまう。そして……この世界を虚い歩く者になるわ』


 モンブランは僕を真っ直ぐ見ながら、その話をする……

 非常に哀しそうな目で、まるでその事を知っている様な口ぶりだ。


『精霊も同じよ、精霊として還れなくなる。そして同じように虚ろい歩くことになるわ……いつ迄かはわからないし、その後どうなるかも分からない』


 モンブランは、言葉を濁しながらも話を続ける……


『私は未だかつて見た事がないけど……遥かに遠い過去にそんな者がいた事は……聞いた事があるわ』


「何かごめん……嫌なこと聞いちゃったみたいで……答えてくれてありがとう。これもあるがままの受け入れだとしても、答えてくれたことに感謝してる」

 僕はモンブランへ咄嗟に謝っていた……

 精霊も人も同じだ……苦しみを与えるべきでは無い……そう思ったのだ。

『こんな話をする日が来るとは思わなかった!不思議ねヒロは……今まで誰にも聞かれもしないし、私自身聴かれるまで語ろうとも思わなかったわ』


 永遠と思われる時間トキを、穢れからひとりで護り、壊れていく樹々や精霊を『見守ってきた』のだと強く感じた。

 周りの木々は護られているが、成長の過程で守護範囲から出てしまい穢れで壊れて行く。

 自分自身で行う成長なのだ……彼女は責められないし、彼女達聖樹のあり方を変えることはできない。

 多分だが、自分自身で耐えられなくなると、気まぐれが起きるのだろう……

 聖樹のあり方を壊さない為にそうしなければ、彼女達はいつか世界の『あるがままを受け入れず』助けてしまうはずだ。

 助ける事が存在意義の長命種なのだから……助けない筈が無い。

 そしてそんな彼女と、精霊を強く感じようとしたとき不思議な事が起きた。

 頭の中にマークが浮かんだのだ……

 大きな真っ黒い空間に、白い◎が浮かび、近くには一回り小さい青⚪︎が無数に動いている。

 見た感じ◎が僕で青⚪︎がモンブランや精霊なのでは無いだろうか?……その事をモンブランに聴くと…

『うわー何か……インチキだわ!!アイスの魔法も1発成功だったし……魔法とかスキルの理解が異常に早いよね。今感知スキル取るとか……ひくわー。絶対頭がどうにかなってる!多分中身は大型魔石がいっぱい詰まってるんじゃ無い?』


『世界初の魔石人間の誕生だ~』


『マセ筋冒険者の誕生だ~』


『大きな魔石の無駄遣い~……持ってても人間じゃ勿体無い~』


『脳が魔石って実は人間じゃなかったんだ~早く人間になりたい!って願ってるの?』


 かなり引き気味で見られている。

 水の精霊はモンブランのマネをする始末で……仲が宜しくて何よりだ。

 これは探感知スキルだったらしい話に感動した事も伝えたはずだが、モンブランはあるがままのイジリを発動しているようだ……水の妖精複数を巻き込みながら。


 精霊組を放置して感知スキルを使ってみる……すると使い方は意外と簡単だった。

 周囲に何が居るか集中するだけで自分(白)、他(青)、敵(赤)が判別できるようなので、取り敢えず自分の周りの状況を調べてみると……

 目の前の壁に沿って三つの赤◉が壁に重なる様に動かず、その更に奥には小さい赤◉が微妙に蠢いている。

 水の精霊が言っていたように、探知するとここが最奥部では無いのが一目瞭然だった。

 壁スライムと水の精霊が言っていたのは、周辺の石を巻き込んだスライムが壁の隙間にまるで擬態している様に挟まった状態だった。

 岩に擬態したスライムのようなのが、3匹入り口を埋めて石壁のような状態になっている。

 ナイフで刺すにも、石のあわせ目からは核が分からない……そして隙間にも刃が通りそうに無い。

 取り敢えず探知でスライムがいる場所を蹴っ飛ばしてみるが、どういう風に周りにくっつき強度を出しているのか分からないが『ゴッ』と音を立てて気持ちたわむものの、ビクともしない。

 周りごと崩せるような状態でも無く、蹴っ飛ばされて襲ってくる訳でも無い様だ。

 水場に戻ると水の精霊と話してたモンブランが

『見つけたんだね!あのスライムは、門の様に入り口を塞いでるから奥に進めないんでしょう?』

 僕はおもむろに、リュックの中からチャームを取り出してスライムが通せんぼをしている壁の方に向かう。

 チャームの効果は中級までのモンスターを遠ざける効果だ。

 使い方は何も退ける為だけじゃない……上手く使えば、岩の様に擬態したスライムだって問題ない。

 このチャームは中級種までの魔物を退けるんだから!
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで

六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。 乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。 ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。 有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。 前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。

転生特典〈無限スキルポイント〉で無制限にスキルを取得して異世界無双!?

スピカ・メロディアス
ファンタジー
目が覚めたら展開にいた主人公・凸守優斗。 女神様に死後の案内をしてもらえるということで思春期男子高生夢のチートを貰って異世界転生!と思ったものの強すぎるチートはもらえない!? ならば程々のチートをうまく使って夢にまで見た異世界ライフを楽しもうではないか! これは、只人の少年が繰り広げる異世界物語である。

『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!

たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。 新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。 ※※※※※ 1億年の試練。 そして、神をもしのぐ力。 それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。 すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。 だが、もはや生きることに飽きていた。 『違う選択肢もあるぞ?』 創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、 その“策略”にまんまと引っかかる。 ――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。 確かに神は嘘をついていない。 けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!! そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、 神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。 記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。 それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。 だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。 くどいようだが、俺の望みはスローライフ。 ……のはずだったのに。 呪いのような“女難の相”が炸裂し、 気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。 どうしてこうなった!?

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

空手馬鹿の俺が転生したら規格外の治癒士になっていた 〜筋力Eのひ弱少年治癒士が高みを目指す!?〜

くまみ
ファンタジー
 前世は空手部主将の「ゴリラ」男。転生先は……筋力Eのひ弱な少年治癒士!?  「資質がなんだ!俺の拳は魔法を超える!……と、思うけど……汗」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  俺は五里羅門(ごり・らもん) 35歳独身男だ。硬派すぎて女が寄り付かず。強すぎる空手愛と鍛え抜かれた肉体のせいで不本意ながら通称「ゴリラ」と呼ばれていた。  仕事帰りにダンプに跳ねられた俺が目覚めると、そこは異世界だった。だが転生した姿は前世とは真逆。  病弱で華奢。戦闘力最低と言われる職業の「治癒士」(ヒーラー)適正の10歳の少年・ノエル。  「俺は戦闘狂だぞ!このひ弱な体じゃ、戦えねぇ!  「華奢でひ弱な体では、空手技を繰り出すのは夢のまた夢……」  魔力と資質が全てのこの世界。努力では超えられない「資質の壁」が立ちふさがる。  だが、空手馬鹿の俺の魂は諦めることを知らなかった。  「魔法が使えなきゃ、技で制す!治癒士が最強になっちゃいけないなんて誰が決めた?」  これは魔法の常識を「空手の技」で叩き壊す、一人の少年の異世界武勇伝。    伝説の騎士、美少女魔術師、そして謎の切り株(?)を巻き込み、ノエルの規格外の挑戦が今始まる!    

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

処理中です...