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#1 レツオウガ起動
Chapter01 邂逅 01-05
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冷水で念入りに顔を洗った風葉だが、やはり頭の銀色と混乱は消えてくれない。
それでも今までの学校生活で培われた習慣は、反射的にいつもの行動を風葉に取らせてくれた。
食堂で朝食をを平らげ、自室で制服に着替え、鞄を持って教室へとおもむく。少し時間はかかったが、おおむねいつも通りの朝だ。銀髪と犬耳以外は。
「うぅーん」
そんなこんなで午前八時二十五分、日乃栄高校二年二組。
賑わい始めた教室を眺めながら、風葉は自分の席に腰かけていた。
紺色のブレザーに、灰色のプリーツスカート。いつもの制服姿をした風葉は、何をするでもなくぼんやりと携帯をもてあそぶ。
寮内やら食堂やらで友人と話すタイミングは何度もあった。その際にそれとなく、風葉は頭の銀色と犬耳をアピールしてみたりもした。
結果、全て空振り。泉と同じく、銀髪と犬耳の存在に気付いてくれる者は、誰一人として居なかった。
「オバケみたいなもんなのかなぁ」
風葉の気ままな操作に従い、くるくると流れるアドレス張。もう何回転したかもわからない表から顔を上げ、風葉は室内へと視線を映す。
もうすぐ朝のホームルームが始まる二年二組は、やはりいつもの喧騒しかない。
楽しそうに駄弁っている茶髪の女子生徒に、眠そうな頬杖をついている刈り上げの男子生徒。
それから風葉を凝視している長身の男子生徒に、忙しくメールを打っている眼鏡の女子生徒。
やはり特に変わったことは――。
「いや待った」
がば、と風葉は視線を戻す。
目があった。まばたきも忘れたまま、一直線に風葉を凝視してくる男子生徒と。
今しがた教室へ入って来たらしい男子生徒の目は、間違いなく風葉を、正確にはその銀髪を見つめている。
紺色のブレザーに灰色のスラックスという、ごく普通な指定の制服。ぼさぼさ気味な髪の毛。そして左袖口からやたらごつい腕時計が覗いている男子生徒の名前は、五辻辰巳。
およそ半月前、この二年二組へ転校して来たクラスメイトだ。
「……えぇと」
そんな辰巳と目を合わせながら、風葉は頭上の犬耳をおずおずと指差す。
辰巳は無言のまま、ゆっくりと首肯した。
「……!」
確定した。五辻辰巳は、間違いなく、風葉の銀髪と犬耳が見えている。
それでも今までの学校生活で培われた習慣は、反射的にいつもの行動を風葉に取らせてくれた。
食堂で朝食をを平らげ、自室で制服に着替え、鞄を持って教室へとおもむく。少し時間はかかったが、おおむねいつも通りの朝だ。銀髪と犬耳以外は。
「うぅーん」
そんなこんなで午前八時二十五分、日乃栄高校二年二組。
賑わい始めた教室を眺めながら、風葉は自分の席に腰かけていた。
紺色のブレザーに、灰色のプリーツスカート。いつもの制服姿をした風葉は、何をするでもなくぼんやりと携帯をもてあそぶ。
寮内やら食堂やらで友人と話すタイミングは何度もあった。その際にそれとなく、風葉は頭の銀色と犬耳をアピールしてみたりもした。
結果、全て空振り。泉と同じく、銀髪と犬耳の存在に気付いてくれる者は、誰一人として居なかった。
「オバケみたいなもんなのかなぁ」
風葉の気ままな操作に従い、くるくると流れるアドレス張。もう何回転したかもわからない表から顔を上げ、風葉は室内へと視線を映す。
もうすぐ朝のホームルームが始まる二年二組は、やはりいつもの喧騒しかない。
楽しそうに駄弁っている茶髪の女子生徒に、眠そうな頬杖をついている刈り上げの男子生徒。
それから風葉を凝視している長身の男子生徒に、忙しくメールを打っている眼鏡の女子生徒。
やはり特に変わったことは――。
「いや待った」
がば、と風葉は視線を戻す。
目があった。まばたきも忘れたまま、一直線に風葉を凝視してくる男子生徒と。
今しがた教室へ入って来たらしい男子生徒の目は、間違いなく風葉を、正確にはその銀髪を見つめている。
紺色のブレザーに灰色のスラックスという、ごく普通な指定の制服。ぼさぼさ気味な髪の毛。そして左袖口からやたらごつい腕時計が覗いている男子生徒の名前は、五辻辰巳。
およそ半月前、この二年二組へ転校して来たクラスメイトだ。
「……えぇと」
そんな辰巳と目を合わせながら、風葉は頭上の犬耳をおずおずと指差す。
辰巳は無言のまま、ゆっくりと首肯した。
「……!」
確定した。五辻辰巳は、間違いなく、風葉の銀髪と犬耳が見えている。
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