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#1 レツオウガ起動
Chapter01 邂逅 03-06
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走る閃光、一拍遅れて響き渡る爆音。
辰巳の一撃によって砕かれ、形を失ったフェンリルの霊力が、光の粒子となって辺りを埋め尽くす。
さながらダイヤモンドダストのように、儚く消えて行く光。
フェンリルだった光。
鹿島田泉を、内包していた光。
「いず、み」
秒単位で揮発していく輝きが、風葉の脳裏に泉の記憶をフラッシュバックさせる。
騒がしくも楽しかった隣人、高校に入学して最初に出来た友達。その思い出を。
「そ、んな」
膝に力が入らない。ガクリと崩折れる風葉の目尻に、じわりと大粒の涙が滲む。
「助けるって、言ったのに……!」
「ああ、助けたぞ?」
「……ふぇ?」
顔を上げる風葉。
気付けば粒子はすっかり晴れており、フェンリルは影も形も見当たらず、結界の向こうのクラスメイト達すら居ない。
残っているのは真正面で立ち尽くしている辰巳と――その両腕に掻き抱かれながら、静かに眠っている泉の姿だった。
「い、泉!? 無事だったんだ!?」
弾かれたように跳び上がり、即座に駆け寄る風葉。喜びと驚きを満面に浮かべる風葉とは対照的に、辰巳は相変わらず無表情なフェイスシールドのままだ。
「気絶してるだけさ。命に別条はない」
言いつつ、辰巳はそっと泉を床へ寝かせた。風葉はその脇へ即座にしゃがみこむ。
怪我のたぐいは一切ない。髪が乱れ、肌が汗ばみ、胸元のジッパーがやや下がっているが、それくらいだ。規則正しく上下している胸が、確かな命の存在を保証していた。
その事実に心底安堵しながらも、風葉は辰巳へと顔を上げる。
「で、でも、どうして?」
「そりゃあ、調べたからな。コイツで、泉さんとやらの場所を」
おもむろに自身の右目辺り、今も輝く赤い光点を指差す辰巳。
「このフェイスシールドには色々と機能があってな。霊力の動きを解析するセンサーも、その一つだ」
右目上の赤い光――もとい、霊力センサーという物が備わっていた事実に、風葉は目を丸める。
「そんな便利なモノが……あ、だから、防御ばっかりしてたの?」
「そゆこと」
後はセンサーの解析データを頼りに、内部に取り込まれた人質を傷つけぬよう、収束と屈折を施された大技、インペイル・バスターを見舞ったというわけだ。
「ともかく、これで一段落だな」
そう言って、辰巳はようやくフェイスシールドを解除する。現れたのはやはり仏頂面の無表情だったが、心持ち安堵しているような雰囲気があることに、風葉は小さくため息をついた。
なんだ、心配なんていらなかったんだ、と。
辰巳の一撃によって砕かれ、形を失ったフェンリルの霊力が、光の粒子となって辺りを埋め尽くす。
さながらダイヤモンドダストのように、儚く消えて行く光。
フェンリルだった光。
鹿島田泉を、内包していた光。
「いず、み」
秒単位で揮発していく輝きが、風葉の脳裏に泉の記憶をフラッシュバックさせる。
騒がしくも楽しかった隣人、高校に入学して最初に出来た友達。その思い出を。
「そ、んな」
膝に力が入らない。ガクリと崩折れる風葉の目尻に、じわりと大粒の涙が滲む。
「助けるって、言ったのに……!」
「ああ、助けたぞ?」
「……ふぇ?」
顔を上げる風葉。
気付けば粒子はすっかり晴れており、フェンリルは影も形も見当たらず、結界の向こうのクラスメイト達すら居ない。
残っているのは真正面で立ち尽くしている辰巳と――その両腕に掻き抱かれながら、静かに眠っている泉の姿だった。
「い、泉!? 無事だったんだ!?」
弾かれたように跳び上がり、即座に駆け寄る風葉。喜びと驚きを満面に浮かべる風葉とは対照的に、辰巳は相変わらず無表情なフェイスシールドのままだ。
「気絶してるだけさ。命に別条はない」
言いつつ、辰巳はそっと泉を床へ寝かせた。風葉はその脇へ即座にしゃがみこむ。
怪我のたぐいは一切ない。髪が乱れ、肌が汗ばみ、胸元のジッパーがやや下がっているが、それくらいだ。規則正しく上下している胸が、確かな命の存在を保証していた。
その事実に心底安堵しながらも、風葉は辰巳へと顔を上げる。
「で、でも、どうして?」
「そりゃあ、調べたからな。コイツで、泉さんとやらの場所を」
おもむろに自身の右目辺り、今も輝く赤い光点を指差す辰巳。
「このフェイスシールドには色々と機能があってな。霊力の動きを解析するセンサーも、その一つだ」
右目上の赤い光――もとい、霊力センサーという物が備わっていた事実に、風葉は目を丸める。
「そんな便利なモノが……あ、だから、防御ばっかりしてたの?」
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「ともかく、これで一段落だな」
そう言って、辰巳はようやくフェイスシールドを解除する。現れたのはやはり仏頂面の無表情だったが、心持ち安堵しているような雰囲気があることに、風葉は小さくため息をついた。
なんだ、心配なんていらなかったんだ、と。
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