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#1 レツオウガ起動
Chapter01 邂逅 04-02
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「……う、で」
「そうだな、右腕だ。しかもデカくて赤い」
真横で辰巳が頷いていたが、風葉は気付きもせずに目を擦る。そして、もう一度窓の外を凝視する。
しかし、人間など軽く握り潰せそうなくらいに巨大な腕が、日乃栄高校北校舎に寄りかかっている光景は、どう頑張っても覆らない。
「うでぇー!?」
驚愕でフリーズしていた風葉の思考は、ここでようやく通常状態に戻った。
「そうだな、右腕だ。しかもデカくて赤い」
「それはさっきも聞いたよ! それよりもなんなのアレ!? なんで腕!? なんで赤いの!? なんでいきなりあんなの生えたの!?」
巨大な右腕を指差しつつ、矢継ぎ早に疑問を投げかける風葉。それをキャッチしながらも、辰巳は光柱から視線を外さない。
「残念だが、出て来るのは右腕だけじゃなさそうだぞ」
「ふぇっ」
知れず、自分が指していた指と同じ方向を向く風葉。
校舎に手をかけている巨腕は、肘をくの字に曲げていた。丁度、体重をかける時のように。
「……、えぇと」
恐る恐る、風葉は巨腕の肘から先を目で追う。
断崖のように角ばった肩口。山のように分厚い胸板。そして恐ろしく巨大な頭部が、光柱から現れている真っ最中だった。
「……」
もはや驚く気力すら沸かず、ひたすらに絶句する風葉。その視線を一身に浴びながら、赤い異形は立ち上がる。
全長は、優に二十メートルはあるだろうか。赤く染まった筋骨隆々の身体には、肩、肘、膝から刃のような角が生えている。まるで身体そのものが鎧であるといった風体だ。
頭部には針のような青い髪が逆立っており、顔の中央には金色に輝く巨大な目が一つ。
そして、更にその下にある耳まで裂けた巨大な口が、産声を上げた。
『WOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!』
「ぃひゃぁ!?」
校舎越しにすら空気を波打たせる巨人の咆哮に、風葉は思わず尻もちを突いた。
「大丈夫か」
言いつつ、無造作に右腕を差し出す辰巳。
「う、うん。なんとか」
思わず握ったその手のひらは、グローブ越しでもゴツゴツと強張っているのが分かった。
今までとは違う意味合いの驚きが、風葉の心臓に早鐘を打たせた。
「そうだな、右腕だ。しかもデカくて赤い」
真横で辰巳が頷いていたが、風葉は気付きもせずに目を擦る。そして、もう一度窓の外を凝視する。
しかし、人間など軽く握り潰せそうなくらいに巨大な腕が、日乃栄高校北校舎に寄りかかっている光景は、どう頑張っても覆らない。
「うでぇー!?」
驚愕でフリーズしていた風葉の思考は、ここでようやく通常状態に戻った。
「そうだな、右腕だ。しかもデカくて赤い」
「それはさっきも聞いたよ! それよりもなんなのアレ!? なんで腕!? なんで赤いの!? なんでいきなりあんなの生えたの!?」
巨大な右腕を指差しつつ、矢継ぎ早に疑問を投げかける風葉。それをキャッチしながらも、辰巳は光柱から視線を外さない。
「残念だが、出て来るのは右腕だけじゃなさそうだぞ」
「ふぇっ」
知れず、自分が指していた指と同じ方向を向く風葉。
校舎に手をかけている巨腕は、肘をくの字に曲げていた。丁度、体重をかける時のように。
「……、えぇと」
恐る恐る、風葉は巨腕の肘から先を目で追う。
断崖のように角ばった肩口。山のように分厚い胸板。そして恐ろしく巨大な頭部が、光柱から現れている真っ最中だった。
「……」
もはや驚く気力すら沸かず、ひたすらに絶句する風葉。その視線を一身に浴びながら、赤い異形は立ち上がる。
全長は、優に二十メートルはあるだろうか。赤く染まった筋骨隆々の身体には、肩、肘、膝から刃のような角が生えている。まるで身体そのものが鎧であるといった風体だ。
頭部には針のような青い髪が逆立っており、顔の中央には金色に輝く巨大な目が一つ。
そして、更にその下にある耳まで裂けた巨大な口が、産声を上げた。
『WOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!』
「ぃひゃぁ!?」
校舎越しにすら空気を波打たせる巨人の咆哮に、風葉は思わず尻もちを突いた。
「大丈夫か」
言いつつ、無造作に右腕を差し出す辰巳。
「う、うん。なんとか」
思わず握ったその手のひらは、グローブ越しでもゴツゴツと強張っているのが分かった。
今までとは違う意味合いの驚きが、風葉の心臓に早鐘を打たせた。
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