45 / 162
#1 レツオウガ起動
Chapter01 邂逅 05-10
しおりを挟む
「奮ッ!」
かくして辰巳は竜牙兵の盾に掌打を叩き込む。超高速突撃の速度をそのまま乗せられた一撃は、盾ごと竜牙兵を粉微塵に粉砕した。
さながらショットガンのようにばら撒かれる骨の欠片。それを浴びせられ、たたらを踏むキクロプス。
「WOOOOッ!?」
「GI!?」
「GIGI!?」
ここでようやく他の竜牙兵達がオウガに気付いたが、辰巳はそれに対応する暇を与えない。
「セット! ランチャー!」
『Roger Launcher Etherealize』
振りぬいた手のひらを真上に向け、生成したばかりのロケットランチャーを一斉発射。ターゲットは残り全ての竜牙兵、照準は睨み合いの合間に済んでいる。
いずれ落ちてくるだろうミサイルを、しかしターゲット達は気にもとめない。
「GIIIIIッ!」
自陣の真正面へ現れた敵へ向け、一斉に剣を振り被る竜牙兵。
「WOOOOッ!!」
「SHAAAAAッ!」
キクロプスも体勢を持ち直し、右腕の竜と共に格闘戦をしかける。
が、そうした有象無象達のどんな行動よりも、辰巳の斬撃が先んじた。
「凄ッ!」
片手、逆袈裟斬り。オウガの膂力のみならず、生成していたリバウンダーの跳躍力を上乗せした斬撃は、刃の軌道上に飛び込んできた竜の首ごと、キクロプスの胴体を斜めに両断した。
「WOO、OO――ッ」
力なく響き渡る断末魔を眼下に、高く高く跳び退るオウガ。そのすぐ脇を、先程放ったミサイルが掠めて落ちていった。
直後、背後で轟く爆発音。それを振り向く事無く、オウガは緩やかに着地。
爆音に混じって竜牙兵の声が聞こえた気もしたが、辰巳は無視してブレードの制御を解除、ただの霊力へと還元する。
戦闘は、終了したのだ。
「これにて排除完了、と」
言いつつ、辰巳は小さく息を吐いた。
細々とした後始末や、スペクター本体の捜索等、やる事自体は色々と残っている。が、今はとりあえずファントム3にオウガの回収を頼み、幻燈結界を解除すれば終了だ。
まずは日乃栄高校に戻って――と、オウガの足を向けた矢先、辰巳は先ほど風葉が何か言いかけていた事を思い出した。
「そういや霧宮さん、さっき何か言ってたよな。何なんだい?」
「……、ぅ」
振り向く風葉は、なぜか口元を押さえながら両手に涙を溜めていた。
「ど、どうしたんだ霧宮さん!? まさかフェンリルの影響が――!?」
うろたえかける辰巳だったが、しかし風葉はゆるゆると首を振る。
「さっきので、舌、噛んだの。足も、痺れてつらいの」
さっきの、とは考えるまでも無くラピッドブースターを使った時だろう。そうでなくともずっと泉を膝枕していたのだから、相当しんどかっただろう。
「……そうか。なんかこう色々と、ごめん」
キクロプスと戦っていた時よりも遥かに神妙な顔で、辰巳は大きく頭を下げた。
かくして辰巳は竜牙兵の盾に掌打を叩き込む。超高速突撃の速度をそのまま乗せられた一撃は、盾ごと竜牙兵を粉微塵に粉砕した。
さながらショットガンのようにばら撒かれる骨の欠片。それを浴びせられ、たたらを踏むキクロプス。
「WOOOOッ!?」
「GI!?」
「GIGI!?」
ここでようやく他の竜牙兵達がオウガに気付いたが、辰巳はそれに対応する暇を与えない。
「セット! ランチャー!」
『Roger Launcher Etherealize』
振りぬいた手のひらを真上に向け、生成したばかりのロケットランチャーを一斉発射。ターゲットは残り全ての竜牙兵、照準は睨み合いの合間に済んでいる。
いずれ落ちてくるだろうミサイルを、しかしターゲット達は気にもとめない。
「GIIIIIッ!」
自陣の真正面へ現れた敵へ向け、一斉に剣を振り被る竜牙兵。
「WOOOOッ!!」
「SHAAAAAッ!」
キクロプスも体勢を持ち直し、右腕の竜と共に格闘戦をしかける。
が、そうした有象無象達のどんな行動よりも、辰巳の斬撃が先んじた。
「凄ッ!」
片手、逆袈裟斬り。オウガの膂力のみならず、生成していたリバウンダーの跳躍力を上乗せした斬撃は、刃の軌道上に飛び込んできた竜の首ごと、キクロプスの胴体を斜めに両断した。
「WOO、OO――ッ」
力なく響き渡る断末魔を眼下に、高く高く跳び退るオウガ。そのすぐ脇を、先程放ったミサイルが掠めて落ちていった。
直後、背後で轟く爆発音。それを振り向く事無く、オウガは緩やかに着地。
爆音に混じって竜牙兵の声が聞こえた気もしたが、辰巳は無視してブレードの制御を解除、ただの霊力へと還元する。
戦闘は、終了したのだ。
「これにて排除完了、と」
言いつつ、辰巳は小さく息を吐いた。
細々とした後始末や、スペクター本体の捜索等、やる事自体は色々と残っている。が、今はとりあえずファントム3にオウガの回収を頼み、幻燈結界を解除すれば終了だ。
まずは日乃栄高校に戻って――と、オウガの足を向けた矢先、辰巳は先ほど風葉が何か言いかけていた事を思い出した。
「そういや霧宮さん、さっき何か言ってたよな。何なんだい?」
「……、ぅ」
振り向く風葉は、なぜか口元を押さえながら両手に涙を溜めていた。
「ど、どうしたんだ霧宮さん!? まさかフェンリルの影響が――!?」
うろたえかける辰巳だったが、しかし風葉はゆるゆると首を振る。
「さっきので、舌、噛んだの。足も、痺れてつらいの」
さっきの、とは考えるまでも無くラピッドブースターを使った時だろう。そうでなくともずっと泉を膝枕していたのだから、相当しんどかっただろう。
「……そうか。なんかこう色々と、ごめん」
キクロプスと戦っていた時よりも遥かに神妙な顔で、辰巳は大きく頭を下げた。
0
あなたにおすすめの小説
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
【完結】大量焼死体遺棄事件まとめサイト/裏サイド
まみ夜
ホラー
ここは、2008年2月09日朝に報道された、全国十ケ所総数六十体以上の「大量焼死体遺棄事件」のまとめサイトです。
事件の上澄みでしかない、ニュース報道とネット情報が序章であり終章。
一年以上も前に、偶然「写本」のネット検索から、オカルトな事件に巻き込まれた女性のブログ。
その家族が、彼女を探すことで、日常を踏み越える恐怖を、誰かに相談したかったブログまでが第一章。
そして、事件の、悪意の裏側が第二章です。
ホラーもミステリーと同じで、ラストがないと評価しづらいため、短編集でない長編はweb掲載には向かないジャンルです。
そのため、第一章にて、表向きのラストを用意しました。
第二章では、その裏側が明らかになり、予想を裏切れれば、とも思いますので、お付き合いください。
表紙イラストは、lllust ACより、乾大和様の「お嬢さん」を使用させていただいております。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
(学園 + アイドル ÷ 未成年)× オッサン ≠ いちゃらぶ生活
まみ夜
キャラ文芸
年の差ラブコメ X 学園モノ X オッサン頭脳
様々な分野の専門家、様々な年齢を集め、それぞれ一芸をもっている学生が講師も務めて教え合う教育特区の学園へ出向した五十歳オッサンが、十七歳現役アイドルと同級生に。
子役出身の女優、芸能事務所社長、元セクシー女優なども登場し、学園の日常はハーレム展開?
第二巻は、ホラー風味です。
【ご注意ください】
※物語のキーワードとして、摂食障害が出てきます
※ヒロインの少女には、ストーカー気質があります
※主人公はいい年してるくせに、ぐちぐち悩みます
第二巻「夏は、夜」の改定版が完結いたしました。
この後、第三巻へ続くかはわかりませんが、万が一開始したときのために、「お気に入り」登録すると忘れたころに始まって、通知が意外とウザいと思われます。
表紙イラストはAI作成です。
(セミロング女性アイドルが彼氏の腕を抱く 茶色ブレザー制服 アニメ)
題名が「(同級生+アイドル÷未成年)×オッサン≠いちゃらぶ」から変更されております
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』
まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。
朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。
「ご主人様の笑顔が見たいんです」
その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。
全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!?
甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。
「作品への感想代わりの『いいね❤️』や『エール📣』、心よりお待ちしております。」
「【応援のお願い】『いいね❤️』や『エール📣』をいただけると、作者のモチベーションが爆上がりします!」
「最後までお読みいただきありがとうございます。温かい『いいね❤️』が更新の支えです。」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる