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#1 レツオウガ起動
Chapter03 魔狼 08-01
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オーディンが、動いた。
陸上選手もかくやと身体を沈め、一気に解き放つ。クラウチングスタートに似た体勢から繰り出される突貫は、さながらロケットだ。
リバウンダーに勝るとも劣らぬ速度を乗せた撃力の塊が、神槍グングニルを携えてオウガを狙う。
「オオッ!!」
斬。
真っ向からの薙ぎ払い。フェイントも何もない、愚直なまでの大振りだ。
「セット! ジャンプ! ならびにパイル!」
『Roger Rebounder PileBunker Etherealize』
対するオウガはリバウンダーとパイルバンカーを精製、しかしどちらも発動させず、己の脚力のみで跳躍する。
致命的な威力を秘めた槍の穂先が、オウガの爪先の数センチ下を引き裂いた。付随する霊力の嵐が空気を撹拌し、すぐそばにあるオウガの装甲を――持って行かない。
ちぃ、と舌打つギノア。
にぃ、とほくそ笑む辰巳。
今までの戦いの最中、相手を観察していたのはギノアだけではない。むしろそれが本職である辰巳は、グングニルの衝撃波が霊力で拡大された斬撃である事を見抜いていたのだ。
「ならばっ!」
いち早く槍を持ち替え、テコの原理で穂先を跳ね上げるオーディン。姿勢制御用のスラスターはオウガの身体各所にあれど、跳躍の軌道を劇的に変えられる出力を備えたものはない。
故に、神槍の刃はオウガを両断していただろう。本来ならば。
だが今。オウガの足首には跳躍術式ユニット、リバウンダーがある。
穂先がオウガを捉えるまさに数瞬前、リバウンダーが発動。オウガの機体は慣性をねじ伏せ、直角に急降下。
狙うはオーディン。武器は右膝に現出した霊力の円錐、パイルバンカー。
「貰ったッ!」
狙うは起死回生、照準はコクピットと思しき腹部中央。
パイロットであるギノアの虚を完全に突き、防護壁の展開を許さない一撃。必殺を賭し、今まで培った研鑽から導き出された強襲が、オーディンの胴体を――貫かない。
外れた。
オーディンが即座にグングニルを手放し、僅かに一歩退いたのだ。
半身になるオーディン。純白の装甲表面を掠める霊力の円錐。
「な、に!?」
驚愕は、辰巳とギノアの双方から上がった。
辰巳は、まさか避けられると思わなかったために。
ギノアも、まさか避けられると思わなかったために。
両者の驚愕はもっともだ。純粋な白兵戦の技量は辰巳の方が上であり、今の奇襲をギノアに防げる筈がなかった。
ならば、今の反応速度は何なのか。
陸上選手もかくやと身体を沈め、一気に解き放つ。クラウチングスタートに似た体勢から繰り出される突貫は、さながらロケットだ。
リバウンダーに勝るとも劣らぬ速度を乗せた撃力の塊が、神槍グングニルを携えてオウガを狙う。
「オオッ!!」
斬。
真っ向からの薙ぎ払い。フェイントも何もない、愚直なまでの大振りだ。
「セット! ジャンプ! ならびにパイル!」
『Roger Rebounder PileBunker Etherealize』
対するオウガはリバウンダーとパイルバンカーを精製、しかしどちらも発動させず、己の脚力のみで跳躍する。
致命的な威力を秘めた槍の穂先が、オウガの爪先の数センチ下を引き裂いた。付随する霊力の嵐が空気を撹拌し、すぐそばにあるオウガの装甲を――持って行かない。
ちぃ、と舌打つギノア。
にぃ、とほくそ笑む辰巳。
今までの戦いの最中、相手を観察していたのはギノアだけではない。むしろそれが本職である辰巳は、グングニルの衝撃波が霊力で拡大された斬撃である事を見抜いていたのだ。
「ならばっ!」
いち早く槍を持ち替え、テコの原理で穂先を跳ね上げるオーディン。姿勢制御用のスラスターはオウガの身体各所にあれど、跳躍の軌道を劇的に変えられる出力を備えたものはない。
故に、神槍の刃はオウガを両断していただろう。本来ならば。
だが今。オウガの足首には跳躍術式ユニット、リバウンダーがある。
穂先がオウガを捉えるまさに数瞬前、リバウンダーが発動。オウガの機体は慣性をねじ伏せ、直角に急降下。
狙うはオーディン。武器は右膝に現出した霊力の円錐、パイルバンカー。
「貰ったッ!」
狙うは起死回生、照準はコクピットと思しき腹部中央。
パイロットであるギノアの虚を完全に突き、防護壁の展開を許さない一撃。必殺を賭し、今まで培った研鑽から導き出された強襲が、オーディンの胴体を――貫かない。
外れた。
オーディンが即座にグングニルを手放し、僅かに一歩退いたのだ。
半身になるオーディン。純白の装甲表面を掠める霊力の円錐。
「な、に!?」
驚愕は、辰巳とギノアの双方から上がった。
辰巳は、まさか避けられると思わなかったために。
ギノアも、まさか避けられると思わなかったために。
両者の驚愕はもっともだ。純粋な白兵戦の技量は辰巳の方が上であり、今の奇襲をギノアに防げる筈がなかった。
ならば、今の反応速度は何なのか。
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