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#1 レツオウガ起動
Chapter03 魔狼 08-02
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呆然と独りごちるギノア。その隙を見逃す辰巳ではない。
「セット! クナイ!」
『Roger Kunai Etherealize』
着地の体勢をそのままバネに、立ち上がりざま精製したクナイを突き出すオウガ。
「ハ――」
ハガラズ。ギノアは反射的に防護壁を張ろうとして、止めた。
見えたのだ。こちらの喉笛を狙う、刃の軌道が。
分かったのだ。その刃を、どうすれば逸らせるのかも。
「――ッ!」
オウガの手首。しっかとクナイを握るその基部へ、ギノアはハガラズを張ろうとした掌を叩きつける。
逸れる軌道、外れる刃。藍色の霊力装甲ごしに、ギノアは辰巳の驚愕を見た。
「こ、のっ!?」
袈裟斬り、振り上げ、振り下ろし。
逆手に持ち替え、左右の手を行き来し、変幻自在に繰り出される刃の嵐。
その全てを、オーディンの腕が捌いていた。
明らかにギノアの技量ではない。神影鎧装の力が、戦神オーディンの技量が、パイロットのギノアと同調し始めたのだ。
「ハ――ハハ。ハハハ!アハハハハッハハハハハァ!」
もはや虫を払うような気軽さでオウガの攻撃を捌きながら、ギノアは呵々大笑する。
さもあらん。先日あれだけ煮え湯を飲まされた相手を、こうもたやすく圧倒出来たとあれば。
「これは、これは! 新しいデータを送らないといけませんねぇ!」
笑いながら、ギノアは左膝を跳ね上げた。
即座に三歩退き、これを回避しながらも訝しむ辰巳。
立ち膝蹴り、にしては間合いが遠い。実際、ギノアは蹴りを放ったのではない。
足の甲、跳ね上げたのは長槍の柄。オウガのものとは違い、五秒以上経過しても分解しなかった霊力武装の柄を、オーディンは掴み取る。
神槍、グングニル。
水平にそれを構え、ギノアは一つ深呼吸をする。
それだけで、ギノアは理解した。
どうすれば、眼前の敵を薙ぎ払えるのかを。
「セット! クナイ!」
『Roger Kunai Etherealize』
着地の体勢をそのままバネに、立ち上がりざま精製したクナイを突き出すオウガ。
「ハ――」
ハガラズ。ギノアは反射的に防護壁を張ろうとして、止めた。
見えたのだ。こちらの喉笛を狙う、刃の軌道が。
分かったのだ。その刃を、どうすれば逸らせるのかも。
「――ッ!」
オウガの手首。しっかとクナイを握るその基部へ、ギノアはハガラズを張ろうとした掌を叩きつける。
逸れる軌道、外れる刃。藍色の霊力装甲ごしに、ギノアは辰巳の驚愕を見た。
「こ、のっ!?」
袈裟斬り、振り上げ、振り下ろし。
逆手に持ち替え、左右の手を行き来し、変幻自在に繰り出される刃の嵐。
その全てを、オーディンの腕が捌いていた。
明らかにギノアの技量ではない。神影鎧装の力が、戦神オーディンの技量が、パイロットのギノアと同調し始めたのだ。
「ハ――ハハ。ハハハ!アハハハハッハハハハハァ!」
もはや虫を払うような気軽さでオウガの攻撃を捌きながら、ギノアは呵々大笑する。
さもあらん。先日あれだけ煮え湯を飲まされた相手を、こうもたやすく圧倒出来たとあれば。
「これは、これは! 新しいデータを送らないといけませんねぇ!」
笑いながら、ギノアは左膝を跳ね上げた。
即座に三歩退き、これを回避しながらも訝しむ辰巳。
立ち膝蹴り、にしては間合いが遠い。実際、ギノアは蹴りを放ったのではない。
足の甲、跳ね上げたのは長槍の柄。オウガのものとは違い、五秒以上経過しても分解しなかった霊力武装の柄を、オーディンは掴み取る。
神槍、グングニル。
水平にそれを構え、ギノアは一つ深呼吸をする。
それだけで、ギノアは理解した。
どうすれば、眼前の敵を薙ぎ払えるのかを。
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